【推理小説】名探偵「思考機械」シリーズの完全版が2019年に発売されていた!

思考機械【完全版】第一巻
 
 「思考機械」と聞けば、推理小説スキーならばピンと来るかと思いますが、いわゆる「シャーロック・ホームズのライバルたち」と称される古典派名探偵の中でも特に有名な一人です。

 その思考機械シリーズの全作品を収録した「完全版」全2巻が、今年2019年に発売されたというのですから、もう驚きの一言です。(;゚Д゚)エエー


思考機械とはこんな人

思考機械(The Thinking Machine)
https://www.aga-search.com/detective/the_thinking_machine/

www.aga-search.com

アメリカの作家ジャック・フットレルの生んだ探偵で、ホームズのライヴァルの探偵の中でも重要な一人に挙げられます。


 名前をオーガスタス・S・F・X・ヴァン・ドゥーゼンといい、哲学博士や法学博士などの博士号を持つアメリカのボストンの某大学教授で、名前と肩書だけでアルファベットの半分を使うという面白い特徴を持ち、風貌は小柄で痩せていて、頭は非常に大きく、顔は気難しい表情をしています。


 「思考機械」というあだ名は、チェスの全国大会が開かれた際に、たった一日教えを受けただけで当時の世界チャンピオンをわずか14手で破ってしまい、破れたチャンピオンが思わず叫んだ言葉から来ています。

─「あんたは人間じゃない。いや機械といった方が的確だろう─そうまさに思考機械だ!」

 1つの長編を含め全部で50編ほどあると言われていますが、著者のフットレルが1912年に起きたあの〈タイタニック〉号の悲劇的な事故で亡くなった際にそのうちの6つの作品がともに海に沈んでしまったといいます。


 またいくつかの作品が新聞紙上で連載されたまま単行本としては未収録になっているようです。

 
 日本では作品は、東京創元社の「思考機械の事件簿I~III」のタイトルで三冊発売されていますが、上記の通りいくつかの作品はアメリカでも本になっていない……、というより、作品が全部で何作あるのかすらはっきりとしていませんでした。
 
 
 

「作品社」がまたやった

 ところが、この度、作品社というマイナーな会社がこの思考機械シリーズ全作品を集めて全二巻で発売したというのです。

 この作品社という会社は、2014年にも「隅の老人」シリーズの全作品を集めた「隅の老人【完全版】」を発売した実績があり、その際には大枚7000円以上を払って購入した物でした。そして同じノリ(というかフォーマット)でこの度思考機械ものを発売するに至った模様です。
 
 

作品社|思考機械【完全版】第一巻
http://www.sakuhinsha.com/oversea/27549.html

www.sakuhinsha.com

バロネス・オルツィの「隅の老人」、オースティン・フリーマンの「ソーンダイク博士」と並ぶ、あまりにも有名な“シャーロック・ホームズのライバル”。本邦初訳16篇、単行本初収録6篇! 初出紙誌の挿絵120点超を収録! 著者生前の単行本未収録作品は、すべて初出紙誌から翻訳! 初出紙誌と単行本の異動も詳細に記録!
シリーズ50篇を全二巻に完全収録!
詳細な訳者解説付。


隅の老人シリーズは、一作を除いて全作品が単行本に収録されているのに比べ、思考機械は多くの作品が単行本未収録のまま、作品数がどれだけあるかもはっきりしない時代が長かった。今回全作品を収録するとともに、作品数を確定し、版による異同も確認をした。おそらく、英米で出回っている思考機械の書籍よりも詳しい内容だろう。


思考機械シリーズは、フットレルの生前に短篇集が二冊、長篇が一冊、一篇のみを収録した本の計四冊が単行本になっているが、はるかに単行本未収録作品のほうが多い。現在海外では数種類の「思考機械全集」が出版されているが、ほとんどは出典が明示されておらず、また解説もないといっても過言ではない。本書では(…)初出雑誌に当たった。単行本に収録されている場合はそちらを決定稿とみなし、それらと雑誌初出時との異同を指摘した。また、生前に単行本未収録の作品は、雑誌初出版を決定稿とした。さらに、作品によっては入手したイギリスでの雑誌初出版との違いがあるので、その場合には、それも指摘している。またメイ夫人の協力のもと、二十世紀半ばの「エラリー・クイーンズ・ミステリ・マガジン」に数篇が掲載されたが、これらとの異同も確認した。
平山雄一「訳者解説」より)

 
 

作品社|思考機械【完全版】第二巻
http://www.sakuhinsha.com/oversea/27594.html

www.sakuhinsha.com

これらの作品は雑誌発表順に並べられており、フットレルがタイタニック号の沈没事故で亡くなった後に雑誌に発表された遺作も、掲載順に従っている。


さらにこの第二巻には特典として、フットレルが「思考機械」シリーズを開始する以前に同じ新聞紙上に発表したホームズ・パスティーシュを収録した。これは以前にも邦訳があったが、実はこの作品は単独では十分な鑑賞ができない。エドガー・アラン・ポーの「マリー・ロジェの謎」と同じく、実際にボストンで起きた殺人事件の推理を、小説の形で行なっているからだ。当時の人々は小説を読む以前に、連日の報道を紙上で目にしていた。それを前提として、初めて小説の内容が理解できるのである。本解説に、当時の新聞をもとにして、事件の推移を簡単にまとめたので、小説とあわせてお読みいただきたい。
平山雄一「訳者解説」より)<<

 
 
 マニアにはたまらない内容ですかね。私は一冊7480円という価格にたじろいでいて、購入を躊躇していますが……
 
 
 
思考機械【完全版】第二巻
思考機械の事件簿 1 (創元推理文庫 176-1 シャーロック・ホームズのライヴァルたち)
思考機械の事件溥 2 (創元推理文庫 176-2 シャーロック・ホームズのライヴァルたち)
思考機械の事件簿〈3〉シャーロック・ホームズのライヴァルたち (創元推理文庫)
隅の老人【完全版】