感想:NHK番組「幻解!超常ファイル ダークサイド・ミステリー」(NHK総合版)『File-06 検証!魔のトンネル伝説』(2014年5月24日(土)放送)

 NHK番組「幻解!超常ファイル ダークサイド・ミステリー」(NHK総合版)の感想です。
(※以下、今回の話の結末まで書いてありますのでご注意ください)

■幻解!超常ファイル ダークサイド・ミステリー - NHK
http://www4.nhk.or.jp/darkside/

 NHK総合での視聴です。(放送:毎週土曜 22:30〜22:50)

『File-06 検証!魔のトンネル伝説』


■内容

怪奇現象が噂されるミステリースポット「トンネル」。なぜ日本人はトンネルを恐れるのか?ノーベル賞の文豪が心ひかれた幽霊話とは?現場検証で都市伝説誕生の秘密に迫る!

恐ろしい○○が現れる…、天井から××が降ってくる…、走る□□が追いかけてくる…。日本全国「魔のトンネル」の都市伝説はなぜ生まれるのか?関東有数のトンネルを専門家が現場検証。あらゆる角度から推理、解明していく!文豪・川端康成が記した怪奇現象と、有名タレントが体験した謎の事件…なぜ伝説は変化したのか?世界を震かんさせた投稿映像から浮かぶ自動車内の心理分析。トンネルの構造から明らかになる衝撃の原因とは?

 BSプレミアム版の「File-04」(2013年8月14日(水)放送)から。


 「トンネル」は現代の恐怖話の定番スポットである。殺された少女の霊が現われそれを見ると呪われる、落ち武者が出る、墓の下を通るトンネルを走っていると老婆が追いかけてくる、etc、枚挙に暇が無い。


 神奈川県の某トンネルでは以下のような怪談がある。

・現代バージョン=トンネル内で車がいきなり止まる。上から血が降ってきて、さらにバラバラ死体が落ちてくる。

・昭和50年(1975年)バージョン=某女性タレントの体験談。幽霊話に興味を持って面白半分に出かけると、車の窓にいきなり手の平のあとがつき、さらに車の屋根に何かが落ちてきた。

・昭和20年代バージョン=川端康成が噂話をネタに小説を書いた。その内容は火葬場近くのトンネルでタクシーの後部座席に女の幽霊が現われる云々というもの。


 この手のミステリースポットを調べて回る作家が登場が登場し真相を推理。問題のトンネルといわれるものは、実は「一つのトンネル」ではなく、3つのトンネルが連続している。そしてトンネルから出て、次のトンネルに入るまで、外を走っていても夜ならおそらく気が付かない。一つ目のトンネルを出て二つ目のトンネルの入り口にさしかかったところで、上から泥水か油が落ちてきてフロントガラスに当たって広がったとしたら? 車の乗員はトンネル内のつもりなので、『トンネル内でいきなり手のひらの痕が付いた!』となる。さらに、三番目のトンネルの入り口で、例えばレンガが落ちてきて、屋根に当たったかもしれない。乗員は相変わらずトンネル内のつもりなので、驚きも尋常ではないだろう。

 この話が昭和50年の恐怖話の真相では? そしてその話がテレビで拡大され、話に尾ひれが付いて今では「血とバラバラ死体が落ちてくる」になったのではないか。


 車内と言うのは私的空間、つまり自分の部屋のようなもの。そこに何かが入ってくる恐ろしさ、という感覚が怪談を生み出しているのでは。


■感想

 あれ、本放送の時にはタレント名を「キャシー中島」とはっきり言っていたのに……

 元々短い話だったので上手くまとめ切れていて良しでした。まあ、栗山千明のお説教『最近はわざわざ夜中にミステリースポットに出かける人が居ますが、立ち入り禁止地区に入って住民に迷惑をかけたりしてはいけませんよ。あと慣れない土地で事故を起こしたりしないように気をつけましょうね。幽霊より事故の方がよほど怖いですよ。』云々が無かったのが残念ですけど。