感想:NHK番組「幻解!超常ファイル ダークサイド・ミステリー」(NHK総合版)『File-19 なぜ人の姿が!?トリノ聖骸布の謎に迫る』(2014年10月25日(土)放送)


 NHK番組「幻解!超常ファイル ダークサイド・ミステリー」(NHK総合版)の感想です。
(※以下、今回の話の結末まで書いてありますのでご注意ください)

■幻解!超常ファイル ダークサイド・ミステリー - NHK
http://www4.nhk.or.jp/darkside/

 NHK総合での視聴です。(放送:毎週土曜 22:30〜22:50)

『File-19 なぜ人の姿が!?トリノ聖骸布の謎に迫る』


■内容

>キリストを包んだと伝わる布に浮かぶ人物像。イタリア・トリノの聖骸布。人知を越えた奇跡か?高度な技術のねつ造か?調べるほど深まる謎。科学は真実を明らかにできるか?


>私たち人類に突きつけられた永遠のミステリー!細長い布に浮かぶ、やせた人物の等身大の姿。ヒゲをたくわえ頭や背中、手首には血の跡が。まさに十字架直後のキリスト像だ。イタリア・トリノの聖骸布の謎に、大勢の研究者が挑んできた。ところが科学分析の結果、絵の具などの痕跡はなく描かれたものではないばかりか、現代技術でも再現できないという。人知を越えた奇跡なのか?未知の技術が過去にあったのか?【出演】栗山千明

 BSプレミアム版の「File-06」(2013年11月7日(木)放送)から。


 聖骸布(せいがいふ)とは、紀元前30年にキリストがゴルゴダの丘で殺された時に、遺体を包んだとされる布。現在はトリノ大聖堂に保管され聖遺物とされている。亜麻製。杉綾織り。4×1メートルくらいのサイズ。14世紀フランスにいきなり登場し、いろいろ有った末にトリノに流れてきた。


 聖骸布が注目されるようになったのはほんの100年前。1898年にセコンド・ピアという人が聖骸布を写真に撮り、明暗を反転させてみると、人の姿がくっきり映っていたから。頭・背中・手などに傷があり、聖書の記述のキリストの姿そのまま。また手首に傷があることが注目された。宗教画ではキリストは手のひらに釘を打たれた姿で描かれるが、現実にはそれでは手が裂けてしまう。手首に釘を打つのが正しい。


 聖骸布は本物かはたまた作り物か? 本物説の一つが「化学反応説」。布に含まれていた物質が遺体から出たアンモニアと反応し、人の姿になったというのもの。しかしそれなら、その姿は展開図のように歪んだ姿となるはずで、一枚絵として綺麗に残るはずが無い。偽造説は、絵の具や顔料で書いた絵に過ぎない、とする。


 1978年に科学者グループが調査したところ、血液は本物の人の血(AB型)と判明。また絵の具や顔料は一切使用されていなかった。そして布に何かが染みこんでいるわけでもなかった。人の姿は、布の繊維の表面が0.6マイクロメートル(一万分の六ミリ)だけ何らかの方法で破壊されて変色して出来ていた。一体どうやったらこんな変色が起きるのか解らない。


 近年、「最古の写真」説が提唱された。「カメラ・オブスキュラ」というピンホールカメラ的なもの、つまり真っ暗にした部屋の壁にレンズをはめ、外に人形を置き、それを室内の布に撮影したという説。感光剤は卵白と二クロム酸を使用したとも言われる。そして、撮影したのはあのダ・ヴィンチだとも。確かにこれならそれっぽい物が撮れるが、反論も多い。中世に感光剤やレンズは無かったろうし、また12世紀の宗教画に聖骸布が描かれており、既にその時に聖骸布は存在していたようなのである。


 1988年に聖骸布の年代測定を行い、1260〜1390年頃のものと判定された。これが正しいなら聖骸布は偽物で決まりである。しかし、測定方法が誤っていたのでは、という異論も多い。


 現在までに色々な説が提唱されているが、結局、現代科学では未だに聖骸布的な物を作ることに成功していない。聖骸布が本物なのか偽造なのか、未だ持って謎のままである。


■感想

 この番組屈指の面白ネタの一つの「聖骸布」話。久しぶりに見たけどやっぱり面白かったなぁ。