感想:海外ドラマ「X-ファイル シーズン2」第3話「血液」

X-ファイル シーズン2 (SEASONSコンパクト・ボックス) [DVD]

 ドラマ「X-ファイル シーズン2」(全25話)の感想です。
(※以下、今回の話の結末まで書いてありますのでご注意ください)

■ディーライフ/Dlife X-ファイル シーズン2
http://www.dlife.jp/lineup/drama/xfile_s2/

 BSデジタル放送「Dlife」での視聴です。

第3話 血液 BLOOD

■あらすじ

EP3 血液
小さな町で殺人事件が激増する。モルダーとスカリーの二人が捜査すると、事件現場には壊された電気機器があり、死んだ容疑者たちの眼球から特殊な物質が発見された・・・。

 お題は「人体実験、政府の陰謀」。


 田舎町で、平凡な市民が突如正気を失い大量殺人を犯すという事件が続発する。犯人たちは全員犯行後に錯乱して自殺するか警官に射殺されていた。あまりの異常事態にFBIから行動科学(プロファイル)の専門家のモルダーが派遣されてくる。


 死んだ犯人の体内からは「LSDM」という物質が検出され、これは未認可の農薬だと判明した。LSDMは昆虫に恐怖を起こさせて作物から追い払う効果が有り、またこの街では認可を待たずにLSDMが散布されていた。モルダーは、誰かが、LSDMを浴びた住人に対し、電子機器の画面(携帯電話の画面、テレビの画面、等々)で恐怖をあおるメッセージを送りつけ、精神錯乱を引き起こしていると推測する。モルダーは、これは国家による人体実験だと考える。


 やがてLSDMとメッセージにより錯乱した男が大学で銃を乱射するが、モルダーに取り押さえられる。直後、モルダーの携帯電話に「全て完了、バイバイ」というメッセージが送られてきたところで〆。


監督 : テビット・ナッター
脚本 : グレン・モーガン&ジェームズ・ウォン

■感想

 政府(?)が国民をおもちゃにして人体実験を行なっている、という都市伝説系のエピソード。サスペンスな展開がキビキビしていてなかなか良かった……、と思ったのですが、いつものように終わってから振り返ってみると、「いや待て」とひっかかるところが……


 大体、ありとあらゆる機器に自由自在に好きなメッセージを送りつけられる、という時点で何それという感じだし、『実は政府は全ての電子機器をコントロールできる仕掛けを仕込んでいるんだよ!』『な、なんだってー!?』ということだとしても、バスの行き先表示板とかにメッセージを送りつけたら、対象者以外にも見られちゃって証拠が残るじゃん。途中までは「該当者にしか見えていない、一種の幻覚」という感じで描写されているので納得していましたが、現実に表示されていたとなるとねぇ?


 ラストの余韻はまあ悪くないのですが……


 それはそれとして、今回はジョークにキレが有りました。モルダーがスカリーに事件のあらましをメールで送り、「犯人たちに共通点は無い。UFO誘拐事件の被害者でもなさそうだ」と書いてあるのを見て、スカリーが「それでこそあなたよ、モルダー」と突っ込むシーンとか、モルダーがローン・ガンメンの一人に「送った雑誌を読まなかったのか?」と聞かれて「悪い、プレイボーイの発売日に届いたので、つい読みそびれちゃったよ」とか言うシーンとか。


★おまけ

 サブタイトルの「血液」というのは、銃乱射男が血液に怯えていた事から。なにか、いま一つピンと来ない命名ですね。「大学、時計塔、銃乱射」というのは、有名な「テキサスタワー乱射事件」(1966年)から来ているはずです。

★おまけ2

 錯乱して殺人を犯す女性の役は、なんとポ●ノスターのアシュリン・ギアだったとか。いやー、気が付かなかったわ。