感想:NHKスペシャル「メイド・イン・ジャパンの命運」

NHKスペシャル|メイド・イン・ジャパンの命運
http://www.nhk.or.jp/special/onair/100124.html

>世界最強のブランドと言われた“メイド・イン・ジャパン”が、出口を求めて必死にもがいている。いま日本の製造業が直面している世界の地殻変動、それは、猛スピードで技術が陳腐化し、製品の差別化が難しく、しかも製品の寿命が超短命に陥っていることだ。

東芝ではコストを度外視した超高機能テレビを作り技術力を極めようとする試みが佳境を迎えた。JVCケンウッドでは、自社生産にこだわらず、技術を中国メーカーに譲って製品を作らせ、そのライセンス料を企業収入にしていこうという動きも見られる。

 「テレビが殆どパソコン化してしまい、開発に苦心する技術者たち」というテーマが興味深かったのですが、東芝の超高級テレビの開発の現場がもう見ていて辛い・・・

・工場でテレビに電源を入れても画面が真っ暗。技術者が慌ててコードをつないで、プログラムがバグだらけで動いていない事を発見して愚痴るシーン

とか

・プログラムの開発部隊が状況確認で「うん、画面が真っ暗。そもそもローディングの途中で止まっているよ」とか言っているシーン

とか

・営業の重役が飛んできて、緊急打ち合わせで「一体いつ完成するんですか? もう発表は一週間後なんだよ? この資料には9月21日完成予定と書いてあるけど、もう今日は9月28日だよ? こんな古い資料を出してくる時点でおかしいんだよ」とか締め上げるシーン

とか

・展示会でテレビがいきなり真っ暗になって慌ててリセットしようとしているシーン

とか、なまじ知らなくも無い世界なので「大変だなぁ」という他人事ではなくて、見ていて冷や汗が出てきそうでした。なんか緊張しちゃう番組でしたね。

 それにしてもインテルが作るWindows入りのテレビかぁ。やっぱり一ヶ月に一回くらいはリセットしてメモリリークを解消しないといけないとか、一年後に新製品が出て「前のバージョンでは動作が遅くて使い物にならなかったが」とかしれっと業界誌に書かれるとかそういう製品でしょうか(パソコンの世界って大体そんなんやん?)