【ゲームブック】ゲームブックカタログの逸品「ALL ABOUT GAMEBOOK VOL.2 JICC出版局編」

13人目の名探偵 (アドベンチャーノベルス)

ALL ABOUT GAMEBOOK VOL.2 JICC出版局編 オールアバウトゲームブック2 - ゲームブックのオンラインショップ トレーダーズ・ギルド
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オールアバウトゲームブック
ALL ABOUT GAMEBOOK Vol.2 JICC出版局


■ 概要
JICC出版局(宝島社)のゲームブック全35作品+αを収録したデータベース書籍。
A5判 レーザープリンター出力本 カラー印刷 全122ページ。



■ 内容
JICC出版局(宝島社)より出版された全ゲームブック作品を、各種のデータ共に解説した当店オリジナルの冊子です。
JICC出版局アドベンチャーノベルスシリーズを中心に、宝島PGレーベルのザナドゥゲームブックや、フライデースペシャルレーベルのファミコンゲームブック、雑誌「月刊宝島」のおまけゲームブックなどを紹介。
データベース、コレクションのチェック用、当時を懐かしむ読み物、今後購入するゲームブックの前知識、一種のカタログとして……など、用途は様々。

 ゲームブック。それは「ストーリーを選択できる小説」のこと。小説のストーリーが数十~数百の断片「パラグラフ」に分割されており、例えば「分かれ道がある。右へ行くか? それとも左へ行くか? 右に行くなら3番へ、左に行くなら17番へ」とかいう感じで無数の分岐を選び、自分だけの物語を体験することが出来ます。


 ゲームブックは1985年に大ブームとなり、その余韻は1988年頃まで続いため、この時期に数限りない出版社がゲームブックに参入し、そしてブームが去ると撤退していきました。ホンの4年ほどのブームでしたが、この時代を体験した昭和ゲーマーにとっては忘れがたいアイテムです。

 そんなゲームブック愛する人たち(ゲームブッカーと呼びたい)が思わず手を伸ばしたくなる「ゲームブックのカタログ」があります。それがトレーダーズ・ギルド作の「オールアバウトゲームブック」シリーズなのです。

オールアバウトゲームブック

 トレーダーズ・ギルドさんは、中古のゲーム書籍やTRPGを扱うオンラインショップですが、なんと独自開発の商品も扱っています。それが「オールアバウトゲームブック」シリーズです。

 ゲームブックに参入した会社ごとに、その会社の作ったゲームブックを残らず網羅し、その内容を紹介するという、ある意味信じられないような本です。まあレーザープリンター出力本なので、「気合の入った同人誌」という見方もできますが、ゲームブックマニアにはたまらない趣向の本ではないでしょうか。

JICC出版局

 JICC出版局とは、今でいう「宝島社」の事ですが、シリーズ第二巻ではこのJICCが出版したゲームブックを解説しています。JICCのゲームブックは今では一冊5000円以上という高値で取引されているのが常で、その実態は謎に包まれていたので(?)興味を持って購入してみましたが、予想以上に中身が濃かった!


 まずJICC出版局とはどういう会社か、という背景から入り、この会社のゲームブックはどういう傾向なのかという概要、ゲームブックのブランド、執筆者の情報、そしてブームが去った後はどうしたか、という、時代背景とでもいうべきものを力を入れて紹介している事にうならされました。

 その後、個々の作品の紹介に入りますが、作品名・作者名・発行日といったカタログ的データから始まり、あらすじ、ゲームシステム、作者などについての備考、といった内容を2~4ページずつ使ってたっぷり紹介しています。そしてこの紹介が30作以上全てについて行われているのですから、情報量は気が遠くなるようなボリュームです。いやはや、買ってよかった!

 初版が発行されたのは2011年ですが、その時点は本を集めるのも大変でしたでしょうに(いくら古書店でも無い本は取り扱いようがないだろうし)、よく全巻の情報を調べきれたものだと感心します。

これはおススメ

 一種の同人本という体だったので、買う前は「とんでもないスカだったらどうしよう……」と心配していたのですが、声を大にして言いたい。「これで1200円なら安い! 安すぎる」。

 JICCはインフォコムゲームやウルティマ、カーマインや夢幻の心臓、といった当時のパソコンゲームを色々ゲームブックににしていて、色々と気になる存在だったのですが、この本でようやく実態をつかむことが出来ました。ありがとう、トレーダーズ・ギルド!
 
 
ウィットネス (アドベンチャーノベルス)