感想:海外ドラマ「X-ファイル シーズン8」第8話「透視」


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■ディーライフ/Dlife X-ファイル シーズン8 http://www.dlife.jp/lineup/drama/xfile_s8/
放送 Dlife。全21話。

【※以下ネタバレ】


※シーズン8の他のエピソードのあらすじ・感想はこちら→「X-ファイル シーズン8」あらすじ・感想まとめ

第8話 透視 SUREKILL

あらすじ

http://www.dlife.jp/lineup/drama/xfile_s8/episode.html
EP8 透視
「命を狙われている」と助けを求めて警察署に駆け込んだカールトン・チェイスが、留置所で撃ち殺された。スカリーとドゲットは犯人が警察署の屋上にいたことを突き止める。

 お題は「透視」。


 深夜警察署に男が命を狙われているといって半狂乱で駆け込んでくる。警官は男を保護するが、直後男は頭が吹き飛んで死んでしまう。調査の結果、男は脳天から撃たれており、犯人は署の屋上から真下に向けて撃ったと解るが、どうやって狙いをつけたのかは謎だった。

 死んだ男チェイスは不動産屋で、害虫駆除の会社と年に70万ドルもの取引をしていた。ドゲットたちは駆除業者のドワイドを調べに行くが、心象は真っ黒だった。実はドワイドと双子の弟ランドールは、副業として夜な夜な麻薬密売人を襲撃しては、金と麻薬を強奪して稼いでいた。ランドールは壁を通して向こう側を見通す透視能力があり、見えないところに隠れて相手を撃ち殺す担当だった。

 ドゲットたちはドワイドたちの副業を正しく推測し、さらにチェイスは副業でドワイドたちの麻薬を売りさばいていたと考える。おそらくチェイスは仲間割れでドワイドたちに殺されたと思われた。害虫駆除会社の経理担当でドワイドの愛人のタミーは、実は会社の金を横領しているばかりか、チェィスとも浮気していた。そのタミーにランドールはほれており、浮気相手のチェィスを嫉妬で殺したのだった。タミーはランドールが自分にほれているのを利用し、逃亡に利用しようとする。それに気が付いたドワイドは弟のランドールにタミーを殺せと命じるが、ランドールは逆に兄ドワイドを殺してタミーを逃がした。最後スカリーが、ドワイドは壁の向こうだけでは無く、タミーの心の中の何かも見えていたのかもとか言って〆。


監督 テレンス・オハラ
脚本 グレッグ・ウォーカー


感想

 評価は○。

 超常現象要素はつけたしで、ほぼ普通の警察ドラマといった内容だったが、それなりには面白かった。たまにはこういうエピソードが有っても悪くは無いかもしれない。


 ランドールは物体を透視することが可能で、それを利用して壁の向こうにいる相手を一方的に射撃して殺すという芸当が出来る。何故こんなことが出来るのか、については全く解明されなかったが、別に事件のメイン要素でもなかったので、気にもならなかった。ドゲットが壁を透視する犯人の能力を知って、スカリーに「ホシはクラーク・ケント?」と思わずもらすシーンがちょっと面白かった。ちなみに、クラーク・ケントとはスーパーマンの地球人名で、スーパーマンは透視能力を持っている、という事にかけたジョークである。


 今回のエピソードは、超常現象物というより「わるいやつら」とタイトルをつけたほうが良いノリで、登場キャラクターを見ても


・ドワイド・クーパー=害虫駆除会社経営。双子の兄。麻薬密売人襲撃グループの主犯。目が殆ど見えない。

・ランドール・クーパー=害虫駆除会社勤務。双子の弟。麻薬密売人襲撃グループで殺人担当。透視能力者。

・タミー・ペイトン=害虫駆除会社勤務。経理担当。ドワイドの愛人。実はチェイスとも浮気していた。さらに会社の金を10万ドルも横領している。

・カールトン・チェイス=不動産仲介業者。副業でドワイドたちが奪った麻薬の売りさばきを担当。ドワイドの愛人タミーと出来ている。冒頭殺される。


 とロクな人間がいない。とくにタミーは、ドゲットたちの取調べに「自分はドワイドの言うなりに働いていただけで何も知らない」と弱者アピールしつつ、実は会社の金を10万ドルもくすねており、さらにドワイドの愛人なのにチェイスとも出来ており、挙句にランドールを篭絡して、最後は大金と共にまんまと逃げおおせる、など、ワルの中のワルという感じである。悪人たちのゴタゴタがメインの話で、もう透視能力などどうでも良いという感じのエピソードではあったが、警察ドラマとして、これはこれで割と良い出来だったように思う。


 しかしドワイドとランドールは、顔が全く似ていないどころか体格まで違うのに、「双子」というのは無理がありすぎであろう。


一言メモ

 サブタイトルの原題「SUREKILL」は、多分番組オリジナルの造語。劇中に出てくる害虫駆除業者の看板にこの言葉が書かれており、「必殺」と翻訳されていた。「SURE」(確か)+「KILL」(殺す)の組み合わせだと思われる。