感想:ウォーゲーム雑誌「Game Journal(ゲームジャーナル) No.57」『激闘!キエフ電撃戦』(2015年12月1日発売)

ゲームジャーナル57号 激闘! キエフ電撃戦

 発売日:2015年12月1日(3,6,9,12月の1日発売)

ゲームジャーナル公式サイト
http://www.gamejournal.net/

■今号のページ
http://www.gamejournal.net/item_list/gj_057/index.html

■付録ゲーム

激闘!キエフ電撃戦ゲームデザイン:ふ〜ら〜中村)

名作「激闘!マンシュタイン軍集団」システムで壮大なバルバロッサ作戦の全貌を再現する「激闘!バルバロッサ」シリーズが、ついに完結!

最終作の本作は南方軍集団の激戦を描くが、枢軸軍プレーヤーはドニエプル川を北岸に渡河してキエフを後方から脅威するか、ドニエプル屈曲部をそのまま直進して、ロストフ・ハリコフ方面に突破するかを、決断しなければならない。
一方赤軍プレーヤーは、枢軸軍の意図を正確に予測し、適時的確な位置に自軍増援を展開しなければならない。
あなたは広大な東部戦線で、バルバロッサを完遂することができるだろうか!?

 49号(2013年12月発売)の「激闘!レニングラード電撃戦」、53号(2014年12月発売)の「激闘!スモレンスク電撃戦」と並ぶ三部作の最終作。三作を合体させるとバルバロッサのビッグゲームが完成するという凄い企画でしたが、無事完走できました。



■特集:激闘!キエフ電撃戦

 ヒストリカルノート、松田大秀氏のリプレイ漫画、デザイナーズノート、プレイの指針、など。


 クッソ笑ったのがゲーム指針ページのコピーで、「すべてがキエフになる」ってさらっと書いてある(笑) 蛇足ながら解説しておきますと、これは推理小説で今アニメ版が放送されている「すべてがエフになる」のパロディです(笑) ゲームジャーナルは昔から「きっと突破できないお前たちにつげる!」(輪るピングドラム)とか「それが、マンシュタインの選択だ」(シュタインズ・ゲート)とか、アニメのパロディネタを何食わぬ顔で突っ込んでくるのですが、今回はシンプルにしてメチャクチャセンスが良いので、見た瞬間吹き出しましたよ。


 もう一つの笑いどころは、リプレイ漫画でもデザイナーノートでも、その他の新作ゲーム紹介コーナーでも、「三部作が完成するか危ぶまれていた」という話が繰り返し書かれている事。みんなゲームジャーナルをどこまで信用してないんだ(笑) もっとも私も「こんな企画をぶち上げたら、完成までに休刊するのでは?」とか怯えてましたけどね。


■その他

ゲームの殿堂 「ゲームの中の南方★旋回」

 今回の特集に合わせてお題は独ソ戦ゲーム。ゲームの中で南方旋回がどう扱われているか、のお話。殿堂入りは翔企画「SSモスクワ電撃戦」。しかし推薦人が自ら「まずい……、このままではSSモスクワが殿堂入りになってしまう……」とかいうのは、当時の翔企画関係者に失礼なのでは……(笑)



[連載]ウォーゲーム英雄伝説(横口禎彦)

 今回のテーマは薔薇戦争。丁度、月刊プリンセス薔薇戦争漫画(というかシェークスピアのヘンリー6世漫画)の「薔薇王の葬列」を連載しているので、良いタイミングだと読んでみたのですが……、難しすぎて何がなんだか解らない……、ヘンリーとエドワードが何人も出すぎて混乱するわ。



[連載]B級SFゲーム分科会出張所(いしだたかし)

 今回のお題は対戦型ゲームブック「ロストワールズ」。しかしこれの復刊を復刊ドットコムに頼んだら、誕生したのが「クイーンズブレイド」だったというのは初耳だ。ゆうれい男とかを再販して欲しかったのに、出てきたのが半裸娘たちのハレンチバトルゲームだと知った人たちはどう考えたのでしょうか。


■次号予告

 No.58(2016年3月1日発売予定)の特集/付録ゲームは。「曹操最大の危機」。あの「信長最大の危機」システムで三国志の世界を描くというゲームとのこと。しかしなんか微妙に違和感もありますよね。信長やフリードリヒならともかく、曹操は「周囲を敵に取り囲まれていて、ボコボコにされそうになりながらも、内線機動で火消しに回って対処する」というキャラクターじゃないような? まあ実物を見てみないとなんとも言いがたいですけど。ゲーム紹介で、曹操が主役扱いなので、その他の武将たちが悪役みたいに書かれているのにワロタ。