【映画】感想:映画「80日間世界一周」(1956年:アメリカ)


80日間世界一周 スペシャル・エディション(2枚組) [DVD]

映画|NHK BSオンライン http://www.nhk.or.jp/bs/t_cinema/
放送 NHK BSプレミアム 2017年6月13日(火)

【※以下ネタバレ】
 

1872年のロンドン。まだ飛行機もない時代に、80日間で世界一周できるか否かをめぐって仲間と賭けをするはめになった英国紳士フォッグが大冒険の旅に出る。フランスの作家ジュール・ベルヌの傑作冒険小説を映画化。マレーネ・ディートリッヒフランク・シナトラバスター・キートン…といった豪華スターのゲスト出演に加えて、世界各国の壮大なロケーションも楽しめるアドベンチャー巨編。アカデミー作品賞など5部門受賞。

 

あらすじ

 1872年。イギリス・ロンドン。英国紳士フォッグは、財産家だが仕事は不明の謎めいた人物である。また日々の予定や風呂の湯の量その他のルールに細かくこだわる執事泣かせの男でもあった。ある日フォッグは、自分が参加している「改革クラブ」のメンバーと「80日間で世界が一周できるか否か」で、可能である方に全財産を賭ける。そして、すぐさま執事のパスパルトゥを伴い、東回りでの世界一周に旅立つ。

 フォッグは、いきなり列車が事故で使えないと知るや、気球を買い取って出発し、以後スペイン→フランス→スエズ→インド、と旅をする。しかしイギリスからは、フォッグを銀行強盗の犯人と疑うフィックス刑事がずっと尾行していた。

 フォッグは、インドでは死んだ夫に無理やり殉死させられそうになっていたアウダ姫を助け、以後共に旅をするようになる。そして香港→日本→アメリカ横断→大西洋横断、と、様々な困難を切り抜けながら、ようやく80日目にイギリスに帰り着く。しかしクラブに戻ろうとしたところをフィックスに逮捕され、牢に入れられてしまう。すぐに人違いであることが解り釈放されるものの、既に賭けの期限は過ぎ去ってしまっていた。

 全財産を失い消沈するフォッグに、アウダ姫は結婚を申し込む。求婚を受けたフォッグはパスパルトゥに牧師を呼びに行かせるが、パスパルトゥは新聞を見て今日がまだ80日目だという事に気が付く。一行は東回りで旅をして日付変更線を超えたため、一日計算を間違えていて、まだ賭けの期限内だったのだった。慌ててフォッグは賭けの期限の直前に改革クラブに滑り込み、ついに賭けに勝つのだった。


感想

 評価は○。

 169分(2時間49分)とめちゃくちゃ長い映画なのですが、結構面白かったです。


 ベルヌ原作という事で「冒険映画」かと思っていたのですが、これ「コント映画」でしたね。お堅いフォッグと、役に立つけど女性に弱いパスパルトゥのコンビによる、面白旅行映画でした。

 お堅い英国紳士のフォッグはどこに行こうとキリッとしていて(あと時間があればカードゲームのホイストばっかりしている)、従者のパスパルトゥは外国語も堪能だし身が軽くて荒事にも対応可能だし気が利くし、と役に立つのですが、美人がいるとすぐにそっちの方にフラフラ吸い寄せられてしまうダメなところもある、という硬軟のコンビが世界中を旅してまわる、というシチュエーションがやたら面白かったです。フォッグがカバンに札束を詰め込んでいて、何かというとお金の力で解決してしまう展開も痛快でした。


 途中で色々とイベントがあるのですが、何しろ世界中を旅してまわらないといけないので、どれも深入りせずにサクッと済ませています。ということで


・いきなり冒頭から気球でイギリスを旅立ってアルプスを越えてスペインに到着
とか

・スペインでパスパルトゥが闘牛に挑戦する羽目になる
とか

・インドで邪神カーリーを崇める連中から姫を助け出すミッションがスタート
とか

・香港でパスパルトゥがフォッグとはぐれる
とか

・アメリカでは大陸横断鉄道が先住民に襲撃されパスパルトゥが捕虜になる
とか

どれもそれだけで一つの見せ場になるようなイベントが続きますが、どれも軽くこなしています。しかし、まあ、それはそれで気楽に視聴出来て良かったなというところですね。


 アメリカで一行がパスパルトぅ救出のため列車に置いていかれると、即席の「風力列車」を作って旅を継続したり、大西洋上でチャーターした船の燃料が無くなると、即座に船を買い取って船の部屋などを叩き壊してマキ代わりにして、とかのシーンも最高に面白かったですよ。


 ちなみにこの映画は、有名俳優がチョイ役で出て来る、いわゆるカメオ出演が大盤振る舞い映画だったとのこと。どうりで、アメリカで、台詞の無いピアノ弾きがやたらアップになったり、意味もなく美人の姉御がフォッグに絡んでくるとか不思議だったのですが、

ピアノ弾き→フランク・シナトラ
姉御→マレーネ・ディートリヒ

だったとのこと。そんなん解らんわ! あと、多分その他にも当時有名だった俳優がぞろぞろ出てきているんでしょうねぇ。


 あとは、いちいちエキストラの数が物凄いし、ちゃんと日本にもロケで来ているし(海から富士山を臨むシーンが有ったり、鎌倉の大仏が登場したり)、多分世界中で真面目にロケをしていると思われます。ということで、昔風味のゴージャス感あふれる大作映画でした。


■一言メモ

・懐かしの番組「兼高かおる世界の旅」のテーマはこの映画の曲だったのね!

・映画の途中で「インターミッション」と字幕が出て、一分間休憩が入ります(笑) そんな映画初めて見たよ。

80日間世界一周 BSプレミアム6月13日(火)午後1:00~3:55



【製作】
マイケル・トッド
【監督】
マイケル・アンダーソン
【原作】
ジュール・ベルヌ
【脚本】
ジェームズ・ポー、ジョン・ファロー、S・J・ペレルマン 
【撮影】
ライオネル・リンドン
【音楽】
ビクター・ヤング
【出演】
デビッド・ニーブン、シャーリー・マクレーンカンティンフラス ほか



製作国:
アメリカ
製作年:
1956
原題:
AROUND THE WORLD IN EIGHTY DAYS
備考:
英語/字幕スーパー/カラー/レターボックス・サイズ

 
映画パンフレット 「80日間世界一周」監督 マイケル・アンダーゾン 出演 デビット・ニーブン
映画パンフレット 「80日間世界一周」 監督/ マイケル・アンダーソン 出演/デビッド・ニーベン、カンティンフラス
 

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