感想:海外ドラマ「スパイ大作戦」第78話(シーズン3 最終話(第25話))「尋問」

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【※以下ネタバレ】
 
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海外ドラマ「スパイ大作戦 シーズン3」あらすじ・感想まとめ
 

第78話 尋問 The Interrogator (シーズン3 最終話(第25話))

 

あらすじ

水面下で進行するアメリカへの侵略戦争計画。実行に移るのは2日後の4時、それ以外は何一つわからない…。意表を突いた尋問作戦で敵国スパイを混乱させ、機密情報を手に入れろ!


水面下で進行する某国のアメリカへの侵略計画。実行に移されるのは2日後の4時というところまでは掴めたが、それ以上の情報が何ひとつ分からない…。IMFは他国で捕まった某国のスパイを連れ出し、そのスパイから計画を聞き出すという作戦を立てる。迫るタイムリミットの中、スパイに自分が尋問する側だと思い込ませる意表をついた作戦で、敵国の攻撃計画を入手し、これを阻止せよ!

※DVD版のタイトルは「訊問」。


【今回の指令】
 アメリカは某国の侵略戦争が間近に迫っているという情報をつかんだが、判明しているのは戦争が二日後の午後四時に開始されるということだけである。某国のスパイであるノーヴァン・クルーガー(Norvan Kruger)は戦争計画の詳細を知っているが、現在はアメリカと非友好関係にある国に捕まっており、フリードリッヒ・スピンドラーという男に尋問されているものの、未だ口を割っていない。例えクルーガーが口を割っても、その非友好国が情報をアメリカにもたらすとは考えられない。IMFはクルーガーから、開戦時刻までに、某国の戦争計画を聞き出さなくてはならない。


【作戦参加メンバー】
 レギュラー:フェルプス、ローラン、シナモン、バーニー、ウィリー
 ゲスト:無名の劇団員たち(「ハートフォード劇団」所属)


【作戦の舞台】
 某非友好国


【作戦】
 スピンドラーはクルーガーをいくら尋問しても口を割らないので、上司の将軍の元に移送しようとするが、それをIMFが襲撃しクルーガーとスピンドラーを拉致してしまう。そして、クルーガーに記憶喪失にする薬を盛った後、クルーガーの母国の建物をそっくり再現したセットに放り込む。

 クルーガーが目を覚ますと、IMFメンバーはクルーガーが数か月前からスパイ(ローラン)を尋問中で、あと三時間以内に情報を引き出さないと上司に処刑されてしまう、という嘘を吹き込む。クルーガーは、今までの記憶が無いので状況が理解できないと訴えるが、フェルプスが演じる精神科医は、直前に自動車事故に会ったせいかもしれないが、それより早く尋問しないと命がない、とせかす。

 IMFはクルーガーにローランを尋問させ、ローランは数少ない判明しているキーワードである「潜水艦」「ミサイル」といった言葉を発して、クルーガーを刺激する。やがてタイムリミットが来てしまい、ゲストたちがクルーガー以下に銃殺を宣告する。フェルプスは焦ったふりをして、クルーガーはローランから機密を聞き出したはずだから早く話してくれと頼む。

 クルーガーは必死で思い出し、「潜水艦はレズニック島南西20マイルにいる」という自分自身の秘密を口にしてしまう。次の瞬間IMFはクルーガーを眠らせ、情報を本国に連絡すると、最後に眠っているクルーガーとスピンドラーを車に放置して、自分たちは立ち去る。


監督: レザ・S・バディイ
脚本: ポール・プレイドン


感想

 評価は△。

 非常にまどろっこしい作戦が展開されるエピソードで、スパイ大作戦に期待する爽快感がまるで無い、がっかりに終始した回だった。

 ターゲットであるスパイのクルーガーを記憶喪失状態にしてから、母国そっくりの建物のセットに閉じ込め、「三時間以内に任務を達成しないと銃殺される」という状況だと思い込ませプレッシャーをかける、という大仕掛けの部分は、確かにスパイ大作戦らしい設定である。

 しかし、その後に展開されるクルーガーから秘密を聞き出す方法というのが、「とにかくクルーガーの頭を混乱させて、ぽろっと秘密を口に出すのを待つ」という、なんとも遠回りというか不確かというかの作戦で、全く効果的に思えないので、最後にようやく任務を達成しても何の面白みも感じられなかった。

 そもそも話の前提となる状況がごちゃごちゃしすぎており、まず「某国が侵略戦争を開戦予定」というのが「どこの国に対して」というのが語られないし、クルーガーを捕まえた某非友好国とクルーガーの国はどういう関係なのかも見えないし、とにかく話が無駄に複雑になりすぎている。そして展開される作戦も、あまり頭を使ったものとは言えないので、正直今回の話はなんだったのか……、とため息をつきたくなってしまった。

 こういうエピソードにあたってしまうと、つくづく「スパイ大作戦のシナリオを書くのは本当に大変だ」という事を痛感させられてしまう。


 今回のサブタイトルの原題「The Interrogator」とは「尋問者」の意味。


参考:今回の指令の入手方法

 フェルプスが製材所の作業場所のような場所に入り、置いてあったボストンバッグからオープンリール式テープレコーダーと大きめの封筒を取り出す。フェルプスはテープを再生して指令を聞きつつ、封筒の中の写真を確認する。指令は最後に「なおこのテープは自動的に消滅する」といい、テープから煙が吹き上がる。(※第38話(シーズン2の第10話)「仮面夫婦の本性」のシーンの使いまわし)


参考:指令内容

 おはよう、フェルプス君。いま君が見ているのは、ノーヴァン・クルーガーといって、侵略戦争を起こそうと計画中のある国のスパイであり、その計画の詳細を知っている人物である。が、我々には二日後の四時にその幕が切って落とされるという以外、何もわかっていない。ところでそのクルーガーが、我が国とは非友好的関係にある某国に捕まり、目下その男フリードリッヒ・スピンドラーの尋問を受けているが、まだ口を割るに至っていない。また、たとえ割っても、わが国に知らせてこないことは明らかである。

 そこで君の使命だが、クルーガーの国の計画の詳細を探り出すことにある。例によって、君もしくは君のメンバーが捕らえられ、あるいは殺されても、当局は一切関知しないからそのつもりで。なお、このテープは自動的に消滅する。成功を祈る。
 
 

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海外ドラマ「スパイ大作戦 シーズン3」あらすじ・感想まとめ