感想:NHKスペシャル「世界ゲーム革命」(2010年12月12日放送)

NHKスペシャル|世界ゲーム革命
http://www.nhk.or.jp/special/onair/101212.html

>世界のゲーム人口が拡大する中、ゲーム開発は巨大産業に変ぼうをとげつつある。世界最大のゲーム市場アメリカでは、ハリウッドの大物監督が参加した大作が続々と誕生し、ついに映画の興行収入を超えた。

>世界市場で劣勢に立たされつつある日本の切り札が、お家芸「アニメ」と「ゲーム」の融合だ。

>先端科学や軍事技術までも応用し、急速に進化をとげるゲーム開発の最前線とその未来を見つめる

 MAG・ネットとかでオタク系分野の番組で調子に乗っている(?)NHKですが、こちらはお堅いNHKスペシャルですから、あくまで報道の視点で「ゲーム産業は今やハリウッド映画を超える新しい娯楽産業」という観点からガッチリ取材していました。


・EPIC社

 ゲームエンジンという、PCでいうところのOS、Windows的な物を開発し、ゲームの開発を効率化した会社、らしい。ひとつの場面に対し仮想のカメラを何箇所もセットして、各カメラからの映像を自在に「撮影」できるとか、ゲームの舞台を部品を貼り付けるだけで作成できるとかで、コードを打ち込むような場面は皆無。

 会社内に滑り台があるとか社内を自転車で走り回っているとか、グーグル本社的な感じ? 儲けているIT系の会社はみんなこんな感じなの?


レベルファイブ

 例の日野社長率いる、「レイトン教授」とか「イナズマイレブン」とかでのし上がったあの会社が、ジブリと組んで作っている新作「ニノ国」について。ジブリがCGアニメシーンを見て、自分たちのアニメとの質の違いに「・・・」と口を閉ざしてしまうシーンがなんとも・・・


・エンザイム社

 カナダのゲーム評価会社。試作品を世界中から集まってきたゲーム好き社員たちがテストプレイし、感想をフィードバックする。これを見て「ゲームで遊んでお金までもらえて夢みたいだ・・・」と思うか「仕事で一日中無理やりゲームをプレイさせられるのか・・・、キツそう」と思うか。まあ、実際耐えられなくて脱落する人もいるみたいですが・・・


マイクロソフト

 例のコントローラー不要のシステム「キネクト」のお話。最近「没落した会社」的に語られる事が多いのですが、研究機関マイクロソフトリサーチは侮れないというところ。研究機関がやたらと語られる辺り、IBMみたいな感じになってきましたな。


・キューエンターテインメント

 水口哲也という人(知らない)が、キネクトで操作するアクションゲームについて。


・日本政府

 クールジャパン(ト書き:苦笑)の一環としてゲームを海外に売り込もうという動きについて。政府が期待するほど日本のゲーム産業って規模がでかくないと思うよ? 自動車とかそういうのに代わる外貨獲得手段とか考えているような気がして、多分現実が良く解っていない気がする・・・


 モスクワ大学の脳関係のエライ人が、「そのうちゲームが現実と区別がつかなくなっちゃて麻薬みたいになるかも?」とか仰っていました。SFのお話でそういうの有りますよね、というか現実に既にオンラインゲームとかにハマって日常に帰ってこれない人もいるらしいですが・・・


 まあ、予想通り、オタク向けではなくゲーム産業の現状紹介という感じでしたが、面白かったですね。