感想:アニメ「アイドル事変」第12話(最終回)「なんてったってアイドル議員!」


TVアニメ「アイドル事変」オープニングソング「歌え!愛の公約」(初回限定盤)

アイドル事変 公式ポータルサイト http://idoljihen.jp/
放送 BSフジ。

【※以下ネタバレ】
 

第12話(最終回) 『事変12 なんてったってアイドル議員!』

 

あらすじ

 With(夏月&静)のライブには観客が一人も来ておらず、夏月たちは呆然とする。幸恵が調べてみると、ヒロイン党のサイトがハッキングで改変され、ライブは中止になったと告知されていることが解る。しかし夏月と静は自分たちはアイドルだからと、観客無しのステージで歌い始める。

 その歌声が離れた町に届き、さらにライブの様子がネットで中継されたことで、ライブが開催されていることを知った人たちが次々とライブ会場に向かい始めた。また他のアイドル議員たちも、応援のため会場へと向かい始める。桜凱党幹事長は道路の封鎖などで人々のライブ会場への移動を食い止めようとするが、Withのファンたちはそれをものともせず会場を目指した。

 桜庭総理は自ら現地に赴いて陣頭指揮を執り、警官隊にライブを中止させようとするが、警官たちもいう事を聞かない。さらにかつて桜凱党に所属し、アイドル議員に出会って改心した議員たちが総理たちを糾弾する。それを見て桜庭は高笑いし、その場は引き下がる。Withのライブには駆け付けた他のアイドル議員たちも参加し、スマイルキス勢ぞろいとなったライブは大成功に終わる。Cherry7のメンバーも夏月たちを称え、まだまだ自分たちのレベルには達していないが壁となるので頑張れ的エールを送る。

 ライブ後。桜庭総理はアイドル議員禁止法を撤回し、さらに国民が政治家に何を求めているかを問うと言って、解散総選挙に打って出る。そして夏月たちアイドル議員は全員再選を果たし、桜庭は夏月たちにアイドル議員を認めていないのは変わらないし、手向かってくるなら受けて立つと言い放つ。最後、アイドル議員のライブに桜庭が来ていて結構ノリノリなシーンで〆。


脚本:高山直也 / 絵コンテ:神志那弘志 / 演出:守泰祐 / 作画監督:勝谷遥 / 美術監督:清水友幸


感想

 前回までの展開が、静「パフォーマンス勝負で頑張るわよ!」、桜庭「国会議員がアイドル活動とかのパフォーマンスに力を注いでいるなんて本末転倒」、と、どう考えても味方の言っていることが間違いで敵の言う事の方が筋が通っているので「番組のテーマを完全否定してどうすんの……?」と心配していたのですが、最終的にはなんとなくいい感じのオチに落ち着きました。

 結局、ラスト回も今まで繰り返してきた「ライブで歌って踊れば全ての問題は解決」というパターンで突破しましたが、なんとなく勢いで押し通して盛り上がったから良いんじゃないかなぁ。アイドル議員という存在が「政治に力を注がずアイドル活動の片手間でやっている」という根本的な問題は解決してないけど。あと、Cherry7と言いながら四人しか出てこなかったけど。


 でも、ま、予想よりは盛り上がりました。良しとします。


総括

 評価は○(まずまず面白かった)。

 最近はもう定番ジャンルとなった、『かわいい女の子たちが、アイドルとして歌って踊って』系のアニメ。スマホゲーム原作という事で、一ミリグラムも期待せずに視聴したのですが、期待値が低すぎたせいか想定していたよりは面白くて最後まで見続けてしまいました。


 現役アイドルが国会議員「アイドル議員」となって国政に参加している日本。「星菜夏月」はヒロイン党党首「近堂幸恵」に見いだされ、アイドル議員として政治に参加するようになり、同じ党に所属する有名アイドル「鬼丸静」たちと共に様々な問題に挑んでいき……


 放送前に見た公式サイトのトップ絵があまりにも雑だったうえに、スマホゲームが原作と知って、視聴前は全くこれっぽちも期待していなかったのですが、初回を見たら「10段階評価で2」くらいの内容だったので、「思ったよりましじゃん」という事で、つい見続けてしまいました。

 内容は、廃棄物処理場問題とか、保育園の存続問題とか、それなりに真面目な政治ネタも無いことも無かったのですが、どの問題も全部「アイドル議員が歌って踊ると、敵対していた勢力が洗脳されて味方になって解決」というとんでもない解決策ばかりで、苦笑ものだったのですが……

 終盤になると、アイドル議員を敵視する桜凱党所属の桜庭首相が「議員なら、アイドル活動をやる暇が有ったら政治活動をするべき」というぐうの音も出ない正論をぶつけてきて、もう番組のテーマを完全否定(笑) アイドル議員たちがいったいこの正論にどう反論するのかと思ったら、結局「ライブで人を笑顔にする」という答えになってない答えで切り返して終わるという強引な展開に……、これ、政治の主義主張と違って、どう考えても桜庭の言っていることが100パーセント正しいと思うけどなぁ。

 とまあ、話は強引に締めくくってしまいましたが、楽曲はOP/EDとも割と良かったし、鬼丸静役の渕上舞ガルパンの西住みほとか、アルペジオイオナとか、フワフワ系のキャラ以外の演技を見せていて結構新鮮なのは良かったなと。上田麗奈も「ほやーっとしたお姉さん」キャラ役とかやっていて、これも私としては珍しかったし。

 ということで、まるっきり期待していなかった反動で、それなりに面白がれたアニメでした。


舞台は現代の日本に良く似た、パラレルワールド的な[ニッポン]

広がる所得格差、しのび寄る環境汚染、打つ手なしのゴミ問題、
当事者不在の議論が続く待機児童、繰り返される汚職の数々…

あふれる問題や不満に対し何一つ対策を打つことのできない既得権益にまみれた政府。
そんな八方ふさがりな状況のニッポンでついに“アイドル”たちが立ち上がった!

ヒロイン党 賛来党 スターライ党 美少女党 わかば党 サブカル党 SOS党

7つのアイドル政党から、各都道府県の代表として国会議員となったアイドルは、
ニッポンを覆う閉塞感を歌とダンスで正面突破!!

国民の笑顔を取り戻し、
輝きのオーラでニッポンを包み込んでいく!!!



制作会社
MAPPA、VOLN


スタッフ情報
【原作】「アイドル事変」(MAGES.)
【キャラクター原案】CUTEG、Tiv、もっつん*、みことあけみ、空中幼彩、蜜桃まむ
【アニメーションキャラクター原案】Tiv
【監督】吉田大輔
【キャラクターデザイン・作画監督】石井舞
【シリーズ構成】高山直也
【脚本】川嶋澄乃、林壮太郎
【アニメーションキャラクター原案】Tiv
【サウンドプロデュース】つんく♂


キャスト
星菜夏月:八島さらら
鬼丸静:渕上舞
近堂幸恵:上田麗奈
不動瑞希:Lynn
桃井梅:仲谷明香
天羽くるは:吉田有里
小水流ミカ:赤﨑千夏
闇†林檎様:山本希望

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START UP,DREAM!!
It’s All Star☆Right彡
はっぴ~!Sunrise