感想:小説「夜の冒険」(2010年)(エドワード・D・ホック)


 「夜の冒険」(2010年)(エドワード・D・ホック)の感想です。

-------------------------------------------------

■データ(公式)
http://www.amazon.co.jp/dp/4151782583
現代短篇の名手たち8 夜の冒険 (ハヤカワ・ミステリ文庫) [文庫]
エドワード・D・ホック (著), 木村二郎・他 (翻訳)
文庫: 527ページ
出版社: 早川書房 (2010/1/30)
言語 日本語
ISBN-10: 4151782583
ISBN-13: 978-4151782589
発売日: 2010/1/30


>神父は、その谷にただ一人で住んでいた。若者たちを皮切りに、古くからの住人たちは次々と谷を出ていき、村はすっかり寂れてしまった。今や住民と呼べるのは彼だけなのだ。それでも神父は、毎朝鐘を鳴らし、教会を守っている。そこへ…過疎の村で起こった奇妙な事件を描く「静かに鐘の鳴る谷」をはじめ、極北の荒野で、夜中の港町で、異郷の小さな町で、次々起こる20の事件。名手中の名手が贈るサスペンスフルな傑作集。

-------------------------------------------------
■データ(個人的補足)

 「サム・ホーソーン」「怪盗ニック・ヴェルヴェット」「レオポルド警部」などの名探偵で知られるホックのノンシリーズ短編集。<収録作品>
・フレミング警部最後の事件
・どこでも見かける男
・私が知らない女
・夜の冒険
・影の映画祭
・くされ縁
・正義の裁き
・空っぽの動物園
・静かに鐘の鳴る谷
・やめられないこと
・もうひとつの戦争
・不可能な“不可能犯罪”
・出口
・大物中の大物
・家族の墓
・サソリ使いの娘
・知恵の値
・二度目のチャンス
・スペインの町で三週間
・ガラガラヘビの男

-------------------------------------------------
■内容

 「ハヤカワミステリ文庫」の一冊ですが、推理短編集、では有りません。大きく分けて以下の三種類の小説が収録されています。

1 謎解き物

  犯罪を探偵役が解明する。極少数です。


2 意外なオチ物

  普通の物語と見せかけて、ラスト数ページでアッと驚く結末に着地する。「ヒッチコック劇場」や「トワイライト・ゾーン」の様なイメージです。


3 文芸物

  殺人や盗みなどがテーマの「普通の小説」。変ったオチも何も有りません。一番多いパターン。


-------------------------------------------------
■感想

 どの作品もぐいぐい読まされる魅力があり、結構分厚い本にもかかわらず一気に読みきってしまいました。まあ、「文芸物」系統の作品は読み終えてからオチの無さに「なんじゃこりぁ」と唖然としてしまう物も多々有りましたが、「意外なオチ」物はおおっと唸ってしまうものもあり、総合的にはそこそこ満足できました。

 まあ正統派推理作家のホックの作品を期待するとガックリ来るでしょうが、「意外なオチ」物はなかなか楽しめましたね。

-------------------------------------------------
■評価

(5段階評価の)4点

-------------------------------------------------

-------------------------------------------------