感想:映画「ゴジラ(1984年版)」(1984年:日本)(2014年7月15日(火) 放送)

ゴジラ(1984年度作品) [60周年記念版] [DVD]
(※以下、結末まで書いてありますのでご注意ください)

■プレミアムシネマ
http://www.nhk.or.jp/bs/t_cinema/

 NHK BSプレミアムでの視聴です。


■概要

7月15日(火)
午後9:00〜10:45  BSプレミアム
プレミアムシネマ  「ゴジラ
1984年・ 日本 

火山の噴火により再び目覚めたゴジラは、ソ連原子力潜水艦を沈め、日本の原子力発電所を襲う。さらに東京の銀座、有楽町を壊滅状態にして新宿高層ビル群に向かう。逃げ惑う人々をしり目に都市を破壊していくゴジラ。そんな中、ソ連の宇宙衛星から核ミサイルが誤射されてしまい、東京がゴジラと核の二重の恐怖につつまれる。本作は、第1作の原点に戻りゴジラの性格がより凶暴、より強大に復活している。

〔製作・原案〕田中友幸
〔監督〕橋本幸治
〔脚本〕永原秀一
〔撮影〕原一民
特技監督中野昭慶
〔音楽〕小六禮次郎
〔出演〕小林桂樹田中健沢口靖子宅麻伸夏木陽介小沢栄太郎 ほか
〔カラー/レターボックス・サイズ〕

■あらすじ

 1984年(昭和59年)。ゴジラが火山の噴火と共に再度出現した。日本政府はパニックや株価への影響を考え、それをひたかくしにするが、ゴジラソ連の原潜を撃沈し、世界大戦が起こりかけたため、慌てて公表する。やがてゴジラ東京湾から本土に上陸し、都心を暴れまわるが、科学者がゴジラの帰巣本能(?)に訴えかける電波を放射し、伊豆大島三原山におびき寄せて火口に突き落として〆。


■感想

※以下、辛口の感想になっておりますので、本作品が好きな方はご注意ください。

 新生ゴジラ映画。多分一度は見ているはずですが、もう完璧に忘れていました。

 初代の「ゴジラ=人類の敵」路線に戻すにあたり、大人の映画を目指したのか、俳優の面子(主に政府閣僚)が物凄い。首相役が小林桂樹、その他に夏木陽介だの小沢栄太郎だの金子信夫だの、超大作一般映画と見まがうような顔ぶれで、この面子でそのまま「映画:小説吉田学校」とかそういう普通の政治系映画が作れそう。映画の前半はゴジラの出現に日本政府がどう対応するか、というシミュレーション映画のような雰囲気で、大物たちが重厚な演技を見せてくれるため、話は地味ですがそこそこ見ごたえがありました。

 しかし後半ゴジラ東京湾に出現してガンガン暴れまわるようになると、逆に話のテンションは急降下。そもそも自衛隊の秘密兵器「スーパーX」は(公開当時から揶揄されていましたが)、名前もデザインもトホホなら、そもそも自衛隊がこんな武器を持っているという設定自体が馬鹿馬鹿しくて、もうその時点でガッカリ。また話のテンポも悪く、ゴジラの都心襲撃に何の緊迫感も無いばかりか、ゴジラが一旦カドミウム弾ごときで意識不明に→核爆発の影響でまた目覚めました→スーパーXとの第二ラウンドが盛り上がらない→電波に呼ばれて本土から退散→そのまま三原山に突き落とされるという間抜けなオチ、と、もう見ていて「あらあら、まぁまぁ」と困惑する展開に終始しました。

 加えて沢口靖子の演技のダイコンぶりもきつかったのですが、さらにゴジラの質感がいかにも「作り物でーす」というテカテカ感を見せていて、その点でもノレませんでした。

 と言うことで、結局、1954年版がいかに優れた映画だったかを再認識しただけに終わりました。これはもう二度と見なくて良いと思う。
 

ゴジラ」シリーズ作品あらすじ・感想の一覧は以下のページでどうぞ

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