感想:海外ドラマ「スパイ大作戦」第77話(シーズン3 第24話)「キャバレーでの出来事」

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【※以下ネタバレ】
 
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海外ドラマ「スパイ大作戦 シーズン3」あらすじ・感想まとめ
 

第77話 キャバレーでの出来事 Illusion (シーズン3 第24話)

 

あらすじ

東ヨーロッパ共和国の秘密警察次期長官候補者2人を失脚させるため、キャバレーシンガーに扮したシナモン(バーバラ・ベイン)。かつてその内の1人が愛し殺してしまった女性を思い起こさせるという役回り…。見事に演じきったシナモンに男たちから危険が迫る…。


東ヨーロッパ共和国の秘密警察次期長官候補者2人を失脚させるため、キャバレーシンガーに扮したシナモン(バーバラ・ベイン)。かつてその内の1人が愛し、殺してしまった女性を思い起こさせるという役回り…。見事に演じきったシナモンだったが、彼女に男たちからの危険が迫る…。

※DVD版のタイトルは「幻の殺人」。


【今回の指令】
 東ヨーロッパ人民共和国(the Eastern European People's Republic)では、次期秘密警察長官の地位を巡り、エミール・スカーベックとカート・ロームの二人が争っているが、どちらが長官になったとしても、同国が強制収容所のようなありさまとなる恐れがある。アメリカとしては、西側に友好的な第三の候補者ポール・トロックが長官になることが好ましい。IMFはトロックが長官になるようにしなければならない。


【作戦参加メンバー】
 レギュラー:フェルプス、ローラン、シナモン、バーニー、ウィリー
 ゲスト:無し


【作戦の舞台】
 東ヨーロッパ人民共和国


【作戦】
 IMFは、過去にスカーベックが恋人のキャルロッタという女性を殺し、その犯行を隠していることを利用することにした。

 シナモンはキャバレーの歌姫に扮してスカーベックに接近するが、すぐに「ライバルのロームからスパイをしてくるように頼まれた」と嘘を白状する。スカーベックは、シナモンに金を渡し、逆にロームをスパイして来いと指示する。フェルプスたちは、スカーベックに催眠術をかけ、キャルロッタ殺しの詳細を聞き出す。

 やがてシナモンに今度はロームが近づいてきたので、シナモンはスカーベックにスパイを頼まれたことを素直に喋る。ロームもまたシナモンに金を渡し、スカーベックをスパイして来いと命令する。しかしロームの目的は、シナモンを殺し、その罪をスカーベックにかぶせて失脚させることだった。

 シナモンがスカーベックの元に戻ると、スカーベックはシナモンとロームが良い仲になったと邪推して激高する。シナモンはキャルロッタが殺された時の様子を再現してスカーベックを挑発すると、スカーベックはシナモンを殺そうとする。しかしシナモンはスカーベックを薬で眠らせて危機を脱する。

 スカーベックが目覚めるとキャバレーにいて、直後現れたロームは、自分がスカーベックがシナモンを殺すように計画したと言い放つ。激怒したスカーベックはロームを射殺する。実は最初にスカーベックに話しかけた「ローム」はローランの変装で、一瞬のタイミングで本物のロームとすり替わり、スカーベックに本物のロームを撃ち殺させたのだった。最後IMFメンバーが車で立ち去るシーンで〆。


監督: ジェラルド・メイヤー
脚本: ローレンス・ヒース


感想

 評価は△。

 だるいだけで中身の薄いハズレ回で、思いっきり失望させられた。

 ターゲット二人は元々仲が悪いので、IMFが別に手の込んだ作戦を実行しなくても、すぐに互いに疑いあってあれよあれよとIMFの術中にはまってしまう。基本的にシナモンが二人の間を往復して嘘を吹き込むだけで作戦が成立してしまい、フェルプス以下四人はほぼ仕事をしておらず、秘密の小道具も、あっと驚く大芝居も必要ない、という物足りない話であった。


 ただ最後の最後だけはちょっとおおっと思わせられる場面があった。最後にロームフェルプスと一緒に現れてスカーベックに話しかけたあと立ち去るが、その「ローム」がマスクをむしり取ると実はローランの変装だったと明かされる。ところが、ローランは同じタイミングで道化師として登場していたので、これは一体どういうことなのか?と 視聴者は混乱してしまう。

 ところが次の瞬間道化師がマスクを取ると、こちらの中身は実はバーニーだったことが描写される。種明かしをすると、道化師はマスクと濃いおしろいですっかり素顔を隠しているので、中身がバーニーでも解らなかった、というわけである。このすり替わりは最後まで視聴者視点でも隠されていたため結構驚いたし、また道化師の濃いメイクはこの時のための伏線だったのか、と、本当にここだけは感心させられた。


 今回のサブタイトルの原題「Illusion」は、「幻影」の事。スカーベックがシナモンを殺したと思ったのは実は幻だった、という意味合いであろう。


参考:今回の指令の入手方法

 フェルプスがビルの屋上にやってきて、壁にある金属製の扉に長さ20センチほどの金属棒を差し込んでひねると、扉が開き、中にはオープンリール式テープレコーダーと大きめの封筒が入っている。フェルプスはテープを再生して指令を聞きつつ、封筒の中の写真を確認する。指令は最後に「なおこのテープは自動的に消滅する」といい、次の瞬間テープが煙を噴き上げる。(※第31話(シーズン2の第3話)「地下室からの脱出」のシーンの使いまわし)


参考:指令内容

 おはよう、フェルプス君。その二人はエミール・スカーベックおよびカート・ロームといって、東ヨーロッパ人民共和国における秘密警察長官の地位を争うライバル同士であるが、二人のどちらがその地位についても、同国はさながら一大強制収容所と化す恐れがある。

 そこで君の使命だが、この二人の争いを排除し、西側に友好的な第三の候補ポール・トロックが長官になるように仕向けることにある。例によって、君もしくは君のメンバーが捕らえられ、あるいは殺されても、当局は一切関知しないからそのつもりで。なお、このテープは自動的に消滅する。成功を祈る。
 
 

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海外ドラマ「スパイ大作戦 シーズン3」あらすじ・感想まとめ