ウォーゲームの世界では、太平洋戦争全体を扱うゲームは大人気で、今までボードゲーム/コンピューターゲームの両方で数限りない作品が発売されてきましたが、去る8月15日に新たな作品が登場しました。
大東亜戦争(ゲームジャーナル)
●ゲームジャーナル別冊6 大東亜戦争
http://www.gamejournal.net/item_list/bessatu_006/index.html>「大東亜戦争」は第二次世界大戦の帝国陸海軍の戦いの全体像を再現した、戦略級のウォーゲームです。
>本作では、ゲーム開始時期を史実の開戦半年前の仏領インドシナ進駐時期よりプレー可能にし、またゲーム範囲に大陸方面のほぼ全域を含めることによって、この時代の帝国陸海軍がとりうるさまざまな可能性(真珠湾攻撃をせずに東太平洋で艦隊決戦をおこなうことや、日本の対ソ戦、対英・蘭単独宣戦など)をできる限り再現できるなど、これまでの作品になかったプレーヤーの自由度を高めることが可能になっています。
>あなたは陸海軍の対立という旧大日本帝国の宿痾を克服し、原爆投下や本土決戦の悪夢を回避できるのでしょうか?
●開戦シチュエーションが自由に選べます
このゲームの凄い(?)ところは、戦争が「1941年12月8日の真珠湾奇襲攻撃」以外のパターンで始められるところ。このジャンルに詳しくないと凄さか伝わりにくいと思いますが、一般の太平洋戦争物は、判で押したように「12月8日に真珠湾を攻撃しアメリカ艦隊に大被害を与える」というところからスタートします。何故かと言えば、あまりに自由度を高くすると、ゲームの収拾がつかなくなって破綻してしまうから。だから少なくとも「開戦は真珠湾」というのは、この手のゲームの大前提でした。
ところがこの新作「大東亜戦争」は、もう好き勝手にやりたい放題。ルールが許す範囲ですが、「アメリカは無視してイギリス・オランダにだけ宣戦布告」とか「もっと絞ってオランダにだけ宣戦布告」とか「ロシアと戦う」とか「どこにも宣戦布告せず、延々中国で戦い続ける」とか、バリエーションは多種多彩。
●丸一日あれぱプレイ可能
プレイの所要時間は、8時間くらいで最後まで行ける模様です。一昔前の同テーマのゲームの場合、「1941年から45年までプレイするのに100時間必要」とか堂々と謳っていましたが、さすがに21世紀のゲームにそれは無しでした。休日開催のゲーム会でも頑張れば一日で終わらせられそうです。しかしまあ、「ということは、かなり抽象的なんだろうなぁ……」という気もいたしますけどね。
ということで、マニアにはかなり魅力的な作品でしょう。
参考
ゲームの細かい内容については、以下も参考になります。
●ワレ真珠湾ニ奇襲セズ!:米と戦わず英蘭と戦わば勝てたのか?──艦これ提督的ウォーゲーム要務令「大東亜戦争」編 - ねとらぼ
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1508/15/news027.html