感想:特撮「怪奇大作戦」(1968年)「氷の死刑台」(2013年11月7日(木)放送)


 特撮「怪奇大作戦」の感想です。
(※以下、今回の話の結末まで書いてありますのでご注意ください)

怪奇大作戦
http://www.nhk.or.jp/kaiki/

 NHK BSプレミアムでの視聴です(放送日:2013年11月7日(木) 0:00〜0:25)。


■キャスト
的矢忠 (原保美)…SRI所長
牧史郎(岸田森)…SRI所員
三沢京助(勝呂誉)…SRI所員
野村洋(松山省二)…SRI所員
小川さおり(小橋玲子)…SRI所員
町田大蔵(小林昭二)…警視庁

氷の死刑台


■あらすじ

 ある日、男の死体が発見されるが、どうみても超低温の冷凍人間に絞め殺されたとしか思えない。一方で、科学者二人が冷凍睡眠の実験のため、通りすがりの会社員を拉致して実験台に使い、現在まで6年間眠らせていたことが描写される。科学者のうち、一人は冷凍人間に殺され、もう一人は襲われて精神が壊れてしまう。牧たちは冷凍人間がかつて住んでいた家(現在は他人が暮らしている)を見つけて待ち伏せし、やってきた冷凍人間をビーム兵器「サンビーム500」で焼き殺した。


■感想

 この話の強烈なところは、牧たちが冷凍人間に何の同情もしていないところです。冷凍人間は確かに殺人者では有りますが、悪の科学者に拉致されて実験台にされた被害者でもあるわけなのに、そういう事情を斟酌することなく、説得とかそういうことをすることも無く、躊躇無くいきなりビーム兵器で焼き殺しています。全く容赦なし。しかも道路上で冷凍人間の死体が燃えているのに、後始末もせずにとっとと撤収する警察とSRI…

 さらに、最後はSRIの面々が「交通事故の被害者とかガンの患者を冷凍睡眠して、そのあいだに治療法を見つければいいのではないかな、ハハハ」とか明るく締めるんですよ…


 これが21世紀に作られたなら、絶対「勝手に実験台にされた男の悲哀」とか「哀れな男だった…」的台詞とか盛り込んでくるはずです。半世紀前の日本は殺伐としすぎであります。