感想:アニメ「影鰐-KAGEWANI-」第2話「氷牙」


 秋アニメの「影鰐-KAGEWANI-」の感想です。
(※以下、今回の話の結末まで書いてあります。ネタバレにご注意ください)



 BS11での視聴です。(※10分枠アニメ)。


第2話 『Episode 2 氷牙』

■あらすじ

 番場宗介は、友人の登山家の「黒田ミカ」(声:相沢舞)が遭難して病院に担ぎ込まれたと聞き、駆けつける。ミカは救助隊に発見された時、クレバスの底に転落しており、また防寒着を脱ぎ捨てていたという。しかもクレバスの底には人骨が散乱していた。ミカはまだ意識不明だったが、宗介は彼女の証言の録音を聞かされる。


 ミカたちのパーティーは、登山家だったミカの父親が遭難した山に挑んでいた。ところが頂上を目前にして、メンバーの一人が低体温症にかかり、登頂断念を余儀なくされる。さらにパーティーは未知の生物に襲われ、ミカはクレバスの底に放り込まれる。ミカはその生物が温度で獲物を見分けていると気がつき、防寒着を脱いで下着になることで、生物の目を逃れる。クレバスの底にはミカの父親の遺体も転がっていた。


 救助隊の関係者は、寒さで幻覚でも見たのでしょう、と言って病室から立ち去る。


■感想

 第二話も絶好調で、『オカルトスキーなら必見!』と太鼓判を押す面白さ。


 「クトゥルフ」物などでおなじみの『知人が死ぬ/行方不明』→『残された手記を読む』→『回想形式で知人の奇怪な体験が語られる』という王道展開でしたが、これがめっぽう面白い。


 まず画面の雰囲気が絶品で、動きはほとんど無い「テレビ紙芝居」ですが、全てのシーンが薄暗く、またキャラクターがみな生気が無い顔つきなので、もう何か起こる前から不気味な雰囲気が漂っていて、ただ見ているだけで不安になってきます。


 さらにストーリーが、これまたオカルト好きの好みのど真ん中を付いて来ていて、『謎めいた予兆、突然のアクシデント、未知生物との遭遇、命からがらの生還』という流れ。全ては予定調和ではあるのですが、ひたすら不安を誘う画面とこのストーリーの組み合わせは、もう最高でした。


 さらに凄いのが、これが10分枠のショート枠アニメだという事。制約があるにもかかわらず、30分枠アニメ顔負けの充実度。スタッフの構成力には感嘆しました。


 主役のはずの杉田智和声が殆ど聞けない、という点を差し引いても、これはこの秋注目すべき作品ですよ。お勧め!