感想:ウォーゲーム雑誌「Game Journal(ゲームジャーナル) No.45」『特集:東部戦線前進せよ!』(2012年12月1日発売)

ゲームジャーナル45号 東部戦線前進せよ!

 発売日:2012年12月1日(3,6,9,12月の1日発売)

ゲームジャーナル公式サイト
http://www.gamejournal.net/


□付録ゲーム

東部戦線前進せよ!(ゲームデザイン:ふ〜ら〜中村)

第一次大戦テーマで新機軸を拓いた「西部戦線異状なし」の待望久しい続編が登場!

>「西部戦線異状なし」で採用された「デッキメイク」+「カードドリブン」システムをさらに発展進化させた先進的なシステムで、プレイアブルかつ作戦の奥が深いシステムで第一次大戦を再現。

 30号(2009年3月1日発売)付録のWWIゲーム「西部戦線異常なし」の東部戦線版で、「西部〜」と連結もできるそうです。なんか「第二次欧州大戦」(SPI)みたいです。



□特集:東部戦線前進せよ!

 ゲームのプレイ指針、松田大秀氏のリプレイ漫画、東部戦線のヒストリカルノート、東部戦線の戦闘序列、などなど。リプレイ(文章)が有れば完璧でした。それにしても戦闘序列を調べる人ってめっちゃ大変そう…、このリストが作られるまでにどれだけの手間がかかったのか…



□その他

[企画物]ウォーゲームデザイン討論

 テーマは「ゲームにおける法則と現実における法則が一致するという考えは幻想である!」。つまり、様々な要素をどんどんルールに組み込むほど「リアルなゲーム」になるのかどうか、などのお話。このテーマって、その昔シミュレイター誌で高梨俊一先生が扱っていたような気がする。

 三国志ゲームで、現実は一文官だった孔明が天才軍師扱いなのはどうなのか? ゼロ戦1機とワイルドキャット2機で対等というのは良いのか? 桶狭間で信長がまるで勝てないゲームを作ったとして「史実のシミュレーション」としてはともかく「ゲーム」としてありなのか? その他諸々。シミュレーションゲームの永遠のテーマでは有りますね。



[連載]第二次大戦 各国軍隊 部隊編制研究シリーズ/古谷晋作

 「1944年のドイツ陸軍歩兵師団」その3.今回は歩兵中隊の戦力分析。

 『ドイツはヒトラーを暗殺されたくないので狙撃用のスコープを高性能化しなかった』ってホントですか?



[連載]日本戦史雑話 大山格

 お題は信長の延暦寺焼き討ち話なのですが、主題に入るまでの枕話のほうが面白いという…

・最近の歴史雑誌が安いムック等に進出している。ムックは字数制限が厳しいので書きたいものが書けないし、小難しい「内線」「外線」等の用語もNG。だから縛り無しのゲームジャーナルはありがたい。

・歴史雑誌の読者は数年で入れ替わる。例えば新撰組ファンの場合、新撰組は最初から最後まで内ゲバ三昧だったので、隊の事だけ調べれば良く、隊外の敵について知る必要が無くて、桂小五郎を知らないファンもいる。で、内向き世界なのですぐに知りたいことを知り尽くし、あとは妄想に走る。すると妄想を否定することになる「史実」は敵になる。だから歴史雑誌は読まなくなる…、

 これが本当かどうかは知りませんが、一つの話としては面白かったですな。


 思うに、歴史雑誌は「織田信奈」アニメと連携すればちょっと商売が出来た気がします。あれは結構面白かったし、史実への興味への導入になったと思うし。少なくとも「レッツパーリィ」とかが決め台詞のウソ戦国アクション物よりはよほど良心的だったと思うしぃ(「織田家の主君とか勝家とか長秀が女の子」という点が良心的と考えるかどうかは人それぞれではありますが)。



□次回予告

 No.46(2013年3月1日発売予定)の特集/付録ゲームは「謙信上洛」!! なんと、ツクダホビーから1990年に発売されたあの仮想戦ゲームがGJの付録として発売されます! 告知を見た瞬間、思わず「マジかっ?」と声をあげてしまいました。このゲームは戦国群雄伝とは違ったルールながらかなり評価されていたと思うのですが、これが再販されるとは思わなかったなぁ。嬉しい不意打ちじゃわい(美味しんぼ風)。


★おまけ

 GJのウェブサイトはゲームの紹介だけではなく雑誌の内容も紹介してくれた方が嬉しいのですが…