【SF小説】感想「ポルレイターとの決別」(宇宙英雄ローダン・シリーズ 550巻)(2017年8月8日発売)

ポルレイターとの決別 (宇宙英雄ローダン・シリーズ550)

http://www.amazon.co.jp/dp/4150121362
ポルレイターとの決別 (宇宙英雄ローダン・シリーズ550) (日本語) 文庫 2017/8/8
クルト・マール (著), ウィリアム・フォルツ (著), 増田 久美子 (翻訳)
文庫: 271ページ
出版社: 早川書房 (2017/8/8)
発売日: 2017/8/8

【※以下ネタバレ】
 

《バジス》が地球に戻ったとき、カルデク・オーラの集合体につつまれたポルレイターたちが一体となってテラニアに降下していた!


《バジス》は瓦礫フィールドで制動物質をある程度まで除去したのち、地球に帰還するコースをとった。そのころポルレイター二千九名は、一体化したカルデク・オーラの集合体につつまれたまま、地球周回軌道にいた。どうやら、オーラのエネルギーを放出することで集団自殺しようとしているらしい。しかし、やがて集合体オーラは地表に向かい、テラニア・シティの人口密集地域に降りてくる。テラの住民に危険が迫っていた!

 

あらすじ

◇1099話 ポルレイターとの決別(クルト・マール)(訳者:増田 久美子)

 ポルレイター二千体は巨大なオーラを形成したままテラニア市街に着陸するが、内部では集団自決を主張する一派と、それに反対する者たちが激しく争っていた。地球に帰還したローダンは「コスモクラートのリング」の力でポルレイターを平静に戻すことに成功し、ポルレイターは今後は深淵の騎士を支援することを約束して球状星団M-3へと去った。数日後、フロストルービン宙域に巨大な宇宙船団が出現した。(時期:不明。NGZ426年2月頃?)

(「宇宙ハンザ」サイクル完結)



◇1100話 フロストルービン(ウィリアム・フォルツ)(訳者:増田 久美子)

 フロストルービン近傍に巨大宇宙艦隊『無限アルマダ』が出現した。無限アルマダは、何百万年も前に盗まれた『トリイクル9』を探して宇宙を旅してきたのだった。

 NGZ426年3月、ローダンは、《バジス》を始めとする二万隻の『銀河系船団』を率いてフロストルービン宙域に進出した。ローダンは突如出現したコスモクラートの使者『タウレク』と共にフロストルービン内部に向かい、内部でセト=アポフィスの工作員化された生物の精神の断片を発見する。この犠牲者たちの精神は同時にセト=アポフィスその物でもあった。ローダンたちはセト=アポフィスの攻撃を逃れ、脱出に成功した。(時期:NGZ426年3月15日~4月3日)

(「無限アルマダ」サイクル開始)


※初出キーワード=無限アルマダ、黒の成就、シグリド人、アルマダ作業工、睡眠ブイ、オルドバン、アルマダ中枢、トリイクル9、アルマディスト、アルマダ共通語、アルマダ炎、アルマダ印章船、グーン・ブロック、アルマダ牽引機、強制インパルス、銀河系船団、セトドロポオン銀河、兵舎、ヒルト・ラマソ、無抵抗の道

あとがきにかえて

 ドイツのドキュメンタリー映画「パルヒム国際空港」の感想。

感想

 前半。あまりにも強引な結末にガッカリ。機能不明の謎のアイテム「コスモクラートのリング」を持ち出して話に無理やり決着をつける様は、これこそ「デウス・エクス・マキナ」と呼ばれる悪しき手法ではないでしょうか。あまりにもあんまり。

 後半。新サイクル「無限アルマダ」の開始。一気に投入された新出キーワードの嵐に圧倒されましたが、さらにセト=アポフィスの正体が犠牲者となった生物の精神の集合体、という真相にも驚かされました。確かに≪それ≫も同様の精神集合体型ではありますが、この発想はなかった。
 
 

550巻~600巻(「無限アルマダ」サイクル)の他の巻の内容・感想は以下へどうぞ

perry-r.hatenablog.com