その昔、1970年代末から1987年まで発行された「アニメック」というアニメ雑誌が有りました。Wikipediaででも読んで頂くと解りますが、アニメの雑誌なのにやたら文字が多い。オールド特撮番組を紹介する連載がある。勝手に「ガンダム用語辞典」を作って掲載する。など、アニメの画面の絵は殆ど載せず、大量の文字で勝負する、クセの強い、マニアックな感じの雑誌でした。
wikipedia:アニメック
まあそれだけに、アニメージュとかああいう感じの雑誌とすみわけが出来ていて(アニメージュは実のところここ数十年ノリはほとんど変わっていません……(笑))、そこそこ売れていたみたいです。もっとも1980年代後半になるとそういうノリが薄れた感じで、その結果が休刊でしたが……
伝説の(?)メカデザイナー特集号
そのアニメックがまだまだお堅かったころの19号(1981年8月1日発行)は、メイン特集が、表紙では「アニメメカルネッサンス メカデザイナー大特集」、目次では「メカデザイナー列伝」と書いてある、とにかく当時のメカデザイナーにインタビューを敢行した大特集でした。私はこれ以降何十年もアニメ雑誌を見てきましたが、これに匹敵するものを未だに見たことがありません。
当時のメカデザイナーと呼ばれる人たちにインタビューをしてたっぷり話を聞き、あまつさえオリジナルのメカイラストまで描いてもらっているんですもん! 宮武一貴とか河森正治とかが、雑誌のためにパワードスーツとかロボットとかのイラスト描きおろしですよ。凄すぎると思いませんか?
でもって、先日何の気なしに古本を検索してみたら、安価にこの号が売っていたので、嬉しくなって速攻購入して読み直してしまいました。うほぉぉぉ、36年ぶりですよ。もう古本と言うより古文書ですなぁ。
登場した人々
インタビューに登場していたのは以下の人たちでした。
●大河原邦男
初代ガンダムの成功で一大有名人になった頃。しかし仕事スタイルは今と変わらず、淡々と「監督が求めるものを書くだけですよ」みたいな感じ。ちなみに「サンライズの新作SFロボット物」のデザインをしている云々というセリフがありますが、これ、81年10月スタートの「太陽の牙ダグラム」の事でしょうね。
●宮武一貴&河森正治
スタジオぬえのお二人。まあもうこの頃から有名人でしたが、二人とものちにもっと有名人になりました。当時は「ユリシーズ31」とか「テクノポリス21C」とか(知っている人皆無っぽい)を手掛けていた時期。ちなみにインタビューで言っていることが「現実を反映したリアルなメカデザでないとだめだ」とかやたら理屈くさい(笑)
●出渕裕
今ではアニメ監督とかイラストレイターとかガンダムその他のデザイナーとか色々な肩書がある御大となっておりますが、当時はヒーローロボットに負ける悪のやられ役(通称ブチメカ)をデザインする人、でした。この人がこんなに大物になるとは思わなかったよなぁ。