感想:海外ドラマ「スパイ大作戦」第2話(シーズン1 第2話)「売国奴を粛正せよ」

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放送 BSジャパン

【※以下ネタバレ】
 

第2話 売国奴を粛正せよ Memory

 

あらすじ

敵国の軍国主義者を裏切り者に仕立てて抹殺するため、ブリッグスは敵国のスパイ"スパロウ"に扮する記憶のエキスパートの協力を得る。

【今回の指令】
 鉄のカーテンの向こう(=東側)で戦争を目論む指導者ヤノス・カークを抹殺すること。しかし暗殺は不可。


【作戦】
 IMFは、カークの部下で諜報機関のボスのドミトリ・ソスカに「カークは国を裏切った売国奴である」というニセ情報をつかませ、ソスカにカークを粛清させる事にした。そのため、ジョセフという超人的記憶能力の持ち主に、ソスカが追っていたスパイ「スパロウ」役を演じさせることを計画する。スパロウ(ジョセフ)をソスカに逮捕させた上で、救出作戦を実行し、わざと失敗すれば、スパロウ(ジョセフ)の情報は本物に見えるはずである。そしてその後ジョセフは捕虜交換的な方法で助け出す事になっていた。

 逮捕されたジョセフは予定通り「自分のボスはカーク」というウソの自白を行い、さらにブリックスたちが助けに来たことで、ソスカはそれを信じてしまう。ブリックスはジョセフがソスカの持っていたスパイのリストを記憶したことを聞き、予定を変更して助け出すことにした。ソスカはカークを殺し、さらにジョセフも処刑しようとするが、ギリギリのところでIMFがジョセフを救出した。


感想

 評価は△。

 今回はクオリティはいま一つ。その理由は、作戦が(ゲストキャラの)ジョセフを犠牲にすることが前提で成り立っており、緻密な計画でミッションを成功させるという様なスマートさに欠けたからである。ジョセフを助け出したのは、予定変更してからの話であり、個人的な犠牲といったものに頼らないのが信条(?)のIMFらしくないエピソードだといえる。

 タイトルの「売国奴」という言葉の響きもクラシカルだが、「鉄のカーテン」という言い回しも実に懐かしい。もちろん放送当時(1966年)にはリアルタイムの国際用語だったわけだが、21世紀となっては、若き視聴者には何のことだか見当もつかないのではないだろうか。

 今回の舞台は、「鉄のカーテンの向こう」、つまり東側諸国のいずれか、という事しか情報が無い(まあ正式な国名を出せるはずも無いが)。ただし、抹殺対象のヤノス・カークは「バルカンの殺戮者」というあだ名があることから、どうやら舞台はブルガリアルーマニアあたりを念頭に置いているように思われる(まあ、その割に、ルビヤンカ軍刑務所というソ連ぽい名前も出てきたが……)

 サブタイトルの原題「Memory」(記憶)は、ジョセフが超人的記憶力の持ち主であることに由来する。序盤に、ジョセフが、シナモンがペラペラめくったトランプのカードの並びを全て言い当てたり、電話帳見開き2ページの内容を一瞬で記憶したり、と、いわゆる瞬間記憶能力を発揮するシーンが有り、実に羨ましかった。

 ところで、今回は驚くべきことに、恒例の「音声での指令」が無い。ではどうやって作戦内容を受け取ったかというと、ブリックスが街角を歩いていると、いきなり見知らぬ男からメモ用紙的な物を渡され、裏を見ると作戦のポイントだけが書いてある、という具合だった。あのメモ程度で作戦内容すべてが伝わったとは思えないので、おそらくあらかじめ作戦の概要は受け取っており、メモでキーマンのソスカの名前を確定した、というところだろうか。

 ジョセフの声を演じたのは大木民夫氏でした。


参考:今回の指令の入手方法

 ブリックスが町を歩いていると、カメラマンに写真を撮られる。このカメラマンは写真屋で、希望する人には写真を一枚1ドル(追加は50セント)で売る、という商売をしている。ブリックスは断ろうとするが、相手に「ブリックスさん」と呼びかけられ、名刺大の紙を受け取る。表には「写真はいかが 一枚一ドル」云々と書かれているが、裏には「ルビヤンカ軍刑務所 所長ドミトリ・ソスカ」云々と書かれている。


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