【SF小説】感想「11名の力」(宇宙英雄ローダン・シリーズ 556巻)(2017年11月7日発売)

11名の力 (宇宙英雄ローダン・シリーズ556)

http://www.amazon.co.jp/dp/4150121516
11名の力 (宇宙英雄ローダン・シリーズ556) (日本語) 文庫 2017/11/7
ホルスト・ホフマン (著), H・G・フランシス (著), シドラ 房子 (翻訳)
文庫: 287ページ
出版社: 早川書房 (2017/11/7)
発売日: 2017/11/7

【※以下ネタバレ】
 

無限アルマダとの交渉のため、ローダンはアルマダ炎を得ようと考える。"白いカラス"のところで、それが手に入るというのだが!?


ペリー・ローダンは無限アルマダとの交渉において有利な立場を確保するため、アルマダ炎を得ようと考えはじめる。シグリド人司令官ジェルシゲール・アンによるとアルマダ炎は“白いカラス"と呼ばれるもののところで手に入るというが、詳細は不明だ。そんなとき《バジス》は宇宙空間に、巨大な白い帆を張ったなにかを発見した。白いカラスかもしれない。ローダンはグッキーとラス・ツバイを偵察に向かわせることにした!

 

あらすじ

◇1111話 11名の力(ホルスト・ホフマン)(訳者:シドラ 房子)

 ローダンは今後のアルマダ種族との遭遇に備え、アルマダ炎の入手を考えはじめるが、アルマダ炎は「白いカラス」という謎の存在から手に入ると解る。やがて白いカラスとは宇宙を飛行するロボットたちと判明し、グッキーとラスが追跡するが、グッキーは不可思議な11体の精神生命体との出会いを体験し、またラスは無人のテラ船四隻を発見する。ローダンは乗員を拉致したのは「アルマダ工兵」という相手らしいと知り、すぐさま救助に向かった。(時期:NGZ426年6月7日~)

※初出キーワード=ゾック(種族)、惑星グックロン



◇1112話 銀色の影(H・G・フランシス著)(訳者:シドラ 房子)

 NGZ426年5月。四隻のテラ船はM-82銀河に到着するが、アルマダ艦に拿捕され、ロボットから銀河系船団の他の船は全滅したと教えられる。乗員たちは宇宙基地で「アルマダ中枢に対抗する反逆者」と自称するロボットのために働かされるが、やがてサボタージュによりロボットの主人と対面することに成功する。その相手は全身銀色のヒューマノイドだった。また同じ頃《バジス》が基地の近くまで到着していた。(時期:NGZ426年5月16日~6月16日)

※初出キーワード=銀色人


あとがきにかえて

 超能力に関する話、「11名の力」の裏話。


感想

 前半。ごちゃごちゃして非常に読みづらい話。最後には、今回の変な展開には一応理由があったと説明されるのですが、乗員がおかしくなったり、グッキーの行動が異常になったり、と、本筋からの脱線が多すぎるエピソードでした。

 ちなみにグッキーが惑星グックロンで遭遇する11体の精神生命体は、「あとがきにかえて」でも軽く説明されていますが、「ローダン作家チームのメンバーが精神生命体化して、2000年後の未来は自分たちが小説に書いた通りになっているか確認しに来た」というふざけた設定です(笑) まあ1111話というゾロ目回を記念したお遊びが大半だったという事ですね。ちなみに11体と作家との対応ですが、私が考えたリストは以下の通りです。


1)ハクン(Hakn)→ハンス・クナイフェル
2)クルダ(Clda)→クラーク・ダールトン
3)カハス(Kahas)→K・H・シェール
4)エルヴル(Ervl)→エルンスト・ヴルチェク
5)フゲウ(Hgew)→H・G・エーヴェルス
6)フグフル(Hgfr)→H・G・フランシス
7)ドグウィ(Dgwi)→デトレフ・G・ヴィンター
8)クーマ(Kuma)→クルト・マール
9)ペグル(Pegr)→ペーター・グリーゼ
10)マシー(Masy)→マリアンネ・シドウ
11)ウィヴォ(Wivo)→ウィリアム・フォルツ


 後半。謎の銀色人が本格的に登場してくる内容ですが、盛り上がりはもう一つというところ。なお、テラナーたちが拉致されて連れていかれた宇宙基地は、直径二キロ近くの円盤で、普通に考えれば巨大なのですが、《バジス》よりはるかに小さいと思うと妙な感じがします。
 
 
 

550巻~600巻(「無限アルマダ」サイクル)の他の巻の内容・感想は以下へどうぞ

perry-r.hatenablog.com
 

2019年の読書の感想の一覧は以下のページでどうぞ

perry-r.hatenablog.com