感想:海外ドラマ「X-ファイル シーズン3」第18話「骨董」

X-ファイル シーズン3 (SEASONSコンパクト・ボックス) [DVD]

 ドラマ「X-ファイル シーズン3」(全24話)の感想です。
(※以下、今回の話の結末まで書いてあります。ネタバレにご注意ください)

■ディーライフ/Dlife X-ファイル シーズン3
http://www.dlife.jp/lineup/drama/xfile_s3/

 BSデジタル放送「Dlife」での視聴です。


第18話 骨董 TESO DOS BICHOS

■あらすじ

http://www.dlife.jp/lineup/drama/xfile_s3/
EP18 骨董
セコナ族の反対を押して、彼らの遺跡を発掘していた考古学者が行方不明になる事件が発生した。そして彼の発掘した出土品が送られた美術館でも怪死事件が発生する事態に。

 お題は「死者の祟り」。


 ボストンの博物館で館員が失踪し、館内には大量の血液が残されていた。この博物館は、エクアドルの「テソ・ドス・ビチョス遺跡」で発掘した「セコナ族」の巫女(アマル)の骨壷を展示しようとしていたが、国務省にはそれに反対する抗議文が大量に届いていた。また、これ以前に現地エクアドルでも、発掘を指揮していた博士が骨壷発掘直後に失踪していた。


 モルダーたちは、抗議文の送り主で、元発掘関係者のビラク博士に面会するが、ビラクはセコナ族に入れ込んでおり、態度が不審だった。セコナ族の伝説では、墓を荒らしたものは巫女に祟られ、巫女の乗り移ったジャガーに殺されるという。そして、事件はさらに拡大し、館員たちが次から次へと失踪していった。スカリーはビラクが犯人だと考え尋問するが、そのビラクまで密室から失踪してしまう。


 モルダーたちは博物館の地下に有る閉鎖された地下通路を調べるが、そこで失踪者たちの死体と、猫の大群を発見する。モルダーたちは猫に襲われるが、命からがら脱出した。死体は小動物に襲われたものと判明したが、猫はどこかに消えうせていた。結局、巫女の骨壷はエクアドルに返還され、元の場所に埋め戻された。


監督 : キム・マナーズ
脚本 : ジョン・シバン




■感想

 評価は○。


 古代の墓を荒らした人間が呪われる、というクラシックなテーマのX-ファイルバージョン。映画「ブレデター」のごとく、襲撃者の視点をかなり歪んだ像で描いていたのが印象的。襲撃者そのものが一体どんな姿なのか、最後になるまでばらさず、視聴者をジリジリさせてくれた。


 物語のキーマンとなるのが、骨壷の発掘に反対していたビラク博士。セコナ族に肩入れし、現地に伝わる「魂の酒/ヤヘ」という薬を自宅で作って常用している。事件が進むたびに、眼が落ち窪んでどんどんやつれていくので、「ビラク博士が巫女の魂に乗り移られて犯行を行なっているのか?」とか「薬のせいでジャガーに変身したのでは?」と思わせるが、実は視聴者をあらぬ方向に誘導するためのめくらましキャラだった、というオチがはちょっと情けなかった。折角セコナ族の為に動いていたのに、祟られて他の館員と一緒くたに殺されたのでは、ビラクも浮かばれまい。


 結局襲撃者は猫の大群と判明するが、どうも「大量の猫に襲われて死ぬ」というシチュエーションがいまいち想像し辛い。犬の大群なら問題ないし、またネズミの大群というのでも「滅びの笛」の様で怖いと思うが、猫というのはピンと来ない。巫女の霊がジャガーの代用品として呼び集めたと思われるが、大都会では呪いを実行するのも大変だと思わせた。


 最後に、骨壷を埋め戻すのを見守るシャーマン(?)の眼が猫っぽかったのは、どういう意味だったのだろうか。


■一言メモ

 サブタイトルの「テソ・ドス・ビチョス」は遺跡名だが、さらに古いポルトガル語で「テソ 墳墓」「ビチョス 小動物」、つまり「小動物の墓」という意味。