感想:NHK番組「100分 de 名著」『アインシュタイン 相対性理論』第4回(最終回)「ゆがんだ宇宙 重力の正体とは」(2012年11月28日放送)


 NHK番組「100分 de 名著」『相対性理論』(全4回)の感想です。
(※以下、今回の話の結末まで書いてありますのでご注意ください)

■名著17 アインシュタイン相対性理論』:100分 de 名著
http://www.nhk.or.jp/meicho/famousbook/17_einstein/index.html

 NHK Eテレでの視聴です(放映:毎週水曜23:00〜23:25)。


■概要

アインシュタイン相対性理論

>20世紀初頭に発表されたアインシュタイン相対性理論。物理学の革命と言われ、時間と空間の概念を一新するとともに、原子力開発にも結びついた、この偉大な論文を知らない人はいないでしょう。
>しかし相対性理論とはどのようなものなのか、正確に答えられる人はほとんどいません。
>難解な十元連立方程式など、理解するには高度の数学知識が必要となるからです。
>しかし実は、比較的簡単にその理論を説明することもできます。アインシュタインが得意とした「思考実験」という方法を用いることです。思考実験とは、「光に近い速度で宇宙船が飛行しているとしたら、その内部で何が起きるか」といった、実現不可能な想像上の実験のことです。
>そこで11月の「100分 de 名著」では、スペシャル企画として、アニメーションやコンピューターグラフィックスを駆使して様々な思考実験を行いながら、相対性理論を読みときます。番組を見れば、数学や科学の知識がなくても、そのエッセンスが手に取るように分かります。
>ロマンあふれる「相対性理論」の不思議な世界を、どうぞお楽しみ下さい。

第4回(最終回) ゆがんだ宇宙 重力の正体とは


■内容

>私たちの常識では、太陽と地球の間には重力が働いて互いに引き合っており、この力が遠心力とうまくつり合っているので、地球が軌動を描いて回っていると理解しがちだ。ところがアインシュタインは、太陽の巨大な質量のために、太陽の周りの空間が曲げられており、そのへこみにそって地球が進んでいると考えた。つまり重力とは、空間が曲がることによって生まれる運動なのである。
>第4回では、重力の驚くべき正体を明らかにするともに、ブラックホールの仕組みなど、ロマンに満ちた宇宙の謎に迫る。

一般相対性理論とは重力の理論。
・電車に乗っていると、出発の際後に引っ張られ、止まる時には前につんのめる。「重力まがいの力」が働いているように感じる。
・宇宙船が地球に停止していれば乗員は重力で床に押し付けられる。宇宙空間を飛んでいれば、乗員は加速で床に押し付けられる。つまり、重力も加速度運動は同じものと見なせる。それを「等価原理」という。


・自由落下する宇宙船の中に浮かぶ二個のボールは、だんだん接近していく。それは重力で地球の中心に近づいていくため。
・しかし自由落下中は無重力状態のため、重力が働いていない。にもかかわらず何故二つのボールは近づくのか?
・それは『空間が歪んでいる』から。そのため、まっすぐ進まず地球の中心に曲がって進んでいく。
・つまり重力と空間のゆがみは同じ。
・「質量」が空間を歪ませる
・質量同士は空間のゆがみが重なり合って近づいていく。これが「引力によって引き合う」ことの説明。引力とは空間のゆがみ。アインシュタインは引力が何故起きるかを解明した。


ブラックホール一般相対性理論から予言された。
ブラックホールの近くでは強い重力のため時間が止まっているように見える
GPS衛星は地表より遠いため受ける重力が弱く、その結果時間が早く進む。GPS衛星は相対性理論に基づいて地表との時間のずれを修正している。


■感想

 「自由落下中にボールが近づいていく」云々はニュートン相対性理論特集でも読みましたが、ホントこの説明を考えた人は偉いよなぁ。「空間のゆがみ」という概念が良くわかります。

 全4回で相対性理論の大まかなところを説明しきってしまいました。さすがNHKですねぇ。ためになりました。