【オカルト】感想:オカルト本「オカルト・クロニクル」(松閣オルタ/2018年):オカルト系サイトの最高峰が書籍化

オカルト・クロニクル

http://www.amazon.co.jp/dp/4800315433
オカルト・クロニクル 単行本(ソフトカバー) 2018/8/23
松閣オルタ (著)
単行本(ソフトカバー): 415ページ
出版社: 洋泉社 (2018/8/23)
発売日: 2018/8/23

膨大な資料の読み解きと独特の文体で異彩を放つ、
オカルト研究サイト「オカルト・クロニクル」がついに書籍化!
奇妙な事件、奇妙な出来事、奇妙な人物――洋の東西を問わず不可解な謎に迫る、
「超濃厚オカルト研究読本」!

 
【※以下ネタバレ】
 
 

内容

 有名なオカルト系サイト「オカルト・クロニクル」(通称オカクロ)の内容を書籍化した本。

オカルト・クロニクル
https://okakuro.org/

okakuro.org

 
 サイトの「オカルト・クロニクル」は「オカルト」とは銘打っているものの、いわゆる超常現象ネタだけでなく、「迷宮入りした怪事件」や「奇妙な人物(例:アメリカ皇帝ノートン一世、東京ローズ、他)」なども扱う、一言では説明できない構成。


 本書もサイトの内容同様、オカルト・怪事件・奇人の三本柱で構成されている。また書籍書き下ろしで

・「人間の足首」が次々と漂着する“怪"――セイリッシュ海の未解決ミステリー事件
・「謎多き未解決事件」――京都長岡ワラビ採り殺人事件
赤城神社「主婦失踪」事件 ――「神隠し」のごとく、ひとりの女性が、消えた

の三つが追加されている。
 
 

もくじ
はじめに
――信奉者はタフなロマンを! 信奉者の敵は懐疑論ではなく安易な否定論だ!


ディアトロフ峠事件
――ロシア史上最も不可解な謎の事件


熊取町七名連続怪死事件
――日本版『ツイン・ピークス』の謎


青年は「虹」に何を見たのか
――地震予知に捧げた椋平廣吉の人生


セイラム魔女裁判
――はたして、村に魔女は本当にいたのか……


坪野鉱泉肝試し失踪事件
――ふたりの少女はどこへ消えたのか……


「迷宮」
――平成の怪事件・井の頭バラバラ殺人事件


「人間の足首」が次々と漂着する“怪"
――セイリッシュ海の未解決ミステリー事件


「謎多き未解決事件」
――京都長岡ワラビ採り殺人事件


ミイラ漂流船
――良栄丸の怪奇


科学が襲ってくる――
フィラデルフィア実験の狂気


岐阜県富加町「幽霊団地」
――住民を襲った「ポルターガイスト」の正体


八丈島火葬場七体人骨事件
――未解決に終わった“密室のミステリー"


獣人ヒバゴン
――昭和の闇に消えた幻の怪物


ファティマに降りた聖母
――7万人の見た奇蹟


赤城神社「主婦失踪」事件
――「神隠し」のごとく、ひとりの女性が、消えた

 
 

感想

 評価は◎。

 私が今までに見たオカルト系サイトの中で最高峰と評価する面白サイトが遂に書籍化。

 どのネタを取っても掘り下げと分析が物凄く、すさまじい読みごたえがある。まず資料の収集のレベルからして尋常ではなく、国内の話なら書籍から新聞からかなりの数を参考資料としているため内容に厚みがあるし、さらに海外の事件ならば多数の英語サイトなども幅広く巡って情報を集めているため、今まで見たことが無いような新情報が次から次から提示されて驚かされる。

 また手に入れた膨大な情報をただ書き連ねるのではなく、「事件」については真相についての独自の考察を行っており、その分析も実に興味深い。色々な切り口で様々な可能性を提示しており、特に「坪野鉱泉肝試し失踪事件」で、廃墟での失踪事件に北朝鮮の拉致を結びつけるという推理は、積み上げられる証拠が恐ろしい説得力がある。

 と、どの話もかなりのボリュームだが、その一方で作者独特の軽妙なタッチの軽口が随所に挟み込まれており、そのおかげですらすらと読むことができる。

 「オカルト」「未解決事件ドキュメント」「歴史秘話(人物ネタ)」がバランスよくまとまっており、どのネタも好きなので楽しめた一冊だった。
 
 

2019年の読書の感想の一覧は以下のページでどうぞ

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