NHK番組「幻解!超常ファイル ダークサイド・ミステリー」の感想です。
(※以下、今回の話の結末まで書いてありますのでご注意ください)
■幻解!超常ファイル ダークサイド・ミステリー - NHK
http://www4.nhk.or.jp/darkside/
衛星放送・NHK BSプレミアムでの視聴です。(放送日:2013年12月13日(金) 21:00〜22:00)。
■概要
>UFO、ネッシー、雪男、予言&占い、心霊現象、超古代文明、妖怪、吸血鬼、魔女…。闇の魅力がもつ妖しげな幻に対して、「今、何がどこまでわかっているのか?」を徹底検証!そこから浮かぶのは、自然の神秘、私たちの脳や心の不思議なメカニズム、社会のからくり、昔の人の驚くべき技術と想像力…。ダークサイドの向こうの“本物の不思議”をワクワクしながら楽しんでいただく、NHKならではの超常現象ガチンコ検証番組!
出演者 栗山千明 (くりやまちあき)
テーマ曲: 志方あきこ
オープニング曲“Arcadia(アルカディア)”
エンディング曲“Leyre(レイレ)”
アルバム名/ “Turaida(トゥライダ)”語り: 中田譲治(声優、俳優、ナレーター)
代表作 『巌窟王』(モンテ・クリスト伯爵)、『ケロロ軍曹』(ギロロ伍長)、『HELLSING』(アーカード)、『Fate/Zero』(言峰綺礼)、『劇場版 空の境界』(荒耶宗蓮)など
『File-07 ノストラダムス予言ほか』
■内容
07ノストラダムス予言 ほか
人類滅亡!?大予言者ノストラダムス衝撃の真実。知られざるオカルト戦争とは?▼あの巨大オオカミが実在?女性や子供100人以上を餌食にしたジェヴォーダンの獣の謎。
人類滅亡の予言!世界を恐怖に陥れたノストラダムスの真実!未来を見通したといわれる予言集は、どのようにして書かれたのか?オカルト戦略?第二次世界大戦でノストラダムスを利用した知られざる情報戦とは?▽衝撃最新映像!あのアニメの巨大オオカミが実在?瞬間移動の女?地中から巨大生物▽犠牲者は女性や子供100人以上…フランスの村を襲った謎の怪物。未知の肉食動物か?狼男か?“ジェヴォーダンの獣”の正体に迫る。
(1)ノストラダムスの予言<前半>
・あなたはノストラダムスの「1999年人類滅亡の予言」が外れたからと言って、ノストラダムスが嘘つきとか思っていませんか? そもそも彼は人類滅亡など言っていない。なぜなら彼は西暦3797年のことまで予言しているのだから。
・ノストラダムスは16世紀のフランス人。本名ミッシェル・ド・ノートルダム。織田信長と同じ頃の人。20〜30代は医者だった。40代から占星術師になる。当時は人の体は宇宙と対応している、と考えられており、医学と占星術は兄弟だった。
・やがて彼は一般人向け暮らしの手帳的な本「アルマナック」でヒットを飛ばす。これは一年分の暦に月の満ち欠けが書いてある実用本で、さらに毎日のワンポイント予言として「この日は天気が悪いです」とか「この日は健康に注意しましょう」と書いてあった。これが大ウケ。
・また、アルマナックには、各月の冒頭には、もう少し長い文章の予言も書かれており、「この月は天気が悪く家畜の価格が上がるであろう、だからコレコレに気をつけろ云々」とか記載されていた。そして、のちにその長文パートを独立させて、一冊丸ごと予言を書いた本を出版した。するとこれが、現代で言えば「怖いもの見たさでホラー映画を見る」ような感じで大ヒット!!
