感想:アニメ「キャプテンフューチャー」第28話「幻の星幻の文明」

コロムビア・サウンド・アーカイブス キャプテンフューチャー オリジナル・サウント・トラック-完全盤-

東映チャンネル | キャプテンフューチャー http://www.toeich.jp/program/1T0000010881/201705
放送 CS放送東映チャンネル。全52話。1978年~1979年作品。

【※以下ネタバレ】
 

第28話 幻の星幻の文明(まぼろしのほし まぼろしのぶんめい) (「暗黒星大接近」より)

 

あらすじ

 「暗黒星大接近!」編・第4回(全4回)

 キャプテンフューチャーは、ケルベルス刑務所の囚人たちを上手く制圧すると、悪党の所長も監獄に放り込み、惑星ケルベルスを離れた。

 フューチャーは、残る惑星スティックスにこそザロ博士の本拠があると確信し、惑星を覆う大海にコメット号を突入させる。フューチャーの予測通り、大海は全て幻で、その下には自然あふれる惑星が広がっていた。しかしスティックスの住人ステジアンは、ザロ博士によって凶悪な地球人が侵略しに来ると嘘を吹き込まれており、フューチャーたちを捕まえてしまう。

 しかしフューチャーたちはすぐさま脱出すると、太陽系に迫った暗黒星に向かう。暗黒星もまたステジアンの技術で作られた幻だった。フューチャーたちはザロ博士の宇宙船を攻撃し、その際にザロ博士の幻影が消える。ステジアンはザロ博士が地球人の毛皮商人クリムだと気が付き、騙されていたと知ってフューチャーたちに降伏する。暗黒星の幻影を発生させていた無人宇宙船は破壊され、暗黒星の幻も消え失せた。

 フューチャーは、ステジアンに孤立を止めて地球人たちに心を開いてほしいと要請した。こうして太陽系の危機は去った。


脚本:辻真先


感想

 うーん、ダイジェスト編を見ているような早回しぶり&茶番ぷり。

 刑務所のトラブルを冒頭3分で処理すると、以後一目散に惑星スティックスを目指し、スティックスでザロ一味に捕まるもののさっさと逃走、最後は敵の自滅のような形で終わる、という慌ただしくかつ達成感の無い展開で、これはどうにも質が低すぎました。

 そして、何よりいけないのは、今回の話には見過ごせない矛盾が存在すること。ステジアンは、ザロ博士の変装が解けた姿を見て、「あっ、お前は毛皮商人のクリムではないか!? だましていたな!」と叫んでフューチャーたちに投降するのですが……、クリムがザロに変身するための機械をくれたのがステジアンのはず。つまりステジアンは「クリム=ザロ博士」だと知っていなければなりません。それを今更「ザロがクリムとは知らなかった」とか言い出されても困る。

 あと、この回になっていきなりフューチャーたちが「ザロの外見は地球人には見えない」とか言いますが、どう見ても思いっきり地球人ですよ! 


 と、辻真先先生にしてはクオリティの低い四回分でした。どこかで「原作の内容に、最新の科学を反映させるように言われて書いたら、どんどんつまらなくなって困った」という辻先生のぼやきを読んだ気がするのですが、この「暗黒星大接近!」のことだったのかしら?
 
 

キャプテンフューチャー」の他のエピソードのあらすじ・感想は、以下からどうぞ

アニメ「キャプテンフューチャー」あらすじ・感想まとめ
 
 
恐怖の宇宙帝王/暗黒星大接近! <キャプテン・フューチャー全集1> (創元SF文庫)