感想:海外ドラマ「X-ファイル シーズン9」第7話「ジョン・ドー」

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■ディーライフ/Dlife X-ファイル シーズン9 http://dlife.disney.co.jp/program/drama/xfile_s9.html
放送 Dlife。全20話。

【※以下ネタバレ】
 
※シーズン9の他のエピソードのあらすじ・感想はこちら→「X-ファイル シーズン9」あらすじ・感想まとめ
 

第7話 ジョン・ドー JOHN DOE

 

あらすじ

 お題は「超能力」。


 ドゲットが目覚めると、何故かメキシコの小さな町におり、しかも名前を始めとする自分に関する殆どの記憶を失っていた。ドゲットがかろうじて覚えているのは、息子らしい少年の姿だけだった。行く当てもないドゲットは、仕方なくその町の胡散臭い男ドミンゴの元で働くことにした。しかし、やがてドゲットは、町は警察も含めてメキシコの麻薬カルテルに支配されており、自分はカルテルに邪魔な人間として記憶を消されて、この町に放り込まれたことを知る。

 一方、レイエスたちは、ドゲットがテキサスで麻薬カルテル関係の事件を捜査中に失踪したため、必死で行方を捜していた。やがてレイエスは、わずかな手掛かりを辿りドゲットの元にたどり着くが、カルテル配下の警官たちに襲われ二人とも殺されそうになる。しかしそこにスキナーたちが駆け付け、二人は命拾いする。

 ドゲットは息子の事をきっかけにして記憶を取り戻し、自分の記憶を奪った男と対峙する。男はドゲットに記憶を取り戻しても辛いだけだろうというが、ドゲットはそれが自分だからだと言い返す。


監督 ミシェル・マクラーレン
脚本 ヴィンス・ギリガン


感想

 評価は△。

 超常現象要素がほぼ皆無の話で、犯罪サスペンスドラマの一作としてならともかく、X-ファイルという番組のエピソードとしては落胆に値した。


 いきなりドゲットが記憶喪失の状態から始まり、さらに「一日目」など思わせぶりな表示が入るため、シーズン6の第14話「月曜の朝」や、シーズン8の第6話「レッドラム」のような、不可思議な日々が展開するエピソードかとワクワクさせられた。ところが、すぐにそういう系統の話ではないと解ってしまい、正直落胆させられた。しかし、それでも、ドゲットをメキシコに拉致して記憶喪失にした犯人が誰かという点は謎だったため、「秘密組織の陰謀」であるとか「宇宙人の仕業」とか、そういう可能性を考えて、それなりにまだ望みをつないでいた。

 実際、後半になると、麻薬カルテルの現場ボス的な男が、男の頭をひっつかんだ途端に両目を光らせたので、「ついに宇宙人が登場したか!?」と、ちょっと気分を高ぶらせてしまったりした。しかし結局のところ、男は見たままカルテルの一員で、単に人の記憶を消せる超能力を持つ男に過ぎなかったというオチだったため、失望甚だしかった。

 ちなみに、この男(役名:カバレロ)は何者かというと「MEMORY VAMPIRE」という、記憶を吸い取る超能力者という設定になっている。しかしながら、個人的には「バンパイアなどという御大層なキャラクターか」とツッコミをいれたくなってしまった。


 超常現象要素ほぼゼロの今回の話の存在意義は、視聴者が忘れきっていたドゲットの息子の誘拐殺人事件について思い出させる事だと推測されるが、今シーズンはただでさえ「無敵兵士」の話で忙しいのに、ドゲットの息子の死の謎まで扱っている時間があるのか、という気がする。正直言って、何故また今になって息子の話を……、という今更感しか感じられない。


 ところで今回レイエスがメキシコ生まれだということが明かされる。モニカとかレイエスとかメキシコ系の名前とは思えないのだが、何か色々裏設定でもあるのだろうか。

一言メモ

 サブタイトルの「ジョン・ドー JOHN DOE」とは、アメリカで名前が解らない人男性につけられる仮の名前。女性の場合は「ジェーン・ドー」(JANE DOE)となる。

シーズン9の他のエピソードのあらすじ・感想はこちら

「X-ファイル シーズン9」あらすじ・感想まとめ