感想:ゲームブック「サイボーグを倒せ」(スティーブ・ジャクソン)(1987年4月発売)【プレイ中】

Appointment with F.E.A.R. (Fighting Fantasy)

 ゲームブック「サイボーグを倒せ」(スティーブ・ジャクソン)の感想です。


 まだ完全クリアはしておりませんが、大体雰囲気はつかめましたので、感想など。

■データ(公式)
http://www.amazon.co.jp/dp/4390111604
サイボーグを倒せ~ファイティング・ファンタジー (17) [文庫]
S. ジャクソン (著), 坂井 星之 (著), スティーブ・ジャクソン (著)
文庫: 326ページ
出版社: 社会思想社 (1987/04)
ISBN-10: 4390111604
ISBN-13: 978-4390111607
発売日: 1987/04


君は超能力をもつシルバー・クルセダー。君が倒すべき敵、犯罪組織『恐怖結社』のボスはチタン製のサイボーグだ。いま君は、『恐怖結社』の秘密会議が開かれる、との情報を入手した。この会議の開催を阻止せよ!おそるべきサイボーグに挑戦するには、サイコロ二つと鉛筆、消しゴムがあればいい。スティーブ・ジャクソンの新しくて魅力ある世界が君を待つ。


■データ(個人的補足)

 イギリスのスティーブ・ジャクソンによる「ファイティングファンタジー(FF)」シリーズ17作目。原題「Appointment with F.E.A.R.」。


■あらすじ

 君は「タイタン・シティ」の平和を守るスーパーヒーロー「シルバー・クルセダー」だ。ある日、君は犯罪組織「恐怖結社」の幹部たちが近日中にシティのどこかで秘密会議を開く、という情報を手に入れた。この会議の目的は西側世界に大打撃を与えることらしい。君は、いつどこで会議が開催されるかを突き止め、これを粉砕しなければならない! さあ、ページをめくりたまえ。



■内容紹介/感想

 パラグラフ数440。パラメーターは「技術/体力/運」の三種類というオーソドックスな作り。特別な味付けとして、最初にクルセダーの能力値以外に「超能力」として「超体力」「思念力」「超技術」「電撃」のどれか一つを選択します。これらの能力は事件毎に相性があり、「今回は、A能力が役に立ち、B能力は全く無力」という様な作りとなっているため、最初に選んだ超能力によって4通りの展開が楽しめます。


 ストーリーはまさしくアメリカンなヒーロー物。タイタン・シティには十指に余る悪人・怪物が暗躍しており、「電動ノコギリを振り回す」「水道に毒を入れようとする」という連中など可愛いもので、変身能力を持つ改造人間、洗脳能力を持つミュータント、果てはゾンビー・ミイラ男までおり、四六時中事件を起こしまくっています。主人公はクルセダーとして、それらの悪人たちと戦い市民を守りながら、なおかつ会議の開催場所と日時の情報も捜さなければなりません。いくら調子よく悪人を捕まえて行っても、会議の情報が手に入らなければ、待ち受けているのは非情なバッドエンドのみです。

 また、首尾よく会議の開催場所に乗り込めたとしても、最強の敵・組織のボス<チタニウム・サイボーグ>「ウラジミール・ユトシュスキー」が待ち構えています。ユトシュスキーとのバトルにはある秘密兵器が必須ですので、絶対手に入れておきましょう(まあ色々な場所で入手可能ですけど)。

 私としては本作品は、「ゲーム」ブックとして面白いだけでなく「ストーリー」つまり「ブック」の部分でも大いに楽しめました。本筋は会議の情報探しなのですが、その他に、人命救助のため海水浴場で人食いザメと戦ったり、変身する前でもスリを追いかけたり、正義の活動のせいで仕事に遅刻して上司に嫌味を言われたり、と、スーパーヒーローライフの描写がやたらと面白いんですよ。手がかりが見つからなくても、やたら忙しいヒーローの一日を追いかけているだけでも楽しめてしまいました。あと「ウィズニーランド」だの「マイケル・ブラックソンのアルバム『ウィラー』」だののしょーもないお遊びもクスっと来ましたし。

 ということで、ゲームブック好きなら是非手にとって頂きたい一作です。

 しかし、この作品をプレイすると「ヒーローを後ろ盾も無く個人でやるというのは大変だなぁ」とつくづく思いますよ、ええ。


サイボーグを倒せ?ファイティング・ファンタジー (17)

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