・当時はオスマン帝国の勢力拡大で、フランスには社会不安が蔓延していた。そういった世相がヒットの下地となった。
・これで有名になったノストラダムスは、最後にはフランス王妃の相談役占星術師にまで出世した。<中休み>
・ノストラダムスの予言は16世紀の古代フランス語で書かれており、また詩のリズムを整えるため単語の文字を省略したり変形させているため、当時の知識が無ければまともに読めない。
・例えば有名な「1999年7の月、云々」の予言の中の「アンゴルモアの大王」(Angolmois)は、実のところ、地名「アングーモア」(Angoumois)か、都市名「アングレーム」(Anguleme)のことと考えるのが妥当。また恐怖の大王うんぬんは『日食』の事だと思われる。こう読むと別に人類滅亡の事は書いていない。<後半>
・ノストラダムスの死後約30年後に、弟子がノストラダムス解釈本を発表。「師匠の予言はこれも当っていたあれも当っていた」と書きまくる。以後、フランスで反乱・戦争・革命など世相が暗くなるたびにノストラダムス本はブームになった。
・第二次世界大戦で、ドイツはノストラダムス予言を利用し「これこれの予言でフランスやイギリスの敗北は予言されている」と宣伝しまくった。イギリスはそれに対抗するため、ウソ予言をデッチ上げ「この予言でヒトラーの負けは予言されていた」とビラをまいた。
・1973年、日本にノストラダムス本が登場。五島勉(ごとう・べん)の書いた「ノストラダムスの大予言」は「1999年に人類が滅亡する」というショッキングな内容。当時日本は公害とかオイルショックとかで社会不安が蔓延しており、その世相に乗ってシリーズは累計240万部を売り上げる大ヒットシリーズとなった。
・1989年、あの麻原彰晃がフランスを訪ね、ノストラダムスの予言の中に自分を救世主として書いた箇所が無いか探したという。1995年のサリン事件は、自分で人類滅亡を引き起こそうとしたらしい。
・ノストラダムス本は社会不安が出てくるたびにヒットする。<山本弘先生のお言葉>
・ノストラダムスは室町時代の人。その頃の人が書いた日本語をフランス人が読めるか、というとまず無理。だから日本人が「古代フランス語」の予言を読むのも無理。例えば、予言で出てくる「ヒスター」という単語はよく「ヒトラー」と解釈される。しかし、ヒスターとは「ドナウ(ダニューブ)川のラテン語」の事。
・ノストラダムス予言とはロールシャッハテストのようなもの。意味の解らないものを自分流に解釈して何か意味をひねくりだしているのです。
(2)世界の怪事件
・2012年中国。道路を映す監視カメラに奇怪な映像が! 自動車とぶつかりそうになった自転車に謎の人影が駆け寄り、瞬間移動で助けた?! しかし、一ヵ月後、ゲームの宣伝のためのフェイク映像だと判明。
・2013年11月にベトナムで巨大なぬめっとした怪物が発見された。専門家によるとクジラらしい。
(3)ジェヴォーダンの獣
・ジェヴォーダンの獣とは18世紀フランスに現われた未知の怪物の事。
・1764年6月、ジェヴォーダン地方に未知の獣が現われ人々を殺し始めた。牛ほどの巨体で、背中に一筋の縞模様。同時に複数個所に出現する。オオカミか? ハイエナか? 複数いるのか? 魔物か?
・同年11月、国王ルイ15世は討伐のため精鋭部隊「竜騎兵」を送り込むが、全く成果なし。
・翌1765年9月、国王の派遣した射撃の名手が巨大オオカミを仕留めた。一件落着かと思いきや、12月にまた獣が出現した。しかも刃物のような切り口、死体の上に帽子をおく、など、犯人は人間ともとれ、村は疑心暗鬼に。
・国王も新聞ももうこの事件に興味をなくし事件を無視。
・結局1767年9月に地元の猟師が獣を仕留めた。その姿は「明らかにオオカミではない、見た事も無い何か」だったという。
・結局獣が何だったのかは永遠の謎である。
(4)有名人の名言
カール・セーガン(アメリカの天文学者)
「混乱と言葉巧みな嘘の大海を漂う一本のワラのような真実を見出すには、知性、注意深さ、献身、そして勇気が必要である」
■感想
ノスラトダムス編は、もう40分近くかけた大力作で、見ごたえ抜群。ノストラダムスが最初は実用本の作者だったとは初めて知りました。予言書の成立過程とか、その後有名になっていく流れとか、知らない事がいっぱい有って凄くためになりましたよ。
ジェヴォーダンの獣編は、確か映画か何かで有名になるまでオカルト好きも知らなかった話だと思います。今回みっちり解説してくれてありがたかったですね。
NHKが「NHKスペシャル」並みの気合でオカルト系の番組を作ってくれて嬉しいですよ、ホント。
★次回予告
次回「File-08」は、3月26日(水)夜9時〜 の予定です。「人類は本当に月に行ったのか!?アポロとNASAの陰謀?を徹底検証!」「東京最強ミステリー・スポット 祟りが続々!?平将門の首塚」です。お楽しみに!
ウッハー、『アポロは月に行ってない説』キター。また山本弘先生が大好きそうなネタを〜。次回も先生がゲストで呼ばれること必至。