感想:映画「ステルス」(2005年)


 4/20(日)に地上波放送した映画。


■粗筋

 近未来。アメリカ海軍は対テロ戦のため、新開発のステルス戦闘機3機によるチームを編制した。さらにこのチームに新たなメンバーが加入するが、それは思考するコンピュータ「エディ」によってコントロールされる完全無人戦闘機だった。しかしエディは落雷によって機能に変調を来たし、暴走を開始した・・・


■感想(ネタバレあり、注意)

 うわぉ、凄い。ガムシャラに面白さを追求したというか、「面白そうな要素は全部入れてやれ!」という意気込みを感じさせる凄いパワフルな(B級)映画です。

 「ナイトライダー」のナイト2000的な無人戦闘機が、落雷でおかしくなり暴走、戦争の危機に・・・、というのなら『戦争を人の手で行わず、機械に全てゆだねようとした人間へのしっぺ返し』ということで結構ありがちなテーマです。

 ところがこれに「失敗を隠すため陰謀を巡らす上司と主人公の戦い」というサスペンス要素が加わり、しかも終盤は「ランボー 怒りの脱出」並に、「北朝鮮に取り残された味方を救うため単独で突っ込む」という銃撃アクション映画に移行してしまうのですから、もう『色々な意味で凄いよ!』と静かに興奮するしかありませんでした。

 まあ、航空アクションだかSFだかランボー的アクションなのだか一本筋が通ってないとも言えるのですが、航空アクションシーンは特撮が頑張っているし(ステルス機の空母への離着艦シーンなんか現実の機体に見えた)、終盤は機械と人間の泣かせる友情物になっているし、ごった煮では有るものの娯楽映画としてかなり楽しめました。

 ステルス戦闘機のデザインも最初は「何これ!?」と思ったのですが、よくよく考えると現実のステルス機もB−2とかF117とか変なデザインなので、「これはこれで実はリアルなんじゃないだろうか」とか思えたりしましたしね(ミサイルを機内に格納しているというのはそれは現実の機体でもそうですから意外としっかりしたデザインなのかもしれない)。

 という事で、「一見ロボット反乱SFと思わせて実は意外な要素の連発」だったこの映画、なかなかの拾い物だったと言えるでしょう。満足でございます。