感想:NHK番組「コズミック フロント スペシャル」「大冒険!はやぶさ 太陽系の起源を見た【再放送】」(初回 2011年9月20日(火) 放送)

小惑星探査機「はやぶさ」大図鑑

 NHK番組「コズミック フロント」の感想です。
(※以下、今回の話の結末まで書いてありますのでご注意ください)

■コズミック フロント | NHK宇宙チャンネル
http://www.nhk.or.jp/space/program/cosmic.html

 NHK BSプレミアムでの視聴です(放送日:初回2011年9月20日(火))(2014年11月26日(水) 15:30〜17:00)。

大冒険!はやぶさ 太陽系の起源を見た【再放送】


■概要

去年6月、日本の探査機"はやぶさ"が、7年間60億キロにおよぶ旅を終え、小惑星イトカワのかけらを地球に持ち帰った。飛行中のはやぶさに、次々と襲いかかるトラブル。しかし決して諦めず、ピンチを乗り越えつづけた科学者たちのドラマは、人々の感動と共感を呼んだ。しかし"はやぶさ"の物語は、そんな冒険だけではない。人類未到の小惑星に到達し、その様子を至近距離から撮影。さらに物質の一部を地球に持ち帰ったのは、これまで世界中のどの探査機も成し得なかった偉業だ。小惑星は太陽系が誕生した太古の情報を今に残す、「太陽系のタイムカプセル」と呼ばれている。科学者が、はやぶさが持ち帰ったかけらの年代を測定したところ、太陽系が誕生した46億年前の「タイムカプセル」であることが判明。今後の詳しい分析で、太陽系の起源に迫れると期待されている。あの感動の冒険物語から、最新の成果まで、はやぶさプロジェクトのすべてを紹介。

■内容

Front 1 過酷な宇宙へ

 はやぶさは2003年5月に打ち上げげられ、小惑星イトカワを調査して、2010年6月に帰還した。帰還時には大ニュースになった。



Front 2 小惑星はタイムカプセル

 太陽系がどうやって出来たかは未だによく解っていない。小惑星を調べれば、太陽系の惑星が出来る前に有った「原始惑星」のことが解るはずである。



Front 3 3億キロの壁

 イトカワは地球から3億キロ離れている。これは電波が片道20分・往復40分かかる距離。しかも地球からどんなに精密に位置を特定しようとしても、最大300キロメートルの誤差か出る。これでは大きさ500メートルのイトカワに接近することは難しい。その対策として、はやぶさから光学的にイトカワを捉えさせ「イトカワがこう見えるから、はやぶさの今の位置はどこ」という感じで誤差をなくしていった。



Front 4 到着!未知の小惑星

 2005年9月に到着。イトカワは予想と異なり、クレーターが全く見当たらず、学者を驚かせた。



Front 5 クレーターの謎

 イトカワは理論上の存在だった「ラプルパイル天体」だと推測された。これは一つの岩では無く、いくつもの岩が組み合わさって出来た天体。例えば細かい軽石を敷き詰めた容器に物を打ち込んでもクレーターは出来ない。これと同じ理由でクレーターが無いらしい。



Front 6 二分された地形の謎

 イトカワにはゴツゴツした場所と、物凄く滑らかな場所の二つがある。これは「大きなナッツと小さなピーナッツを容器に入れゆすると、大きなナッツが浮いてくる現象」と同じ理由によるものらしい。他の岩の衝突の衝撃で、大きな岩だけの場所と小さな岩だけのなめらかな場所に二分された模様。



Front 7 着地!

 はやぶさイトカワに着地し、地面に弾丸を撃ち込んで、跳ね上がった地面の欠片を筒の先から回収する任務があった。ところが一回目はバランスを崩して上手く着地できず、バウンドを繰り返した挙句に地面に激突してしまう。なんとか一旦離脱し、二回目には無事に成功したと思われたが、プログラムミスで弾丸を発射できなかったと判明。任務は失敗してしまう。



Front 8 はやぶさが消えた

 それでも帰還を始めたはやぶさだったが、イトカワ激突の性で故障して上手く姿勢が制御できず、地球との通信が途絶気味になってしまう。そしてついに完全に見失ってしまう。プロジェクトは失敗だと思われたが、軌道を計算し、しつこく電波を送り付けると反応があり、通信が回復した。しかしこのトラブルで、当初2007年帰還予定が2010年になってしまった。一方、はやぶさが地面に激突した際に、イトカワの微小な破片が回収できた可能性があることがわかった。



Front 9 エンジン停止

 2010年。イオンエンジン4基が全て故障してしまう。もともと2007年までの任務のつもりだったので、既に耐久限界を超えていた。しかしエンジン開発チームがもしもの場合に備え、二つのエンジンで生きている部品同士を組み合わせて一つのエンジンにするる仕掛けを用意しており、エンジン一つ分の推力を確保することに成功した。



Front 10 帰還

 2010年6月。はやぶさは地球に帰還。もしかするとイトカワの欠片が入っているかもしれないカプセルを地球に下ろして、本体は燃え尽きた。カプセルの中には一見何も無かったが、顕微鏡で見ると、0.01ミリ単位の欠片が入っていることが判明した。この欠片は太陽系が生まれてから760万年後のものだと解った。現在太陽系が生まれてから46億年経っているので、太陽系誕生最初期のものがそのまま残っていた事になる。現在(2011年)研究が続けられている。3年後、2014年には「はやぶさ2」が打ち上げ予定である。



■感想

 12/3の「はやぶさ2」打ち上げに連動した再放送。さすがに映画と違って泣かせにはきませんでしたが、こういう番組を見ると、ホント人間って凄いことをするよなぁと思いますよね。
 
おかえりなさい はやぶさ 2592日の宇宙航海記
探査機はやぶささん