感想:海外ドラマ「X-ファイル シーズン3」第14話「グロテスク」

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 ドラマ「X-ファイル シーズン3」(全24話)の感想です。
(※以下、今回の話の結末まで書いてあります。ネタバレにご注意ください)

■ディーライフ/Dlife X-ファイル シーズン3
http://www.dlife.jp/lineup/drama/xfile_s3/

 BSデジタル放送「Dlife」での視聴です。


第14話 グロテスク GROTESQUE

■あらすじ

http://www.dlife.jp/lineup/drama/xfile_s3/
EP14 グロテスク
ガーゴイルの画を描く芸術家モストウは、7件の殺人事件の容疑者として逮捕されたのだが、モストウの逮捕後にも、また同じ手口の事件が発生する。 捜査は進むが・・・。

 お題は「猟奇殺人」(※超常現象要素無し)。


 FBIは過去3年間に7人の若い男性を殺害した容疑で、ジョン・モストウという男を逮捕した。被害者はいずれも顔面を鋭い刃物で切り刻まれるという残酷な手口で殺されていた。ところがモストウ逮捕後も全く同じ手口の殺人が発生したため、モストウに共犯者がいた可能性が出てきた。


 モルダーたちは、スキナー副長官から事件の捜査を命じられるが、モストウは自分は無実で悪霊に取り付かれて殺してしまっただけだ、と主張していた。またモストウ事件の捜査チームの指揮官パターソンは、モルダーのプロファイリングの師匠だったが、今のモルダーを毛嫌いしていた。


 モルダーはモストウのアトリエに寝泊りし、モストウがこだわったガーゴイルの絵や塑像に囲まれながら、犯人に迫ろうとする。スカリーは段々行動がおかしくなるモルダーを心配するが、モルダーは聞く耳を持たない。実は事件の捜査にモルダーを指名したのはパターソンで、彼はモルダーの才能を誰よりも認めていた。


 やがてモルダーは犯人がパターソンだという真実にたどり着く。パターソンは3年間捜査のため犯人像を分析しているうちに、自分が狂気に陥ってしまっていた。モルダーを捜査に指名したのは自分の犯行を止めさせる為だった。パターソンは逮捕され収監されるが、最後独房の中で「自分はやってない、殺したのはヤツだ」と叫んでいるシーンで〆。



監督 : キム・マナーズ
脚本 : ハワード・ゴードン




■感想

 評価は○。


 モルダーが隠れた特技(?)のプロファイルを駆使して猟奇犯罪者に迫るエピソード。いつもとは異なり、完全に犯罪サスペンスドラマとして作られているが、これが意外にも当たりだった。モルダーがモストウのアトリエに寝泊りし、ガーゴイル像を自ら作ったりするうち、だんだん変になっていく過程がなかなか見せてくれる。


 モストウ逮捕後、殺人を続けているのは誰か?という犯人当てドラマとなっているが、最後の最後までさっぱり真相が見えない。実は冒頭モストウを逮捕する時に手を噛まれた捜査官がいて、「その捜査官に、噛まれた時に狂気が伝染して第二の犯人になったのでは?」という方向に誘導していくので、ラスト前でその捜査官も真犯人に殺されているシーンが結構驚かされた。


 真相は「プロファイル担当の捜査官が犯人の狂気に取り込まれていた」というありがちと言えなくも無いものだったが、推理ドラマとして一級の出来だったと評価したい。もっとも「X-ファイルで超常現象が出てこない話を作られても困る」という気もするわけだが。


 ちなみに、パターソンの吹き替えは若本規夫氏。あの渋い声がいかめしいパターソンにピッタリだった。