【SF小説】感想「アルマダの三つの予言」(宇宙英雄ローダン・シリーズ 575巻)(2018年8月21日発売)

アルマダの三つの予言 (宇宙英雄ローダン・シリーズ575)

http://www.amazon.co.jp/dp/4150121923
アルマダの三つの予言 (宇宙英雄ローダン・シリーズ575) (日本語) 文庫 2018/8/21
マリアンネ・シドウ (著), クルト・マール (著), 恵矢 (翻訳)
文庫: 271ページ
出版社: 早川書房 (2018/8/21)
発売日: 2018/8/21

【※以下ネタバレ】
 

ローダンたちは"小さな知識の保管者"ウォムの言葉に従い、"アルマダ予言者"を探すことに。奇妙な連星がかれらを待っていた!


アルマダ年代記の正体は、ウォムと呼ばれる極小サイズのヒューマノイドだった。無限アルマダの歴史を語るウォムが数十億体も収容された黒いピラミッドこそ、アルマダ年代記そのものだったのだ。ローダンが一体だけ《バジス》に持ち帰ったウォムは“アルマダ予言者"という謎の存在について語りはじめる。《バジス》はウォムの言葉にしたがって、アルマダ予言者を探す旅に出た。ところが、途中で奇妙な二重星に遭遇した!

 

あらすじ

◇1149話 双子星の呪縛(マリアンネ・シドウ)(訳者:恵矢)

 《バジス》は、ウォムが居場所を知っているという「アルマダ予言者」に会うために飛行していたが、その途中で未知のインパルスを受信した後、異なる恒星を半分ずつ組み合わせたような異常な双子星を発見する。ローダンはセト=アポフィスと関係あると推測し、双子星の唯一の惑星を調査することにした。惑星「カルメン」の現住種族「カルメナ」は、双子星の発する放射が無くなって混乱していたが、ローダンたちは結局何も発見できないままカルメンを後にした。やがて双子星の謎の放射が戻り、それはセト=アポフィスの復活を意味している可能性があった。(時期:不明。NGZ427年頃)

※初出キーワード=アルマダ予言者、惑星カルメン、カルメナ種族



◇1150話 アルマダの三つの予言(クルト・マール)(訳者:恵矢)

 テラナーは何度もウォムから教えられたアルマダ予言者の居場所に向かうものの、全て空振りに終わっていた。しかしウォムは今度こそ正しいデータだと主張し、《バジス》が指定された場所に到着すると、小惑星が現れ、中から予言者がテレパシーで呼びかけてきた。ローダンたちが予言者の課した試験をクリアすると、予言者はテラナーに「アルマダ工兵は敗北する」「ローダンたちはアルマダ第一部隊を発見する」「テラナーは無限アルマダの指揮権を得る」という三つの予言を伝える。さらに予言者はローダンにだけ「三つの予言の通りにならなければ銀河系船団は破滅する」という言葉を残すと小惑星と共に消え、ウォムもいなくなっていた。(時期:不明。NGZ427年頃)

※初出キーワード=炎の衛星


あとがきにかえて

・歯医者に行った時の話
・ハヤカワからローダンTシャツが発売された話
ペンネームを「新朗恵」(あろう・めぐみ)から「恵矢」(けいや)に変えた話
・1151話から1200話までの仮題



感想

 前半エピソード … 凝り性(多分)のシドウらしいエピソードで、異世界カルメン」の自然や、「カルメナ」たちの暮らしぶり、カルメナたちが巨大な花「タルダジャ」「タルジャ=バサ」に乗って空を飛びまわる様子、等が、不必要と思えるくらいみっちり書き込まれていました。単なるシリーズの一エピソードにはもったいないくらいのアイデアが盛り込まれていますが、逆に本筋と関係ない事をこんなに緻密に書き込まれても、読者としては持て余し気味ですけど。

 伏線ぽい「二つの恒星を一つにした双子星」ですが、多分今後出てくることは無いのでしょうねぇ……


 後半エピソード … 謎めいた「アルマダ予言者」の試験の話。謎の存在の課した難題に挑むという展開は、かつての「永遠の生命の星」探しの頃を思い出させて、結構わくわくしました。また最後の三つの予言のくだりは猛烈に盛り上がりましたね。こういう展開は大好きです。
 
 
 

550巻~600巻(「無限アルマダ」サイクル)の他の巻の内容・感想は以下へどうぞ

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