感想:NHK番組「幻解!超常ファイル ダークサイド・ミステリー」(NHK総合版)『File-15 真相究明! ツタンカーメンの呪い 連続怪死の真犯人は?』(2014年9月20日(土)放送)


 NHK番組「幻解!超常ファイル ダークサイド・ミステリー」(NHK総合版)の感想です。
(※以下、今回の話の結末まで書いてありますのでご注意ください)

■幻解!超常ファイル ダークサイド・ミステリー - NHK
http://www4.nhk.or.jp/darkside/

 NHK総合での視聴です。(放送:毎週土曜 22:30〜22:50)

『File-15 真相究明! ツタンカーメンの呪い 連続怪死の真犯人は?』


■内容

>世紀の秘宝・黄金のマスクが秘めた謎、発掘関係者20人以上が連続怪死?ツタンカーメンの呪いの正体に迫る!栄光と憎しみ、欲望と陰謀…現代まで続く恐怖の連鎖とは?


>「王の墓に入る者は、死神の翼で打ち殺される…」恐怖の呪いは本当なのか?黄金のマスクで名高い古代エジプト王・ツタンカーメンの墓。1922年の発見直後、発掘責任者が高熱で苦しみ急死して以降、20人以上が謎の死を遂げたという伝説の真相に迫る!墓に仕掛けられた有毒ガス?謎の病原菌?単なる偶然?諸説渦巻く中、関係者がみずから調査したどり着いた、呪いの衝撃の正体とは?【ナビゲーター】栗山千明【語り】中田譲治

 BSプレミアム版の「File-03」(2013年7月12日(金) 放送)から。


 1922年11月。エジプト・王家の谷で「ツタンカーメン王」の墳墓が発見され世界的なニュースとなった。ところが1923年に発掘のスポンサーだったカーナボン卿が敗血症で死亡。新聞は、墳墓の入り口に「墓を暴くものを呪う」云々という言葉が刻まれていたと報道し、卿は呪いで死んだと書きたてた。イギリスでは呪いを恐れ、エジプトの発掘品を持っている人が一斉に博物館に寄贈するという騒ぎも有ったという。

 ところが実際には呪いの言葉はツタンカーメンの墓には存在しなかった。ツタンカーメンより800年も前の別のファラオの墓にそれらしい言葉が刻まれていたが、それが改変やらでいつの間にかツタンカーメンの墓の話に化けたらしい。


 以後、イギリスに住んでいたカーナポン卿の弟や、発掘に参加するはずだったX線技師が死亡。新聞はこれも呪いのせいだと煽りまくった。以後関係者の死は続き、最終的に「呪い」で死んだ人は20人を超えたという。


 1934年、メトロポリタン美術館の館長で自らも発掘に関わったハーバート・ウィンロックは「呪いなどない」と断じた。そもそも発掘に関わった関係者は何十人もいるのに、そのうちで「呪い」の犠牲になったのは極少数。呪いが有るのなら関係者はもっと大量に死んでいるはず。また「呪いの犠牲者」とされた人たちは、カーナボン卿を初めとして健康に不安があったか高齢か、で、亡くなることは不自然ではなかった。また、それ以外に、「発掘関係者と一緒にランチを食べただけ」とかいう人も関係者にカウントされたり、単に「エジプトで起きた殺人事件の被害者」というだけで呪いだという事になったり、ムリが多すぎた。


 こうしたいい加減な「呪い話」は何故広まったのか。それは当時、発掘に関する記事はイギリス新聞「ロンドン・タイムズ」の独占だったことが原因らしい。ロンドン・タイムズはカーナボン卿の親戚が経営に関わっており、他社の記者たちはカーナボンが世界的発見を歪めて記事にしている、とか考えていたらしい。また全情報をロンドン・タイムズが抱え込んでしまい、他社には写真の一枚も回ってこなかった。そこで、ネタを作ろうと「呪い」話を強引にでっち上げた、というのが真相のようである。



■感想

 まあ、このツタンカーメン呪いネタ、主犯(?)のハワード・カーターが長生きしまくっている時点で破綻しているのですけどね。話の発生理由まで分析しているのはなかなかじゃないでしょうか。



★おまけ

●超常現象の謎解き ファラオの呪い
http://www.nazotoki.com/noroi.html