感想:海外ドラマ「X-ファイル シーズン4」第3話「メラニン」

X-ファイル シーズン4 (SEASONSコンパクト・ボックス) [DVD]

 ドラマ「X-ファイル シーズン4」(全24話)の感想です。
(※以下、今回の話の結末まで書いてありますのでご注意ください)

■ディーライフ/Dlife X-ファイル シーズン4
http://www.dlife.jp/lineup/drama/xfile_s4/

 BSデジタル放送「Dlife」での視聴です。

第3話 メラニン TELIKO

■あらすじ

EP3 メラニン
4人の黒人男性が失踪、遺体で発見される。その身体からは色素が失われ、西アフリカ産の植物の種子が付着していた。 病気なのか、伝説の精霊の仕業なのか、真実は・・・。

 お題は「特異体質」。


 フィラデルフィアで黒人が次々と失踪し、そのうち一人が全身真っ白の死体で発見される。死因はホルモンを分泌する脳下垂体が壊死していたことだった。さらに3ヶ月前、アフリカの「ブルキナファソ」から来た飛行機の中で同様の死体が見つかっていたことが解る。


 スカリーは未知の病気が原因と考え、その飛行機に乗っていた保菌者らしい移民サミュエル・アボアを確保するが、アボアに異常はなかった。その後の精密検査で、アボアは脳下垂体が無く、本来なら生きていられるはずが無いと判明する。一方、モルダーはブルキナファソの大使館で、公使から「空気の精霊テリコ」が人間を襲って人を真っ白にして殺すという伝説を聞かされる。


 モルダーはスカリーに、アフリカに脳下垂体を持たない種族が存在し、生きるために他の人間を襲って脳下垂体からホルモンを摂取していること、またアボアはその種族の一員であること、という推測を聞かせる。二人はアボアを追い、モルダーは殺されそうになるがスカリーがアボアを捕らえた。アボアは治療の甲斐も無く衰弱していき、裁判まで持ちそうにも無かった。



監督 : ジェームズ・チャールストン
脚本 : ハワード・ゴードン

■感想

 突然変異の人間による超常事件という、X-ファイルでは定番のエピソードだが、今回は犯人が「柔軟な身体を持ち」「生きるために他人の臓器を奪う」という点でシーズン1の「スクィーズ」と同じで、アイデアの焼き直し感は否めない。


 また、その他の設定の詰めも甘く、一例を挙げるなら、アボアが「脳下垂体のホルモン」目当てで人を襲っていたのならば、ターゲットを黒人に限定する必要は無かったのではないか、という疑問が浮かぶ。またスカリーたちはアボアの検査中食道に何かが入っていることに気が付いて驚くが、種を明かせばそれはアボアが他人から脳下垂体を吸い取るために使っていたストローだったが、わざわざ飲み込んで持ち歩く必要があるのか、という点にも答えが無かった。


 アフリカには「精霊テリコ」として伝えられている謎の一族が存在する、という設定自体は悪くなかったのだが、詳細に見てみると色々粗が見えてきて残念なエピソードでは有った。


 今回、モルダーはマリタ・コバルービアスから情報を得ようとするのだが、そのやり方が常軌を逸しており、夜、国連ビルから出てきたコバルービアスを何も言わずに尾行しようとする。殆ど犯罪者である。神出鬼没だった故ミスターXのやり方に感化されてしまったのだろうか。