数日に前にツイートでこんな噴飯物な物を見かけまして。
https://twitter.com/juns76/status/693625630332551168
SFブームって今の50代のおっさんがそのど真ん中に当たるわけだけどもさ。 そういうおっさんSFヲタって、「自分のSFの馴れ初めはハインラインがー、アシモフがー」と気取って言ってるけど、はっきり言うけどそれは後付の理屈であってお前らどうみても「宇宙戦艦ヤマト」見て染まったんだろうと
あー、中学生がちょっと背伸びしたくなってこんな事を書いているのだろうなぁと微笑ましくプロフィールを読んでみたら、なんと社会人(笑) なんかエリートくさいプロフィールを書いているけど、このツイート内容の知的レベルから見てどうせ虚偽申告じゃないかなぁと思います(笑)
それはともかく「子供がハインラインやアシモフからSFに入るわけ無いだろ」という誤解が微笑ましい。昭和では、子どもたちはそういう本格SF作家の作品にこそ、真っ先に触れていたもんです。何故でしょうか? 答えは簡単で、昭和には各出版社が競って「○○社少年少女SF文庫」といった類の本を出していたからです。
例えばこれ。
●岩崎書店 SFこども図書館
http://www.ta-kumi.com/harimaze/publication/gallery/iwasaki01.html
http://www.ta-kumi.com/harimaze/publication/gallery/iwasaki02.html
http://www.ta-kumi.com/harimaze/publication/gallery/iwasaki03.html
小学生低学年向けですが、アシモフ、ハインライン、クラーク、ドイル、ベルヌ、ウィンダム、ハル・クレメント、ベリヤーエフ、など、有名作家の作品をずらりと並べています。言っておきますが「小学校低学年向け」ですよ? タイトルは変えられていますが、「海竜めざめる」だったり「20億の針」だったりといった渋いラインナップで、読書好きな小学生は自然にこれに触れていたんですよね。
そして少し高学年になれば
●あかね書房 少年少女世界SF文学全集
http://www.ta-kumi.com/harimaze/publication/gallery/akane01.html
http://www.ta-kumi.com/harimaze/publication/gallery/akane02.html
こんな感じに。こちらもハインライン、アシモフ、ロバート・シェクリー、E・E・スミス、など大家の作品ぞろい。
こういった本が学級文庫や図書館にはずらりと並んでいましたから、読書好きな子供たちは「エジソンの伝記」とか「坊ちゃん」とか「宝島」とか「シートン動物記」とかと同じレベルでSFを読み込んでいたんですよね。そして、これらで十分教育された子供たちは、さらに先に進んで東京創元社や早川のSF文庫へと進んでいったわけです。
こういった実態をリアルタイムに体験してきた世代からすると、「ヤマトに触れるまではSFを知らなかったんだろう」的主張がいかに見当外れで馬鹿馬鹿しいか解っているので、笑わずにはいられませんでしたね。無知というのは、罪ではないけどバカにはされるよ、と忠告してあげたい(笑) まあご本人にはツイートでDISられちゃったけど(笑)