新サクラ大戦(PlayStation4専用ソフトウェア)
http://sakura-taisen.com/game/shin-sakura/
『新サクラ大戦』は太正二十九年の帝都・東京を舞台に、
悪と戦う「帝国華撃団」の活躍を描く、ドラマチック3Dアクションアドベンチャーです。
主人公率いる「帝国華撃団・花組」が、帝都に現れた降魔や、世界の各都市に誕生した華撃団と激突。
「アドベンチャー」と「バトル」を繰り返し、ヒロインたちとの絆を育みながらストーリーを進めます。
1990年代後半から2000年代前半にかけてシリーズ5作品が発売され、一世を風靡した「サクラ大戦」シリーズの新作が、今年の12月12日にPS4用ゲームで発売されるそうです。このニュースに、歳を食ったオッサンゲーマーたちは多少なりとも感じるものが有るのではないでしょうか?
まあ個人的には、「藤島康介&松原秀典コンビのキャラデザじゃねぇサクラ大戦なんて……、そもそも3Dキャラじゃ萌えんわ」とか「シナリオがイシイジロウ……」とか「バトルパートがアクション?」とか、言いたいことがめっちゃ有るわけですが……(^-^;)
●何故(一旦)打ち切りになったの?
しかし、ここでふと疑問に思うのが、今回14年ぶりに復活という事は、つまりシリーズはいったん打ち切りになったという事で……、何故全盛期には、小説・漫画・アニメ(TVシリーズ、映画、OVA)・ラジオ番組、果ては舞台、と華々しくマルチ展開したシリーズが打ち止めになってしまったのか……、
私は一作目はプレイしたものの2作目は途中で中断、3作目以降は諸般の事情で未プレイ、ということで、シリーズがいかなる経過をたどったのか全く知らず、よって打ち切りに至る事情もさっぱり知らなかったので、その辺りが是非知りたいと思いまして。
まあ、素人でも5作目の売れ行きがイマイチだったんだろうなぁとは予想が付きますが、実際にそうだったのかどうか? という事が気になって調べてみると、丁度欲しかったまさにそのものの記事を見つけました。
これです。
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2017/2/13
NewRetoroGame | ゲームの今昔とゲーミングPCパーツのサイト
シリーズ売上本数から探る「サクラ大戦V さらば愛しき人よ」~セガ黄金期の終わりに~
https://androgamer.net/2017/02/13/post-3540/
2017/2/17
NewRetoroGame | ゲームの今昔とゲーミングPCパーツのサイト
PS2で展開された「サクラ大戦ワールドプロジェクト」からシリーズ終焉の原因と続編の可能性に迫る
https://androgamer.net/2017/02/17/post-3747/
書いてある内容がすんごく面白いので、以後引用多めでいきます。
●1.シリーズ売上本数から探る「サクラ大戦V さらば愛しき人よ」~セガ黄金期の終わりに~
歴代のシリーズとの売上本数比較
サクラ大戦シリーズは「2」をピークに「サクラ大戦3」「サクラ大戦4」と減少傾向にあった。「サクラ大戦5」では急激に売上本数を減らして。国内14万本強といった累計販売本数に落ち着いている。
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概ねの売り上げは
サクラ大戦(セガサターン/1996年9月27日発売)→ 46万6千本
サクラ大戦2(セガサターン/1998年4月4日発売)→ 57万6千本
サクラ大戦3(ドリームキャスト/2001年3月22日発売)→ 30万4千本
サクラ大戦4(ドリームキャスト/2002年3月21日発売)→ 25万7千本
サクラ大戦5(プレイステーション2/2005年7月7日発売)→ 14万4千本
……、イメージ通りの結果ですな。
サクラ大戦Vの前日譚となる「サクラ大戦Vエピソード0 荒野のサムライ娘」の売上は過去の関連タイトルよりやや減少程度だが、ユーザーの評価が低い。本編発売前のタイトルという事もありマザーシップである「サクラ大戦V」の期待感を大きく削ぐには十分の結果となってしまった。30万人程度はいる固定ファンを振り落とす結果に繋がった疑惑がある。
では本編の「サクラ大戦V」の売上を見ていこう。PS2で14万本強と終わった「V」は初週も9万本強と出足が鈍い。その後も伸び悩み、在庫を抱えた店舗でも価格も落ちていった。従来のファンのみならず、新規のシリーズファンの獲得にも繋がらなかった様だ。
「サクラ大戦 熱き血潮に」の売上本数を見るとPS2初期では未だ固定ファンも付いてきていたが、数本に渡るサクラ大戦ブランドを摩耗させるようなラインナップ戦略によって、従来からのファンも離脱してしまった。結果的に高いハード普及台数にも限らわず、総売上本数が低下し、口コミ評価によるジワ売れもなく、売上本数の低下に繋がったといえる。
はい、もうここで答え出てた(笑) 「V」の前に「ミステリアス巴里」だの「エピソード0」だの質の低い外伝タイトルを乱発して、サクラ大戦のブランドをゴミにしたおかげで、ファンに飽きられて肝心の「V」も大爆死したと……、ダメじゃん。
●2.PS2で展開された「サクラ大戦ワールドプロジェクト」からシリーズ終焉の原因と続編の可能性に迫る
サクラ大戦ワールドプロジェクトと3本の発売中止ソフト
プレイステーションでサクラ大戦を展開していくにあたり、2002年に6本の関連タイトルの制作を発表した「SAKURA TAISEN WORLD PROJECT」を大々的に開始する。開発部門を分社化したオーバーワークス時代の産物でラインナップ的にも当時「?」となる物が多く、実際に半数が頓挫した。そして、このプロジェクトが「サクラ大戦」シリーズに大きな影を落としていく事になっていく。
