感想:NHK番組「幻解!超常ファイル ダークサイド・ミステリー」(NHK総合版)『File-30 シリーズ NASAの陰謀!? Part2 検証!宇宙のUFO疑惑映像』(2015年2月21日(土)放送)


 NHK番組「幻解!超常ファイル ダークサイド・ミステリー」(NHK総合版)の感想です。
(※以下、今回の話の結末まで書いてありますのでご注意ください)

■幻解!超常ファイル ダークサイド・ミステリー - NHK
http://www4.nhk.or.jp/darkside/

 NHK総合での視聴です。(放送:毎週土曜 22:30〜22:50)

『File-30 シリーズ NASAの陰謀!? Part2 検証!宇宙のUFO疑惑映像』


■内容

土星の輪に巨大宇宙船?火星に謎の石板?スペースシャトルの周囲にUFOの大群?NASA撮影映像に写った謎の正体を、徹底分析!陰謀論が生まれる危険な心のワナに迫る!


NASA撮影の衝撃映像、第2弾!土星の輪に巨大宇宙船?火星の地表に謎の石板?…「そんなわけないだろう!くだらん!」とおっしゃる皆様、ごもっともです。でもお子さんや友人から「実際に写ってる、これナニ?」と聞かれたら、正体を説明できますか?実は真面目に分析すると、「へぇ〜!」「ほぉ〜!」なおもしろさ満載なんです!だまされたつもりで(だましませんけど)ご覧いただくと、家族の会話に夢とロマンが花咲くかも?

 BSプレミアム版の「File-08」(2014年3月26日(水)放送)から。


 世間には「アポロは月に行っていない」と信じ込んでいる人たちが存在する。彼らは「1960年代に月に行ける技術があったなら、今頃月には基地が出来ていて当然だ!」etcと主張する。しかしNASAはそれに公式に反論している。「アポロ計画には膨大な予算(9兆円)が使われており、当然その使用は厳しく監査されていた。陰謀の入り込む余地は無い。」「月着陸はソ連との競争であり、当時莫大な予算が認められた。しかしもう今はそういう時代では無く、財政的な理由で月の基地建設計画は中止された」と。



 しかし、NASAアポロ計画以外にも疑惑が存在する。NASAはUFOetcを撮影した写真を何枚も公開しているのだ。彼らは宇宙人の存在を隠蔽しているのか?


○数々の疑惑映像

(1)1991年9月。スペースシャトルディスカバリーの周囲を複数の光点が飛行している。さらにそれらの光点はある瞬間高速で飛び去ってしまう。これこそUFOだ。

 答え:シャトルから出た水が凍った氷が飛んでいる。それがシャトルの姿勢制御ロケットの噴射で吹き飛ばされた。



(2)2008年。火星探査機マーズ・リコネッサンス・オービターは、火星地表で、映画「2001年宇宙の旅」に出てくる石版モノリスそっくりの石版を発見。火星に未知文明が存在するのか?

 答え:探査機のデジカメの解像度の限界で、複雑な形の岩でも細かいところがそぎ落とされた映像になり、四角く見えている、と思われる。



(3)土星のリングに細長い影が映っている。超巨大UFOだ!

 答え:土星の衛星の影が伸びて写っている。



(4)土星のリングの側を細長い光点が移動している。これこそUFO!

 答え:土星の衛星が長時間路露光で細長く写った。



(5)2004年。探査機カッシーニ土星のリングから細長い線が飛び出している状態を撮影。リングからUFOが発進した痕跡では?

 答え:土星の衛星プロメテウスが重力でリング内の岩などをひきつけている。「ミニジェット」と呼ばれる現象。


 と、全て説明が付いてしまいました。しかし疑惑論者は全く信用しない。疑惑について黙っていれば「ウソだから反論できないんだろう」と言い、何か説明すれば「NASAのいう事なんか信じられるか!」である。そのためNASAは2001年以降、この手の陰謀論に反論することを止めた。



 この手の陰謀論は何故はびこるのか? それは、信じる人にとって「自分は他の人間が気が付かない真実を知っている、オレ凄い」という優越感に浸れて、たまらなく気持ちが良いから。そして気持ちよさから視野狭窄に陥って、『真実』を強化する情報しか信じなくなっていく。そういう状態にならないために、その手の話はすこし引いて、俯瞰して見るくらいが良いですよ。



■感想

 陰謀論には気をつけましょうね。