感想:小説「10歳の保健体育」(2010年)(竹井10日)


 小説「10歳の保健体育」(竹井10日)の感想です。

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■データ(公式)
http://www.amazon.co.jp/dp/4758041571/
10歳の保健体育 (一迅社文庫 た 1-2) [文庫]
竹井 10日 (著), 高見 明男 (イラスト)
文庫: 301ページ
出版社: 一迅社 (2010/6/19)
ISBN-10: 4758041571
ISBN-13: 978-4758041577
発売日: 2010/6/19

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■データ(個人的補足)

 ライトノベル。作者は、その昔、「秋桜の空に」というエッチなゲームのシナリオで伝説を残した人というか、結構それで有名になりました。あと「東京皇帝☆北条恋歌」というライトノベルのシリーズでも有名らしいです。


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■あらすじ

 主人公「姫武静姫」(ひめたけ・しずき)(性別:男)は、女装したら全く見抜けないほどの超絶美形で、軽妙な下品トークが得意で、親は不在で一人暮らし、お隣には大金持ちのお嬢様で美人で巨乳の幼なじみが住んでいる、など、エロゲーの主人公そのままの人生を送っていた。ところがある日、見知らぬ少女「はみる」が訪ねてきて、しかもはみるはどうやら父親が浮気をして作った妹らしくて?


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■感想

 作者は、エッチなゲームのシナリオでもライトノベルでも有名な人らしいのですが、私は両方一切知らないので頭真っ白状態で読みました。

 主人公・静姫は『美形で、行動は非常識、男からも女からも人気者で、軽口トークが得意で、周りには美人の幼なじみだの美人の従姉だのに取り囲まれていてetc』と、もうエッチなゲームの主人公そのままのキャラクター設定ですが、これってワザとやっているのでしょうね。で、そういうゲームが好きなオタク系読者の突込みを誘っているというか、そういうところでしょう。

 お話のほうは、「タイトルに偽り有り!」ですねぇ。というのは、冒頭にいきなりやってきたはみる(10歳)は、第一章こそメインキャラですが、以後はサブキャラに後退してしまい、各章でははみる以外のサブキャラたち(巨乳幼なじみや巨乳従姉やクラスメート(女の子だけどマッチョ)とか)のお話が順番に展開されていくのですもん。「ロリ系テーマの小説で、主人公が幼女相手に最初から最後までハァハァする様なタイプのお話」だと思っていただけに、はっきり言ってスカされました。

 しかしまあ、小説としてはダメでもなくて、そこそこは面白いです。静姫を初めとするキャラクターたちの掛け合い漫才は、エッチ系ゲームのノリそのままで、結構クスッとさせられました。あと、終盤もエッチ系ゲームの定番的展開というか、真面目な感じで締めくくります。

 ロリータ小説を期待しているとはっきり言って空振りますが、エッチゲーム風味のライトノベル、と解って読めば、それなりには面白いと思います。


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■評価

(5段階評価の)3点。

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10歳の保健体育 (一迅社文庫 た 1-2)

10歳の保健体育 (一迅社文庫 た 1-2)

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