感想:映画「華氏451」(1966年:アメリカ/イギリス)(2014年8月20日(水)放送)

(※以下、今回の話の結末まで書いてありますのでご注意ください)

■プレミアムシネマ
http://www.nhk.or.jp/bs/t_cinema/

 NHK BSプレミアムでの視聴です。


■概要

2014年8月20日(水)
午後1:00〜2:54  BSプレミアム
プレミアムシネマ  「華氏451」
1966年・ イギリス/アメリカ  FAHRENHEIT 451

レイ・ブラッドベリのSF小説を映画化。物質文明が極度に発達した近未来を、フランソワ・トリュフォー監督ならではの独特な視点によって描いた異色作。未来のとある国では読書が禁止され、あらゆる情報がテレビを通じて伝達されていた。そして、消防士の仕事は昔のように火を消すことではなく、隠された本を見つけ出して焼き捨てることへと変ぼうした・・・。タイトルの”華氏451”は紙が自然発火する温度。

〔製作〕ルイス・M・アレン
〔監督・脚本〕フランソワ・トリュフォー
〔原作〕レイ・ブラッドベリ
〔脚本〕ジャン・ルイ・リシャール
〔撮影〕ニコラス・ローグ
〔音楽〕バーナード・ハーマン
〔出演〕オスカー・ウェルナー、ジュリー・クリスティ、シリル・キューザック ほか
〔英語/字幕スーパー/カラー/レターボックス・サイズ〕


■あらすじ

 未来のどこかの国。この国では「本」は人の心を乱す有害なものとされ、本の所有は犯罪だった。人々に与えられる情報は、政府が放送するテレビ番組か、新聞サイズの「漫画」のみ。主人公モンターグは「ファイアーマン」として日々隠された本を押収し焼き払っていたが、ある日本の中から一冊をこっそり自宅に持ち帰り中身を読んでしまう。そして読書の楽しみを知ったモンターグは次々と本を持ち帰り、読書に没頭するようになっていく。しかし妻リンダは法を犯すモンターグに耐えられず、政府に夫を密告して家を出る。モンターグは同僚たちに自宅に踏み込まれ、自ら本を焼くように強制されるが、上司を撃ち殺して逃走する。その後モンターグは「本の人々」と呼ばれる人間たちのコミュニティにたどり着く。そこでは、本を愛する人たちが各人それぞれ本を一冊ずつ暗記し、本の内容を未来に伝えようとしていた。モンターグもその仲間に加わった。


■感想

 原作も映画も有名ですが、監督がトリュフォーとは知らなかった……、いやー、トリュフォーっておフランス映画の巨匠でしょ? こんなSFを撮っているとは予想だにしませんでしたよ……、と思っていたら、別にガチSFじゃなかったですね。妙な世界観の一般映画という感じでした(ナチ制圧下のフランスを舞台にした物語とかと同じようなノリ、というところでしょうか)。正直派手な展開は無く実に淡々と時間が過ぎていくのですが、これが退屈かといわれると全然そうじゃないのが凄い。これが世界のトリュフォーの監督・脚本マジックか?


 モンターグの職業を「消防士」と訳していて、これはまあ間違いじゃないのですが、日本語だとちょっと意味が違う感じが……、原語では「ファイアーマン」と言っていて、21世紀では「消防士」の事ですが、作品世界では「火を付ける人」で、同じ「ファイアーマン」の意味が逆転しているというのが面白さ(?)ですしね。


 期待していたようなディストピア系サスペンスSFでは全然なかったのですが、これはこれで結構面白かったので満足。


★蛇足

 未来なのに、電話をかけるときに交換手が必要なのにワロタ。