感想:アニメ「ロボティクス・ノーツ」第22話(最終回)「ここからは、俺たちのゲームだ」


 アニメ「ROBOTICS;NOTES(ロボティクス・ノーツ)」(全22話)の感想です。
(※以下、今回の話の結末まで書いてありますのでご注意ください)

■TV ANIMATION ROBOTICS;NOTES【TVアニメーションロボティクス・ノーツ」】
http://roboticsnotes.tv/

■原作ゲームのサイト
http://roboticsnotes.jp/

第22話(最終回) 『#22 ここからは、俺たちのゲームだ』


■あらすじ

 海翔の操縦する「スーパーガンつく」はロケット発射場に乗り込み、みさ希/君島コウの操縦するSUMERAGIと対峙した。スーパーガンつくはパイルバンカーでSUMERAGIの前面カメラを破壊するが、SUMERAGIは二本足ロボットに変形して暴れはじめた。絢たちはロケットの管制施設を制圧するが、管制装置はロックされており、君島コウを倒さない限り発射は止められない。海翔はみさ希の格闘ゲームのときのクセを見抜いて、SUMERAGIを破壊し、澤田が送ってきたプログラムで君島コウを消去した。ロックが解除されたことでロケット発射は食い止められた。

 その後、海翔が宇宙飛行士になったということを予感させるシーンで終わり。


■感想

 …、最後までしまらないアニメでした…、


 最高の見せ場である巨大ロボット同士のバトルの、恐ろしいくらいの盛り上がりの無さは、このアニメの低調ぶりを如実に示しているかのようでした。テロリストが制圧している管制施設を素人があっさり奪還できるのにも呆れましたし、SUMERAGIが六本脚から人型に変形するギミックは「おお!」という感慨より、「まさかこんなベタな展開やりますか」という呆れ感を増幅しただけでした。主人公たちが勝利して世界が救われたのに「だからどうした」感しか無かったのはもう何と言っていいか…


 このアニメを見ていると、つくづく「肩すかし」という言葉がびったりだと思いました。「あの『シュタインズ・ゲート』のスタッフが作ったゲームが原作」ということで、「シュタゲの興奮をもう一度」と思いっきり入れ込んで視聴を開始したのですが、第一話で主人公たちのキャラが全く肌に合わなくていきなり不安炸裂(何かというとゲームゲームと連呼するけだるい系主人公と、シャアっぽいセリフを連呼する暑苦しいヒロインの取り合わせ…)


 それでも話が盛り上がればよかったのですが、4回見ても8回見ても12回見ても16回見ても事件らしいことはほとんど何も起こらず、「あき穂が部活でロボットを作る&海翔が暇を見つけてはレポートを集める」を延々続けるだけ。そして、19話目(残り4回)で唐突に悪人たちの計画が披露されて真相がわかった途端、それまで意味ありげに匂わせていた「三百人委員会」「ロボットの反乱」「太陽風」「カゴメカゴメ」「愛理」その他の設定は呆気なく姿を消し、代わりに「悪のデータ人間君島コウがブラックホール爆弾で世界を破滅させようとしている」というやっすいお話に転落。瑞榎の死に意味は無かったし、引っ張っていた「あねもね号事件」も「君島コウの実験の失敗」で軽く流す始末。海翔が延々やっていた「君島レポート集め」は本筋とはほとんど何の関係も無かった訳ですよ。なんですか、物語の大半を無駄なことに費やした主人公って。大体君島コウはなんで世界を破滅させたかったんですかね。あとモノポールが降ってきた理由は?


 結局のところ、作り手がやりたかったのは「リアルな近未来に学生が巨大ロボットを操縦して世界を救う」というあのクライマックスシーンだったのでしょうが、そこにいたる道筋がそのクライマックスとまるで連動していなかったため、いつまでたっても事件が起きず、ようやく何かが起きたと思ったらロボット同士のローテンションなバトルですぐ解決、という中身の無いしょーもな作品になってしまっていました…


 せめてラストバトルだけでも決めてくれればよかったのに…、最後の最後まで期待を裏切り続けてくれた作品でした。もう科学アドベンチャーシリーズは信用しない…