感想:アニメ「幼女戦記」第12話(最終回)「勝利の使い方」

幼女戦記 (1) Deus lo vult

TVアニメ「幼女戦記」公式サイト http://youjo-senki.jp/
放送 AT-XAT-Xが最速放送)。全12話+総集編1話。

【※以下ネタバレ】
 

第12話(最終回) 『第拾弐話 勝利の使い方』 (2017年3月31日(金)放送)(最速放送)

 

あらすじ

 ターニャは共和国軍が南方大陸に落ちのびる可能性を予見し、上層部に停戦をやめ、直ちに攻撃を行うように進言しようとするが、参謀たちは全員祝杯を挙げるため出払っていた。ターニャはたまたま出会ったレルゲンに不満をぶちまけるものの、何の意味も無かった。

 やがて南方大陸に落ちのびた共和国軍は、ド・ルーゴ将軍以下「自由共和国」を名乗り、帝国への徹底抗戦を宣言した。帝国は仕方なく、少数の部隊を南方へ送ることに決め、ターニャ達がその第一陣として送り込まれる。自棄になったターニャが砂漠で部下たちに檄を飛ばすシーンで〆。


脚本:猪原健太 絵コンテ・演出:春藤佳奈 作画監督:髙田晴仁 / 谷口宏美


感想

 なんか笑えてきた。この間までシュリーフェンプランの話だったのに、一気にドイツアフリカ軍団の話になっちゃうんだもんなぁ。そして主人公がかならず戦争の焦点の(というか話として面白い)戦線に回されている、って小林源文の漫画「バンツァー・フォー」みたいだなぁと(笑)

パンツァーフォー/ソルジャーブルース

パンツァーフォー/ソルジャーブルース

(※バンツァー・フォー=第二次大戦が舞台の戦争漫画。ドイツの戦車兵ハントが、モスクワ侵攻、アフリカ戦線、クルスク、ノルマンディ、ベルリン防衛、等、戦記に登場するような派手な戦場に必ず配属されて活躍する漫画)。


 まあこんなもんだろうなぁ、というオチではありました。


総括

 評価は○(まずまず面白かった)。

 転生物+戦争物、という事で、凄くクセが強そうで、見る前は警戒していたのですが、いざ見たらわりと面白かった。ちょっと拾い物って感じでしたね。


 2013年、日本。あるエリートビジネスマンは解雇した社員に恨みを買って殺されかけるが、死の直前神を名乗る存在が尊大に話しかけてきた。だが男は神の存在を認めず正体不明の「存在X」呼ばわりし、さらに現代日本では神を信じる気にはなれないと言い返す。すると自称神は、苦労の多い世界に生まれ変わらせ、嫌でも神への信仰を持たせてやると言い、男を20世紀初頭の欧州風の世界に転生させる。男はターニャという少女として生まれ変わるが、前世からの記憶と生来の魔力、そしてすさまじい上昇志向により、軍隊でたちまちのうちに出世していく……


 「異世界転生テーマ」も「欧州大戦をモデルにした架空世界戦争物」も全く興味が無い、というより反発を覚える方だったので、開始前は全く期待していなかったのですが、見てみたら予想外に面白かった。

 どうせ『トラックにはねられて死んだのに、何故か異世界に転生していて、しかも超スゴイ魔力を持った美少女になっていたので、あっという間に軍隊でエリートとして出世して、人生が楽勝過ぎてウハウハ過ぎる件』みたいなしょうもない話だと思っていたら、「第二の人生でもエリートコースを上り詰めようとしているのに、なぜか毎回トラブルが起きて(;´д`)トホホ~になる話」だったとは。

 軍隊でさっさと出世して後方で楽をしたいと思っているのに、マッドサイエンティストの実験台にされたり、戦争を効率よく進めるための精鋭部隊(ただし損害率は物凄そう)のアイデアを開陳したら自分がまさにその部隊の指揮官を押し付けられたリ、とかいう、ターニャの苦労話がなかなかに面白かったです。

 でもまあ、後半になると、ターニャ個人の話から離れて、やっぱり「欧州風仮想世界の仮想戦記」になっちゃって、ターニャはコマの一つになってしまったので、ちょっと面白みも薄れた感もありましたが……


 しかし、開始前に予想していたよりははるかに面白かったです。まずまず満足でした。


統一暦1923年6月。金髪碧眼の幼女、ターニャ・デグレチャフは北方軍管区ノルデン戦区の第三哨戒線で上空からの観測任務にあたっていた。ターニャは帝国の士官学校で航空魔導師としての研修を終えたばかり。危険も何もないただの観測任務は何事もなく無事に終わるはずだった。


しかし協商連合の越境侵犯をきっかけに帝国と協商連合は戦争状態に突入し、事態は一変する。協商連合による奇襲が発生し、ターニャは敵の魔導師中隊と単独で交戦しなければならない事態に陥ってしまう。多勢に無勢で味方が到着するまで持ちこたえることなどできるわけもなく、しかし逃げようものなら敵前逃亡で死罪は免れないという絶望的な状況。何としても生き延び、上層部に対して最善を尽くしたとアピールするため、ターニャはとある作戦に打って出るのだが……。



スタッフ情報
【原作】カルロ・ゼン幼女戦記」(KADOKAWA/エンターブレイン刊)
【キャラクター原案】篠月しのぶ
【監督】上村泰
【副監督】春藤佳奈
【キャラクターデザイン・総作画監督】細越裕治
【シリーズ構成・脚本】猪原健太
【サブキャラクターデザイン】谷口宏美、牧孝雄、髙田晴仁
【服飾デザイン】谷口宏美
【魔導具デザイン】江畑諒真
【プロップデザイン】森山洋
【銃器デザイン】秋篠Denforword日和、大津直
【キーアニメーター】石橋翔祐、栗田新一、堀内博之
【エフェクトディレクター】橋本敬史
【軍事考証】大藤玲一郎
美術監督】平栁悟
色彩設計】中村千穂
【撮影監督】頓所信二
【3DCGIディレクター】高橋将人
【編集】神宮司由美
【音響監督】岩浪美和
【音楽】片山修志


音楽
【OP】MYTH&ROID「JINGO JUNGLE
【ED】ターニャ・デグレチャフ(CV:悠木碧)「Los! Los! Los!」


キャスト
ターニャ・デグレチャフ悠木碧
ヴィーシャ:早見沙織
レルゲン:三木眞一郎
ゼートゥーア:大塚芳忠
ルーデルドルフ:玄田哲章

幼女戦記 2 Plus Ultra<幼女戦記>