【SF小説】感想「第二地球作戦」(宇宙英雄ローダン・シリーズ 558巻)(2017年12月6日発売)

第二地球作戦 (宇宙英雄ローダン・シリーズ558)

http://www.amazon.co.jp/dp/4150121567
第二地球作戦 (宇宙英雄ローダン・シリーズ558) (日本語) 文庫 2017/12/6
クラーク・ダールトン (著), H・G・エーヴェルス (著), 渡辺 広佐 (翻訳)
文庫: 280ページ
出版社: 早川書房 (2017/12/6)
発売日: 2017/12/6

【※以下ネタバレ】
 

変節した女コスモクラートによるテラ破壊の危機を警告するため、エルンスト・エラートの意識がテラに派遣されることになるが……


想像を絶する規模と機能を持つ宇宙の巨大コンピュータ、ヴィールスインペリウムがついに再構築された。三つの究極の謎を解く手がかりとなるものだ。ところが、完成直後に、変節した女コスモクラートのヴィシュナによって奪われてしまう。ヴィシュナの行方は杳として知れないが、地球とテラナーを蹂躙するつもりらしい。超越知性体“それ”はテラナーに警告するため、エルンスト・エラートの意識を派遣することにした!

 

あらすじ

◇1115話 不死存在の使者(クラーク・ダールトン)(訳者:渡辺 広佐)

 超越知性体“それ”は、ヴィシュナによる危機をテラナーに伝えるため、精神存在エルンスト・エラートを使者として送り出した。ところがエラートは手違いにより、予定とは全く別人の、スプリンガーの犯罪者メルグの肉体に入り込んでしまい、さらに気温が25度以下では肉体をコントロールできないという状態となる。それでもエラートはなんとか地球に行き、ブルたちの元にたどり着いた。(時期:不明。NGZ426年6月頃)

※初出キーワード=なし



◇1116話 第二地球作戦(H・G・エーヴェルス)(訳者:渡辺 広佐)

 “それ”が地球を守るために立てた計画は、地球の住民数百万人の精神エネルギーを元に、太陽の反対側に地球と月のコピーを作り出すという物だった。ブルたちは早速準備を進めるが、計画の最終段階になって、エラートは肉体の主導権をメルグに奪われ失踪してしまう。エラートを欠いたことで、第二の地球と月の創造は失敗し、目標地点にはプラズマが生まれてしまった。(時期:不明。NGZ426年6月頃)

※初出キーワード=プロジェクション地球・月、ヴィーロトロニクス、メンタル物質化装置


あとがきにかえて

 福島県の大内宿を旅行した話。


感想

 前半。冒頭で“それ”と一体化したミュータントたち17人が大集合する展開は、なかなか壮観というかでした。特にタコ・カクタとかベティ・タウフリーとかの名前が物凄く懐かしかった。そして、おなじみのエルンスト・エラートが仕事を任されるのですが、とりついた相手の肉体は、周囲の気温が25度以上ならコントロールできるが、それ以下なら本来の肉体の持ち主に主導権を奪われてしまう、ということで、互いに部屋の温度を上げたり下げたりエアコンの設定を変更しあう、という展開がもうコントでした。“それ”も忙しいからといって仕事の仕方が雑過ぎなのでは。


 後半。“それ”の提案で、地球と月のコピーを作るという計画を始めるのですが、「地球と月を対象とする巨大プロジェクト」と言えば、思い起こすのは旧暦3460年に実施した地球と月を物質転送機で移動させるというあの作戦。そして今回も(悪い予感通りに)前回同様大失敗に終わってしまうのでした…… 何故エラートがブルたちに計画の肝心な部分を隠していたのかさっぱり不明でモヤモヤします。その秘密主義のせいで、実際に計画が失敗してしまったわけですし。

 ところで気楽に「第二の地球を太陽の反対側に創造する」と言っていましたが、重力のバランスとかそういうことで問題が起きないものなのでしょうか。
 
 
 

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