感想：小説「《ヴァジファー》との戦い」（宇宙英雄ローダン・シリーズ 498巻）(2015年6月4日(木)発売)

　小説「《ヴァジファー》との戦い」（宇宙英雄ローダン・シリーズ 498巻）の感想です。
（※以下、今回の話の内容について触れています。ご注意ください）

-------------------------------------------------

■データ（公式）
http://www.amazon.co.jp/dp/4150120110
《ヴァジファー》との戦い (ハヤカワ文庫 SF ロ 1-498 宇宙英雄ローダン・シリーズ 498) 文庫 2015/6/4
Ｈ・Ｇ・エーヴェルス (著), エルンスト・ヴルチェク (著), 工藤稜 (イラスト), 渡辺広佐 (翻訳)
文庫: 288ページ
出版社: 早川書房 (2015/6/4)
言語: 日本語
ISBN-10: 4150120110
ISBN-13: 978-4150120115
発売日： 2015/6/4

＞マルゴルの大波のインパルスが変化したために騎士サリクは心身の不調に苦しんでいた！

＞惑星マルタッポンのオービターのミスにより、ガルベシュ軍団への長時間兵器であるマルゴルの大波のインパルスが変化してしまったせいで、深淵の騎士ジェン・サリクは心身の不調に苦しめられていた。一方、ぎゃくに苦痛から解放されたアムトラニクとラボリ人たちは、損傷した《ヴァジファー》を修理しようと、ある惑星にたちよろうとしていた。その途上、テラナーのスペース＝ジェット《ホワイト・ローズ》と遭遇するが!?

-------------------------------------------------
■宇宙英雄ローダン・シリーズ[498]巻

　日本で発売されている小説では最長を誇るSF「宇宙英雄ローダン･シリーズ」の一冊です。

発売日　＝ 2015年6月4日(木)
サイクル＝第15サイクル「宇宙の城」

-------------------------------------------------
◆９９５話　《ヴァジファー》との戦い（Ｈ・Ｇ・エーヴェルス）（訳者：渡辺広佐）

　アムトラニクは、《ヴァジファー》の修理のため未開惑星への着陸を命令するが！？

−＞

　ジェン・サリクも酷い目にあっていますが、アムトラニクの不幸ぶりも負けずに悲惨。かつては大軍団を指揮していたのに、今ではポンコツ戦艦一隻で敵から追い回されているというシチュエーションが哀れを催します。おまけにオチがまた（アムトラニクにとって）酷いし。

-------------------------------------------------
◇９９６話　最後の戦闘（エルンスト・ヴルチェク）（訳者：渡辺広佐）

　衰弱したジェン・サリクは、アムトラニクとの対決のため、プロヴコン・ファウストを目指すが！？

−＞

　アムトラニクが、「もう銀河系征服はどうでもいいから、騎士にだけは勝利してやる」というヤケクソ思考に突入しているのがもうなんといいますか……、あとはP153で登場キャラが堂々と「アルジャーノンに花束を」の内容について触れているのはどうかと思いました。フィクション内で別のフィクション作品の話をしてくれるなと言いたい。

-------------------------------------------------

　前半後半とも、まあまあのお話でした。

-------------------------------------------------
★表紙絵

　メインはゲストキャラのマルセル・プラデル。背景は、上が恐らく宇宙艦《ヴァジファー》、真ん中は惑星ブラザー・アモス土着のは虫類、下がブラザー・アモスの風景。

-------------------------------------------------
★あとがきにかえて

　担当は「渡辺広佐」氏。全5ページ。ホシザクラに関するエッセイ。

-------------------------------------------------
★予告

　次巻は499巻「サイコドの道」(エルンスト・ヴルチェク＆クラーク・ダールトン)(2015年6月24日(水)発売予定)。

-------------------------------------------------
★おまけ

　あらすじネタバレ版はこちらへ。