感想:アニメ「宇宙戦艦ヤマト2199」第19話「彼らは来た」(2013年8月4日(日)放送)


 アニメ「宇宙戦艦ヤマト2199」(全26話)の感想です。
(※以下、今回の話の結末まで書いてありますのでご注意ください)

宇宙戦艦ヤマト2199
http://yamato2199.net/index.html

MBS 宇宙戦艦ヤマト2199 番組サイト
http://www.mbs.jp/yamato2199/

 地上波・TBS系での視聴です(放送:毎週日曜 17:00〜17:30)。

第19話 『第十九話 彼らは来た』


■あらすじ

 ドメルはデスラーにより釈放され、改めてヤマト討伐を命じられた。しかしヤマトがバラン星を破壊したため、艦隊移動のための亜空間ゲートのネットワークは崩壊し、ガミラス艦隊の大半は帝国の各地に取り残された状態になってしまっていた。そのためヤマト攻撃に動員できる戦力は殆どなく、ドメルに与えられたのは、旗艦以外には僅か四隻の空母のみで、しかも兵員は急ぎかき集められた若年兵と老兵だった。

 一方、ヤマトは、時間を節約するため、大マゼラン外縁の難所「タランチュラ星雲」を進むことを決めた。ドメルは沖田の判断を読んでおり、タランチュラ星雲の「七色星団」に艦隊を出撃させる。そして七色星団でヤマトとガミラス艦隊が遭遇した。


■感想

 百合亜/ユリーシャが沖田に「何故コスモリバースシステムをいきなり運んでくれなかったのか、と思っているでしょ?」と問いかけるシーンに意表を付かれました。ああ、確かに誰もそれを突っ込まないので、あの世界ではきちんと理由が説明されてみんなで納得しているのかと思っていました(そうじゃなきゃ新見女史が突っ込むはずだと)。今まで「現物は重すぎてイスカンダルの船では運べない/また技術が複雑すぎて設計図を渡しても地球の技術では作れない」ということかなぁ、と一人で納得していたのですが、そのあたり説明無しに「とにかく取りに来い」って言われていただけなのか…、スターシャは(最近悪役専門化しつつある)井上喜久子声だし、やはり最後にとんでもないことを言い出しそうな気がしてきた。


 ウッハハ、「転送ネットワークが破壊されたのでヤマト迎撃の戦力が足りない」…、なるほど、それで七色星団には旗艦と空母四隻のみで出撃して護衛艦はいないと。うん、確かにオリジナル版での戦いでの「何故護衛艦がいないのか」という疑問はクリアされており、筋は通っていますよね。しかしねぇ、心情的に納得できませんわ。ガミラスは大マゼラン星雲を支配する大帝国なんでしょ。それなのに蛮族の船が一隻暴れたくらいでもう「うぉぉ、軍事面でめちゃくちゃになったぁ。船がないし、兵士もいないので若者と老人を動員するしかない」というWW2末期のベルリンの攻防戦みたいな雰囲気になってしまうとはねぇ。そりゃヤマト一隻に大艦隊で襲いかかられたらひとたまりもありませんが、そこを上手くつじつまを合わせるために、ガミラスが国家としてもうまともに見えないくらい足腰が弱い脆弱帝国ということに成り果てているのですけど。なんか「XX戦隊」と戦う自称「XX帝国」程度にしか見えん。


 2199は、絵は綺麗だし、キャラデザはいいし、声優は豪勢だし、話もそこそこは楽しめるし、と悪くはないのでしょうが、どーもなんかいま一つ満足感に欠ける。未だに古代とか島とか雪とかのキャラ付けが弱いような気がするし(真琴の存在意義ありますか?)、前述の通りガミラスはヤマト一隻に国家が崩壊させられそうだし、ヤマトは長旅にちっとも苦労しているように見えないし。


★蛇足

 サブタイトルは戦記作家パウル・カレル先生のノルマンディ上陸作戦話「彼らは来た」(http://www.amazon.co.jp/dp/4120028631)から来ていると思われます。ドメル(モデルはロンメルでしょう)が敵を迎撃するからにはヤマトこそ「彼ら」なのでしょうが、なんかユリーシャの独り言を聞いているとガミラスのほうが「彼ら」に聞こえる。どっちなんだ。