感想:海外ドラマ「スパイ大作戦」第41話(シーズン2 第13話)「雲上のマイクロフィルム」

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【※以下ネタバレ】
 
シーズン2(29~53話)の他のエピソードのあらすじ・感想は、以下のページでどうぞ
perry-r.hatenablog.com
 

第41話 雲上のマイクロフィルム The Astrologer (シーズン2・第13話)

 

あらすじ

占星術師を装い、ある国の副首相に近づくシナモン(バーバラ・ベイン)。彼女が副首相の注意を引く間に、バーニー(グレッグ・モリス)とローラン(マーティン・ランドー)が重要なマイクロフィルムの回収を図る。


独裁国家ベスカの自由運動のリーダーが国外で捕まり、支持者名を写したマイクロフィルムも押収される。IMFはベスカの自由への道を閉ざさないため、母国へ向かう政府専用機に潜入。シナモン(バーバラ・ベイン)は高名な占星術師に扮し、バーニー(グレッグ・モリス)とローラン(マーティン・ランドー)は荷物庫へ。リーダーとフィルム奪還を目指す!


【今回の指令】
 軍事独裁国家ベスカ国(Veyska)の政府に対し、ニコライ・カルゾンという男が反政府運動を指揮していたのだが、先日カルゾンは某国においてベスカ秘密警察に捕らえられた。さらに彼の同志の名前の写されたマイクロフィルムも同時に秘密警察に押収された。もしカルゾンとマイクロフィルムがベスカ国政府の手に落ちれば、抵抗運動は壊滅してしまうに違いない。IMFはカルゾンとマイクロフィルムがベスカ政府の手に渡らないようにしなければならない。


【作戦参加メンバー】
 レギュラー:フェルプス、ローラン、シナモン、バーニー、ウィリー
 ゲスト:無し


【作戦の舞台】
 フランス・パリ→飛行機内→ベスカ国


【作戦】
 シナモンは有名な星占い師という設定でパリ空港に降り立ち、偶然のふりをして空港にいたベスカの副首相グリゴフと顔を合わせる。シナモンはグリゴフに、今日は首相に水に関する死が迫っていると予言する。さらにローランが首相のふりをしてグリゴフに連絡し、プールに罠が仕掛けてあって死ぬところだったと言ったため、グリゴフはシナモンの能力を信用するようになる。

 さらにローランは首相のふりをしてシナモンをベスカに連れて来るように命じ、シナモンは副首相たちと共に専用機に乗り込むが、その飛行機にはローランとバーニーも荷物に紛れてこっそり乗り込んでいた。飛行機は途中の某所に着陸し、秘密警察長官スタール大佐が、眠られたカルゾンとフィルムと共に乗り込んでくる。グリゴフとスタールは政治的なライバルである。

 ローランたちがマイクロフィルムを偽物にすり替える一方、シナモンはグリゴフに、星占いで「敵が何かを偽造している」と出たと伝える。グリゴフがマイクロフィルムを調べてみると反政府メンバーの名前に自分の名前が記されていた。グリゴフはスタールが自分を陥れるためにフィルムを偽造したと騒ぐが、逆にスタールによって拘禁されてしまう。

 そして飛行機がベスカに着陸する直前、ローランたちはカルゾンを荷物室に連れて行き、逆にカルゾンそっくりの人形を非常口から飛びださせて、カルゾンが死んだように見せかける。

 最後、ローランたちはカルゾンと共に荷物室から無事脱出し、シナモンも首相が差し向けた車(実はフェルプスが運転している)で去っていく。フェルプスマイクロフィルムを焼き捨てるシーンで〆。


監督: リー・H・カッツィン
脚本: ジェームズ・F・グリフィス


感想

 評価は○。

 大半のシーンが狭い密室(飛行機内)で展開するという話で、それなりの質ではあったものの、いささかストーリーに納得できない点が残り、どうにも釈然としなかった。


 今回もシナモンが偽りの身分で敵に接近し、巧みな話術で信用を得ていく。そしてシナモンは星占いの結果だと言って、副首相グリゴフに「敵を早く倒さないとこちらがやられてしまう」と煽りまくり、さらにローランが偽のマイクロフィルムを用意することで、結果的にグリゴフとスタール大佐を衝突させた。

 ところが、最終的に、IMFは二人の対立とは全く関係なく、「カルゾフ救出」「マイクロフィルムすり替え」という二点をクリアしてしまうので、結局のところ苦労して二人を衝突させる意味など何一つなかった。まあ、今回のような計略で敵の内部に対立を引き起こすのはIMFの得意技ではあるが、何の必要もなく人間関係の崩壊を招くこともなかったと思われる。

 最後にIMFのメンバーが空港を去っていくシーンを見ながら、何故IMFはあんなことをやったのだろうか、という疑問が頭にこびりついてしまい、折角の余韻を楽しめなかったのは残念ではあった。


 今回は、シナモン、ローラン、バーニーが飛行機内で大活躍したが、逆にフェルプス&ウィリーは出番が殆どなかった。主役のフェルプスが殆ど顔を出さなかったという点でも、いささか問題のあるエピソードだったと思う。


参考:今回の指令の入手方法

 フェルプスが駐車場の無人の管理人室に入り込み、棚からオープンリールテープレコーダーと封筒(写真入り)を取り出し、レコーダーを再生して指令を確認する。指令は最後に「なおこのテープはただちに処分すること」といい、フェルプスがそばの灰皿にテープを置くと、勝手にテープが燃え上がる。


参考:指令内容

 おはようフェルプス君。ベスカ国を牛耳る軍事政権によって追放の憂き目に遭いながらも、ニコライ・カルゾンは、依然この独裁政権打倒運動を活発に展開している。ところが二日前、そのカルゾンが国外の某所において、ベスカの秘密警察長官スタール大佐に捕まってしまったのだ。カルゾンは現政権打倒運動を支持する同志の名前を写したマイクロフィルムを所持しており、もし彼とそのマイクロフィルムが政府首脳の手に渡るや、打倒運動は壊滅、ベスカにおける自由への道は永久に閉ざされる。

 そこで君の使命だが、カルゾンとマイクロフィルムがベスカ政府首脳の手に渡らぬようにすることにある。例によって、君もしくは君のメンバーが捕らえられ、あるいは殺されても、当局は一切関知しないからそのつもりで。なお、このテープは直ちに処分すること。成功を祈る。


シーズン2(29~53話)の他のエピソードのあらすじ・感想は、以下のページでどうぞ

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