感想:ウォーゲーム雑誌「コマンドマガジン Vol.107 (2012年11-12月号)」『特集:珊瑚海海戦 1942』(2012年10月20日発売)


 発売日:2012年10月20日(偶数月20日発売)

シミュレーションゲーム (ウォーゲーム) 専門誌 コマンドマガジンWEBサイト
http://commandmagazine.jp/

■コマンドマガジン第107号『珊瑚海海戦ソリティア
http://commandmagazine.jp/com/107/index.html

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■付録ゲーム

珊瑚海海戦ソリティア
Coral Sea Solitaire


>『珊瑚海海戦ソリティア』は、日本軍のMO作戦がテーマの1人プレイ専用のゲームです。プレイヤーは連合軍を指揮し、ゲーム・システムに従って行動する日本軍と戦います。

>本作は2010年に発売されたDG版のライセンス


 最近やたらと出版されるようになったソリティア物の一つ。以前は「一人で遊ぶならPCゲームでいいでしょ」という風潮でしたが、世の中がボードに回帰してきたようで嬉しい限り(というかもうPCでウォーゲームが出なくなっている?)。マップを広げると、ヘクスマップは4割しかなく、残り6割のスペースは無数の「XX表」の類で占められているのに度肝を抜かれます。

 ところでルールブックを軽く読むと、間違いの修正とか表の整理とかの他に、ゲームシステムに相当手を入れているように読み取れるのですが…、良いのかそれ。まあクソゲーをそのまま出版するより、手を入れて面白くした方が…という考えでしょうが、コマンドマガジンは昔SSシリーズの「ヒトラー帝国の興亡」のルールをいじくってめっちゃ評判悪かった事が有ったような…


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■雑誌内容

□特集:珊瑚海海戦 1942

 戦史紹介、付録ゲーム「珊瑚海海戦ソリティア」のリプレイ、太平洋戦争ゲーム紹介、『日本機動部隊』ソロプレイ支援ツールの紹介、等。いつもの様にあっさりした内容。



□その他

●コラム:30年ぶりの挑戦: スターリングラード (高原武志)

 エポック「スターリングラード」再販に関して。このゲームは第一期「シミュレイター」のクロスレビューでキワモノ扱いされた後、まともに取り上げられなかった…、と書いていますが、いやいや、デザイナーの黒田氏が反論してましたよ。もっとも当時から2ちゃんねるの悪質スレッド並みの荒れっぷりだった第一期シミュレイターのこと、「スタック制限無しかよwww、さすがレックwww」みたいなディスりの嵐で沈んでいったようですが…、

 ということで、2012年のゲーマーはこのゲームをどう評価するか知りたいモノだといいたいところですが、多分、新しい血は一滴も入ってこないまま、当時のゲーマーがそのまま30歳年を取っただけでそのまま生き残っているだけだと思うので、2ちゃんねるに巣くう反コマンドマガジン勢力に壮絶にディスられているに違いない…


●ウォーゲーム日本史出張所 (鈴木銀一郎/篠原知子)

 8号の付録「志士の時代 幕末ボードゲーム」についてのデザイナーズノート。この時代を扱う作品は戦闘主体のバトル物ではなく、こういう「人が動いて歴史がこうなって」というタイプの方が腑に落ちるというかで、以前から気になっていたゲームだけに興味深い内容でした。


★次号

 付録ゲームは『ノモンハン1939』と『東部戦線』ノモンハン・ヴァリアント…、全く興味ねー。