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自転する虚無 (宇宙英雄ローダン・シリーズ537) 文庫 2017/1/24
H・G・フランシス (著), K・H・シェール (著), 星谷 馨 (翻訳)
サウパン人科学者ラウデルシャークは、セト=アポフィスの影響から逃れる方法を発見し、瓦礫フィールドの基地から脱出する。しかし、たどりついた自分たちの宇宙艦で、不死身の“究極の生物”トラアーに襲われる。イホ・トロトはそのラウデルシャークの捜索を命じられ、かれをなんとかトラアーから救出する。近くの別の基地に連れていくのだが、そこは謎の存在「自転する虚無」に近づきすぎ、のみこまれようとしていた!
発売日 = 2017年1月24日(火)
サイクル= 第16サイクル「宇宙ハンザ」
【※以下ネタバレ】
内容
◆1073話 自転する虚無(H・G・フランシス)(訳者:星谷 馨)
イホ・トロトは逃走した科学者たちを連れ戻す任務を与えられるが!?
究極生物トラアーや究極生物を超える神様的存在アウエルスポールが登場する話。ラス前までは面白かったのですが、「結局トラアーたちが何なのかわかりませんでした」という投げっぱなしのオチに崩れ落ちそうになりました。あとで謎解きがあればいいのですが、シリーズにありがちな「作者が本筋に関係なく書いた回」の場合は、このまま放置の可能性があるので心配です。
「自転する虚無」が一体何なのかはもう読者には丸わかりですが、引っ張りすぎ、という気もしますね。
◇1074話 M-3より呼ぶ声(K・H・シェール)(訳者:星谷 馨)
ローダンたちはポルレイターの本拠「五惑星施設」近傍にたどり着くが、星系はポルレイターも知らない未知バリアで封鎖されており!?
K・H・シェール先生が第250巻(第500話)「虚無より来たる」から18年ぶりに日本語版に復活登場です!! いやー、シェール先生の書いた話がまた読めるなんて! そしてシェール節というのは変わっておらず、P219の銃の発射方法を説明する場面での「回転式遊底」だの「ブローバック」だの、物語に必要の無い技術用語を怒涛の如く並べ立てるシーンなんか、いかにもシェールらしいとしみじみしました。その昔、太陽系帝国の新型艦が登場するたびに、ゲストキャラクターにエンジンの性能だの武装の詳細だのを説明させるシーンを連発していたころを彷彿とさせて「人間は変わらないものだなぁ」と苦笑しました。
あとコマンド隊員が未知惑星に墜落していろいろ苦労する、という展開も懐かしいですね。まあ結構退屈でしたけど。
前半・後半ともまずまずのお話でした。
表紙絵
メインはイホ・トロトの後ろ姿。背景は襲い掛かってくる究極生物トラアー。
あとがきにかえて
担当は「星谷馨」氏。全3ページ。シェール復活についてと、トランプ大統領ネタで少し。
おまけ
関連サイトは、以下のページからどうぞ。
archduke.la.coocan.jp