感想:NHKスペシャル「日本人はなぜ戦争へと向かったのか」「第1回“外交敗戦”孤立への道」(2011年1月9日放送)

NHKスペシャル|日本人はなぜ戦争へと向かったのか 第1回“外交敗戦”孤立への道
http://www.nhk.or.jp/special/onair/101212.html

>戦後、軍関係者や研究者が、国策決定に関わった旧軍人や外交官を対象に膨大なヒアリング調査を実施した。その「幻の肉声」の山を手がかりに、第1回は、なぜ日本が孤立していったのかを探る。

満州事変の対処において世界の潮流を見誤り、国際連盟を脱退。さらに、孤立を避けようと最も危険なドイツ接近を選ぶ。当時の外務大臣をはじめとする数々の証言と最新の研究から、外務省と陸軍が二重外交を繰り広げて国際的な信用を落とし、さらに、入手した情報を共有せず国家戦略なきままに外交を展開するというミスの連鎖が浮かび上がってくる。

 今年で太平洋戦争開戦から70年目と言われてちょっとビックリ。

 さて、NHKですから、この手の太平洋戦争テーマでのいつもの態度で、自虐的と言うか、当時の日本人が残らずバカだったという態度で話を進めています。まあ「当時の日本人は素晴らしかった!」とかの姿勢で語られたら、それはそれで引いてしまいますが・・・

 今回の特集では民主党に対する明白な当てこすりも有るように思いますね。「外交が小手先」「首相がコロコロ変る」「長期的な戦略無し」「一旦決めたことが変ってしまう」etcetc、当時の日本というより今の政府へのイヤミだろ。

 冒頭の「ドミノ倒し」と「歴史の流れ」の対比が上手い。幾つかの分岐があるドミノが倒れるシーンを逆回しにして、「あの時選択を間違えていなければ別の歴史が有ったのでは・・・」という説明がすっと理解できます。さすが難しい数学ネタまでわかりやすく解説するNHKスペシャル

 アニメの多用もなかなか良かった。渋い絵柄の当時の人物たち(吉田茂とか)が渋い声優たちの声で喋るシーンとか、飽きさせないように随所ではめ込まれていて中々。

 当時の日本の暗号解読力が世界トップだったって? ウッソーン。だったら太平洋戦争当時なんで敵にダダ漏れだったのさ。

 まあ、話の描き方が「当時の日本は政府も軍も誰も彼も底なしのマヌケだった」で統一していますので、いろいろと批判も呼びそうでは有りますが、結構面白かった事は間違い無いですな。次回以降も楽しみです。なお、次回は陸軍のアホッぷりを叩く予定のようです。1/16(日)放送予定。