「SAKURA TAISEN WORLD PROJECT」で発表された6本のうち、3本が開発中止に追い込まれている。無事発売されたタイトルも全体的に売上は右肩下がりで、最後の本編「V」がリメイク作品以下の販売本数という結果になり、シリーズの終焉を招くことになる。ではPS2で発表された5作品を見ていきながら、「V」の不振までの流れを追っていこう。
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新ハードに移行したのに、シリーズは泥沼の地獄に陥っていったのが解って、読んでいて気が滅入ってきましたよ……
サクラ大戦 熱き血潮に 累計売上21万本
リメイクながらも20万を越えるヒットを出し、タイトル単品で見れば、まずまずの成果を上げていると言える。
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サクラ大戦物語 ミステリアス巴里 累計売上7万本
低コストで制作し、関連タイトルで無難に回収するビジネスモデルは理解できるが「サスペンスアドベンチャー」という誰に向けているのか分からないコンセプトでユーザーの評価は極めて低い。
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サクラ大戦物語 帝都編 (発売中止)
巴里編の不評を受けて発売中止になった。
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サクラ大戦5 Episode0 荒野のサムライ魂 累計売上6万本
当初は国内販売は「V」本編後がアナウンスされていたが何故か先行販売され、多くの既存ファンを振り落とす事になった。
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KOUNA 降魔(発売中止)
降魔戦争を描いたおどろどろしいアクションゲームだったらしいが、発売中止になり詳細は定かではない。アクションという事で海外展開を意識したタイトルだろうか。前述の荒野のサムライ魂が失敗の終わり、開発の初期段階で頓挫したと思われる。
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桜姫錦絵巻(発売中止)
サクラ大戦のルーツをたどる仙台藩の伊達騒動を元にした和風アクションゲーム。こちらも海外展開を意識したタイトルのように見えるが発売中止だ。
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サクラ大戦3(DC移植) 累計売上5万本
DC版からのベタ異色。
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サクラ大戦5 累計売上15万本
売上的にはリメイクの「熱き血潮に」以下に留まっており、シリーズ終焉の直接の原因になってしまった。出来は評判ほど悪くなく、PS2で展開された新作サクラ大戦としてはダントツに良い。しかし歴代の名作と比較されると厳しいという点は否定できない。
……、サクラ大戦シリーズが狂っていく……(T△T) 何故こんな狂気の事態に陥ったのかと首をひねりましたが、こういう事らしい……
セガグループ再編による影響とハード事業撤退による変化
そして「4」発売後の「ワールドプロジェクト」を発表した後に、セガはサミーと経営統合し、グループ再編されオーバーワークスは「セガ・ワウ」に吸収合併された。
このように短期間で組織・体制が頻繁に変更されており、セガの部門トップの変更も行われてるため、安定した開発を行える環境ではなかったと推測される。
サクラ大戦V発売までの商品展開の失敗
本来は「サクラ大戦V」発売までに、ユーザーの期待を盛り上げるための関連作品展開であるべきはずが、尽く失敗しており、ブランド力を徐々に摩耗させていった事が伺える。致命的なのは「V」スピンオフの「荒野のサムライ娘」の大失敗で、本編発売前に負のイメージが付いてしまった。事前に「V」の主要キャラを扱ってしまったため、本作をプレイしてない大半のサクラ大戦ファンは「V」に対して興味完全に失ってしまった。
そらそうよ。
記事は最後に新作の可能性について触れています。
サクラ大戦のコンテンツとしての価値
サクラ大戦のコンテンツとしての価値がなくなっている訳ではないと思われる。架空の大正時代を背景に、スチームパンクと融合させ、乙女が歌い、踊り、戦い、恋をするという「サクラ大戦」フォーマットに匹敵するようなオリジナリティを持ち、強度のあるコンテンツをゼロから生み出すのは相当難しい。
「当時のスタッフが再結集 PS4でベルリン(伯林)編」といった内容では従来の旧ファンは嬉しいが、20年前の「熱量」を持つ事は難しいそうだ。これは受け手となる旧ファンも同様だろう。
サクラ大戦をリブートするには、現在のゲーム産業にフィットした「サクラ大戦」でなければ、ユーザーが期待するクオリティ・規模感は維持できないと思われる。
成功のためには、従来ファン向けではなく、今の中学生~大学生、20代前半の若い層にも響く「新しいスタッフ」による「新しいファン」のための「新しいサクラ大戦」が必要ではないだろうか。収益源も家庭用ゲーム機だけに留まる必要はないはずだ。
図らずも今回の新作の予言となっていますね。
ということで、何故広井王子が率いたシリーズが終わりを迎えたのかは良ーくわかりました。
しかし、今度の新作は……、これ、前のシリーズを知るオッサンに注目されているのは解るとして、今の若い衆にウケているのかどうかよく解らんな……、『プレイヤーがイケメンキャラを分身として、美少女たちと一緒にロボット兵器で戦う』って、20年前には大ウケのコンセプトでしたが、もうロボットアニメも無い2019年にプレイヤーに刺さるんですかね……?